「ジャーナリズムの向上による民主主義の成熟」という骨太の目標を掲げている静岡県立大学ジャーナリズム公開講座。「民主主義」や「自由」は自明のもの、という価値観が揺らいでいる(ようにみえる)いま、このようなテーマについて考えてみるのは、なかなか刺激的です。また、毎回、現場第一線に身を置くジャーナリストの生の話を聞けるのも貴重です。

今年度の第1回は、『イスラム国とは何か』(旬報社)の著者でもあるジャーナリスト常岡浩介氏による「国際報道とロシアの宣伝工作」、第2回は米朝首脳会談の直前に、北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長の高英起(コウ・ヨンギ)さんによる「米朝首脳会談に向けた金正恩氏の本音」が開催されました。そして、第3回は、共同通信編集委員で、『グローバル・ジャーナリズム―国際スクープの舞台裏』(岩波新書)の著者でもある澤康臣(さわ・やすおみ)氏による「世界の極秘情報を暴いた国際調査報道記者連合」についての講義。

「パナマ文書、新たに120万件流出」と数日前に報道されたタイミングでもあり、タックスヘイブンの問題について知るいい機会となりました。澤氏の話では、日本では、所得の移転、租税回避などの「税逃れ」が注目されがちですが、それ以上に「匿名」による経済活動の危険性に着目されていました。さらに、「匿名」問題は経済活動だけでなく、日本の「匿名」報道圧力にも話題は広がり、興味深い講義でした。自分が疑問を持たず暮らしている社会は、必ずしも世界標準ではない…。

池上彰氏がコラム今朝(6月29付)の朝日新聞朝刊のコラム「新聞ななめ読み」で取り上げた『日本代表、W杯で活躍 ー あふれる「手のひら返し」は日本社会の怖さである』の背景にも、日本の匿名報道、匿名ネット社会化を垣間みる思いがします。

次回、静岡県立大学ジャーナリズム公開講座は、文藝春秋編集者・西本幸恒氏による「ノンフィクションと調査報道の現場」。こちらも楽しみです。

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昨日は、静岡音楽館 AOIで「聲明 鎮魂の祈り」を聞いてきました。「聲明 鎮魂の祈り」は、東日本大震災の被災者を励まし、犠牲者を追悼するための聲明で、生で聴く四箇法要は初めて。真言宗と天台宗の二つの宗派の僧侶約30名による聲明は、荘厳で力強く美しい。肉声による倍音の響きは、とても心地よく、セラピーを受けているようでもありました。

今日は「100分de名著」ブックス の『松尾芭蕉 おくのほそ道』(長谷川櫂、NHK出版)を読みながら、江戸深川を出発して松島へ。芭蕉はみちのくの歌枕の名所を訪ねることが楽しみだったようですが、それらの多くが廃墟となっていることに落としたのだとか。そんな中、松島だけは想像に違わぬ素晴らしい景色で出迎えてくれ、芭蕉の気持ちも晴れやかに。みちのくの歌枕の名所・旧跡は、その後、多くの人の手によって復されたように、東日本の震災被災地復興も着実に推進してほしいものです。

写真は、一昨年、東日本の震災被災地に視察で出かけたときの松島。あいにくの曇り空でしたが、湾の中には数多くの島が点在し、濃い松の緑に覆われていました。




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2019年新卒採用活動が始まりました。詳しくは下記をチェックしてみてください。

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1月最終週、駿府城公園の紅葉山庭園茶室での新春茶会。M先生による初春の茶室のしつらえ。「和敬清寂」の軸に、結び柳、そして鷽替え花入には「日光月光」の椿。初釜の床飾りについて、一つひとつM先生に教えていただき、あらためて新年らしい気分になりました。この日のお菓子は、出雲の茶銘菓「山川」と「若草」。この春から、富士山静岡空港から静岡-出雲路線が就航する。今年は、松江に出かけてみよう。




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技術の進歩でインプットされるデータの種類も量も加速度的に増えていますが、蓄積されたデータ分析からわかることを、だれにもわかりやすく伝える表現方法(アウトプット)が追いついていません。そんなことを意識するきっかけになったのは、2009年にニューヨーク近代美術館の特別展でみた「ルワンダ虐殺」の展示。ルワンダ虐殺が世界にどのような変化(難民の流出と国別受入れ数、犯罪数の変化、お金の流れなど)をもたらしたのか、だれにもわかるように編集された美しい映像作品に、データ表現の重要性と可能性を感じました。

以来、頭の片隅で気になっていたのですが、昨年末にお会いしたドッグランの大石直哉さんから、データの可視化の技術を学ぶ勉強会「データ・ビジュアライゼーション・ミートアップ2017」があると教えていただき、出かけてきました。

勉強会では、NHK報道局ネットワーク報道部の斉藤 一成さんによる、過去10年間分の飲酒事故データを分析・可視化して地域局で放送した事例や、日本経済新聞社メディア戦略部の清水正行さんによるデータビジュアライゼーションの作り方(制作物は「日経:ビジュアルデータ」で見ることができます)、東海大学教養学部芸術学科専任講師の富田 誠さんによる大学における視覚化人材の育成についての話など、興味深く聞きました。

当日、最もわたしの関心をひいたのは、Cameron Beccarioさんの作品「Earth」。パブリックドメインの気象データを利用して、地球の場所と高度ごとの空気と潮の流れを、インタラクティブに美しく視覚化しています。2013年12月に公開したこのサイトは、最初の月に、11ドルの運用コストで150万人のユニークユーザーを獲得したそうです。

 Cameron Beccario「Earth」: https://earth.nullschool.net/





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将棋史上初の永世七冠を達成した羽生善治氏と、囲碁で初めて七冠を2度達成した井山裕太氏が、国民栄誉賞を同時に授与するという、うれしいニュース。写真は、9月に行われた高尾紳路名人に井山裕太氏が挑戦した第42期囲碁名人戦七番勝負、第2局の大盤解説会でいただいた記念扇子です。高尾紳路名人の揮毫は「禮」(右)、挑戦者・井山裕太氏の揮毫は「躍」(左)。「躍」という一字に、負ければ七冠達成が遠ざかるという大舞台でも、新たな境地に向かって「自分が打ちたい手を打つ」という気迫が伝わってきます。

記念扇子は「次の一手」を当てるクイズでいただのですが、わたしがクイズに当たったわけではありません。わたしを含めて会場のほとんどの方が外れてしまったため、ジャンケン勝負でいただきました。この時の井山裕太六冠の一手は、解説の金秀俊八段と巻幡多栄子四段も驚く一手。このような局面での「定石」を逸脱した、まさに井山裕太六冠の「自分が打ちたい手」のひとつだったようです。

「成功への期待よりも、失敗を恐れる気持ちが勝って、次の一歩を踏み出せない」という臆病な気持ちは、井山裕太氏の「躍」の一字をみながら払拭したいと思います。今年のいい思い出になりました。





同じ状況を目の前にしたからといって、誰もが同じことを考えるわけではないところが、ものごとをややこしくしたり、おもしろくしたりします。

先週行われた、第42期名人戦第2局、高尾紳路名人対井山裕太六冠の一戦。初日の大盤解説会に出かけてきました。縦横19本の線上に黒と白の石が置かれていくわけですが、(解説者によれば、途中の)「こんなところで?」という場面で、高尾名人、井山六冠、それぞれが長考。

次の一手を予測する金秀俊八段と巻幡多栄子四段の解説一つ一つで、盤上に並ぶ碁石が違う形勢に変化して見える。さらに、立会の武宮正樹九段がやってきて、金秀俊八段や巻幡多栄子四段とは、また別の読みを解説するなど、小さな盤上ですが奥は深い。打ち手の大局観が対局を進める初日はおもしろい。

「この手はダメですか」と聞いた巻幡多栄子四段に対して、「(局所で)ダメかどうか気にするよりも、進む方向が大事です」と、金秀俊八段は即答。ユーモアも交えて解説する金秀俊八段と、初心者目線で質問してくれる巻幡多栄子四段の掛け合いも楽しい大盤解説会でした。この勝負、146手で白番井山裕太六冠の中押し勝ちとなりました。






昨日は、久しぶりの綺麗な夕焼け。「町の南側から夕焼けが見えるように、北側からも同じ夕焼けが見えるよ」というポニーボーイ(映画「アウトサイダー」)の言葉を思い出しました。

「成長したいけど、自分が何をしたいのかわからない」「技術は身につけたいけど、何を作りたいかわからない」「自分の意見は尊重してほしいけど、自分では決められない」…。学生の相談を聞いていると自信のなさを顕著に感じる、と話していたのは、大学で講師をしている私の知人。彼に、学生はいつ頃から自信をなくしはじめるのだろう、と聞いてみたところ、彼の返事は、大学に入学してから、でした。私の意見は、もう少し早く(根拠はありませんが)11歳頃から。若干の開きはありますが、10代が大切な時期という点では一致しているかな。

そういえば、映画「アウトサイダー」の最後の場面、ジョニーが亡くなる直前にポニーボーイに残す言葉が「Stay Gold」(輝きを失うなよ)。スティービー・ワンダーの同名のテーマソングとともに、印象に強く残っています。その時、ジョニーは16歳。ポニーボーイは14歳でしたね。






このところ「働くこと」についての議論がにぎやかです。内容は、働く目的や働き方、職場や制度などさまざまですが、そのような場面では、うまくは言葉にできませんが、「働くこと」の総体から何か大切なものが欠落した感覚になることがあります。

先日、三木清の『人生論ノート』を読みながら、こんな言葉に出会いました。「成功と幸福とを、不成功と不幸とを同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何かであるかを理解し得なくなった。自分の不幸を不成功として考える人間こそ、誠に憐れむべきである」、そして「幸福は質的なもの、成功は量的なもの」。

三木清のこの言葉に出会い、気づいたのは、自分が感じていた欠落感は「はたらくこと」で得られる幸福感についてかな、と。わたし自身は「はたらく」ことはその両面、成功(お金や地位)という計量可能な側面と、幸福の実現(誰かに必要とされている実感、自分の居場所があるという安心感、自己実現など)という質的な側面、の両面を実現可能にできるもの、と(幸いなことに)考えています。簡単ではありませんが、やりがいがあり、豊かな行為。ですから、成功(損得で測りやすい事柄)という側面と同様に、幸福の実現という視点からの議論もしてみたい。

「私の書いた本がたくさん売れて印税がたくさん入っただろうと、うらやましがられることがある。それは「成功」といえるけど、それで私という人間が変わるわけではないし、えらくなったわけでも、幸福になったわけでもない。うらやましがられるのは、成功についてでしょう。
 私の幸福は何かと言えば、例えば、プラトンの『ティマオス/クリティアス』を苦労しながら古代ギリシャ語から翻訳をする仕事をすること、これが私にとっての幸福なこと。でも、誰も羨ましいとは思わないでしょう」(岸見一郎「人生論ノート」を読む」白澤社)


三木清は「幸福は各人においてオリジナルなものである」とも言っています。成功について語るのと同じように、それぞれのオリジナルな幸福についても語ることができたら、何かが変わるような気がします。


【フリーマガジン『womo』静岡版8月号、浜松版8・9月号発行】太陽がきもちいいアクティブな夏体験





熊本地震からの復興途上で大雨に見舞われた熊本県をはじめ、台風や大雨による被害が伝えられている九州地方。これ以上被害が広がらないことを願うばかりです。

一方「1944年(昭和19年)の東南海地震以降は全県規模の災害はなく、県内住民の大部分は大きな災害を経験していないことになります」(静岡県HP「静岡県市町村災害史」より)と静岡県のホームページに書かれているように、わたしたち静岡県民はここ数十年、幸運にも全県単位での大きな災害にあうことなく過ごすことができてきました。

そのような幸運を実感しながらも、近い将来、東南海地震の発生が予測されている私たちが、いまできることとして、ささやかな取り組みですが「熊本地震復興応援くまモンうちわ」に協賛しました。費用の一部は熊本県へ寄付されます。「熊本地震復興応援くまモンうちわ」は、「アースカレッジ」(静岡市)、「七夕祭り」(焼津市)、「夜店市」(静岡市)などのイベント会場で配布します。見かけましたら、ぜひ受け取ってください。そして、ご家庭での防災・減災準備のきっかけにしていただければうれしいです。

・ジブン防災静岡 https://machipo.jp/bousai/










「一人ぼっちでも大丈夫? 友達ゼロの人の結末」。これは、明治大学・諸富祥彦教授の「日経ウーマン・オンライン」(6月17日)のコラム・タイトル。ずいぶんストレートなタイトルだなぁ、そう思いながらクリックしたのは、自分もどこかに「そちら側?」という感覚があるからかもしれません。 SNS全盛、「絆」第一の時代に、ともだちが少ないと、どうなってしまうというのか。怖いものみたさで確かめてみようかと…。

恐るおそる読みはじめてみたところ、諸富祥彦教授の伝えたかったことは「一人の時間を過ごせる力、言いかえれば孤独力は、現代を生きるための必須能力」「孤独力を持った人は、人生を充実させる上でアドバンテージを持っている」ということ。“一人ぼっち“を肯定する内容でした。

とはいえ、「嫌い」と「寂しさ」を選択するとき、私たちの多くは「嫌い」を選んでしまいがち。「不満」と「不安」では「不満」を選択して、自分の成長の機会を逃してしまう。一人で歩くときの不安よりも、自分の本性に目をつむり、周囲にとってよき人になってしまう。なかなか難しい。

こちらは、人生の終盤に充実した独居生活を送っている先輩たち(編集者・都築響一氏の著書『独居老人スタイル』筑摩書房)。漫画家、スナックのママ、流し、映画館のお掃除婦、居酒屋主人などなど。ひとり暮らしの毎日を楽しみながら元気に暮らしている先輩たちに、「こんな結末ならありかも」と勇気づけられます。



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あじき路地(京都市東山区)にある「日曜日のパン屋さん」という名前のパン屋さんでデニッシュとクロワッサンを買って、京阪本線清水五条駅に向かって歩いていると、路地奥の屋根付き駐車場でガレージセール(無料でしたが)に出会いました。バランスのとれた配色で並べられた靴と洋服の手前に「御自由にお持ちください Take Free 」というメッセージが添えられていました。

その文字が理知的で、芯の強さも感じられます。それから「御」のくずし方が懐かしい。立ち止まって、じっと見つめてしまいました。不用になったものは、スマホのフリマアプリで手軽に処分できる時代ですが、自分が大切にしてきたモノを、誰かはわからないけど、同じ街の気に入ってくれた方に手渡して、新たな場所で必要とされるというのはちょっと幸せな気持ちになりますね。












「君のリポートは正しいのだろう。良くできていると言ってもいい。ただし、私が欲しかったのは、データを並べて当然のように導き出されるリポートや結論ではない。『にもかかわらず、やる』『やらなければ、将来はない。そのために、なにをするのか』ということを、死ぬほど、考え抜いた報告が欲しかったのだ。その新規事業をやめるべきだという君のリポートは、一般論として正しいのだろうが、『にもかかわらずやる』という意志を経営者が持った時に、『どうするのか』といったところまで、考え抜かれていないのだよ」

IIJの鈴木幸一氏が連載している日経新聞のコラム(2月14日付)に、今から40年ほど前に、京都のある経営者から「情報通信分野に進出したいのだがいかがか」という宿題を出された時のことを書いていました。そして、鈴木氏の報告を受けた経営者の言葉を今でも思い出されることがあると、先の言葉を紹介していました。

後に、鈴木氏ご自身がIIJを設立し、インターネットの商用サービスを始めようとした時、親しくしていた多くの経営者がいろいろな現実的な理由をあげて「だから、ともかく、やめておきなさい」と相手にされなかったのだそうです。それでも、確信をもって始めてしまったこと、そして、ふと「にもかかわらず、やるのだ」と、京都の創業者の方に叱責された時のことを思い出したと振り返っていました。

鈴木氏の思い出に「そうなんだよ」とうなずく方は多いのではないかと思います。そしてそのような人は、「にもかかわらず、やるのだ」と周囲の意見を押しのけて始めた事業が、必ずしもうまくいくわけではないことや、現実には、成功するものはほんの一握りでしかないこと、しかも結果としてうまくいった事業も幸運が重なったから、としか振り返ることができないことも、痛いほどわかっている。それでも「にもかかわらず、やるのだ」と決断し、一歩を踏み出さない限り、新しい事業を生み出すことはできない。重要なことは、決断すること。経験やデータなどは過去のものでしかないのに、過去に捕まり、身動きできなくなってしまう。

既存のモノやサービスに対する需要は、いつか必ず飽和してしまう。どんなモノやサービスも、生産量は時間とともに増加し、やがて成長率は鈍化して、ゼロ成長となり、収束していく。そして、ある種のモノやサービスは、イノベーションによる「創造的破壊」により淘汰され、消えていく。そのようなことは頭では理解していても、それが自社の主力商品(手慣れた仕事のやり方も)となると、創造的に破壊していくことは耐え難く、問題を先送りしてしまう。わかってはいるのだけれど。


・しずおかオンライン1Dayインターンシップ【開催レポート】
 http://www.esz.co.jp/blog/24.html




例年になく暖かく穏やかな元日の朝。
今年も吉田町川尻海岸の初日の出とともに新年を迎えました。
大井川の向こうには富士山もくっきり。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。





週末、東京に出かけたついでに青山の自由大学に寄ってご挨拶。ちょうど一年ほど前に「Creative City Lab 創造的都市の作り方」に参加し、今年は、三代目学長の岡島悦代さんをしずおかオンラインの社内勉強会の講師としてお迎えしたり、「BREWING CAMP in ポートランド」では佐藤大智さんに情報をいただいたり、自由大学のキュレーターのみなさんには何かとお世話になった一年でした。

アポなしでしたが、運よく、午後の講義の準備をしていた佐藤大智さんがいらして、今年のお礼と、来年の2月に予定している「BREWING CAMP in ポートランド」で作ったビールのお披露目パーティについて少しお話をしました。パーティーにはポートランドから Redさんも駆けつけてくれるとのこと。アルコール度数11度のビールの域を超えた?ビールでの乾杯が、今から楽しみです。

自由大学の拠点でもあるコミュニティ型の空間「COMMUNE 246」の2つの教室には、どちらにも存在感のある黒板があります。それらの大きな黒板を前にすると、不思議と気持ちが未来に向けて前向きになります。それから「黒板」と「自由」は相性がいいとか、ホワイトボートではそうはいかないとか、考えてしまいましたが、それは個人的な過去の体験によるものなのか。




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・「 womoビューティーパスポート」発行しました!
http://womobeauty.eshizuoka.jp/e1737343.html









静岡市葵区の「ミライエ」で開催された、第7回静岡コピー大賞の授賞式に出席しました。主催は、 SCC(静岡コピーライターズクラブ)。

今年のしずおかオンラインは、「いつかではなく、今日、防災の行動をおこさなきゃ!」という課題で協賛させていただきました。その受賞作品が「あの時の私に助けられました。」。作ってくれたのは、静岡産業技術専門学校の平川竜雅さん。「静岡に住むわたしの防災」を考えるきっかけにしたい、という思いの課題に、シンプルでわかりやすく、同時に、防災を「自分ごと」として考えたくなる素晴らしいコピーだと思います。平川さん、ありがとうございます。

しずおかオンラインでは、静岡市の防災情報についての読みものサイト「助かる!ジブン防災静岡」を運営しています。今すぐできる防災準備やキホンの知識、Q&A、取材レポートなどを随時更新中!「あの時の私」とは、もちろん、今の「私」。遅すぎることはありません。ジブンのため、家族のために、今できる「防災」の準備を、今日始めてみてはいかがでしょうか。

プレゼンターを務めてくれた弊社マーケティング課の山本純子さんは、2児の母。守るべき家族ができて、防災に対する意識が高まったと話していました。彼女の意識を変えたご家族(ご主人とお子さんと)が会場に見学に来てくれていたのも、とても良かったと思います。







感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日。米国ではこの日からクリスマス・セールが始まります。この日の売り上げで小売店は大きな黒字になることから、「ブラックフライデー」と呼ばれるようになったのだとか。日本でも今年は「全米が沸くメジャーセール、ついに上陸!イオン ブラックフライデー…」という広告が話題になりました。消費が伸び悩む小売りの現場では、「ハロウィン」に続いて「ブラックフライデー」の浸透に期待が高まりそうです。
この秋、ポートランドに出かけた際に利用したホテルや施設からもブラックフライデーのメールが届きました。「Hello friends and strangers」で始まるメールは、Ace Hotelから。スペースモーテルで睡眠中の男性のイラストに添えて、「また今年もこの瞬間がやってきた。真夜中なら悪魔のささやきに身を委ねクリックできる、いつもは正当化できない買い物も今ならクリック…」のようなメッセージが。睡眠中の男性は、Ace Hotelのネットショップでさっそくスリッパをクリックしたようです。




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【womo12月号】では、編集部がセレクトした「womo版 2016年ギフトカタログ」を特集しています。クリックして、ぜひチェックしてみてください。購入は静岡市内の店頭で!





引き締まった空気の中でも落ち着いた気持ちで居られるのは、いつになくイグサの香りが強く感じられるからだったように思います。よく見れば畳表を替えた様子がありました。立冬に先立ち、紅葉山庭園茶室で開催された11月の「口切り」の茶会では、茶壺の「口切り」の作法と炉の構造についてM先生が実演しながら解説してくれました。一つひとつの所作とその意味が結びつくことで、一連の流れがなんと効率的で美しいものかと気づかれます。自分がやっていることの意味を知ることは、どんな分野であれ大切ですね。「口切り」の茶会が終わり、一足早く新年に向けて気持ちが新たになりました。




・「womo」12月号が発行となりました ↓




「ほぼ日」と上場

いつか東京糸井重里事務所が上場したら、一口株主になって株主総会に参加したい…」とブログに書いたのは、いまから2年前。上場を目指す動機を語る糸井重里氏のインタビュー(『ハーバード・ビジネス・レビュー』(3月号))からは、いよいよカウントダウンの準備が整ってきたことが伺われます。

 「ほぼ日」は自由そうに見えて、不自由さも持ち合わせていて、物事を考えるサイズも、無意識のうちに小さな器に治めようとしてしまう。とてつもなく大きなことをやって世界に進出する野望があるわけではないが、(ある時から「この組織は、このままでは収まらないだろうな」と思えるほどの成長を実感しているにもかかわらず)、いまのままの小さなサイズで満足してしまっては、夢がない…などなど、いろいろな理由があるようです。糸井重里氏の言葉は、やさしいふりしてむずかしいですが、取締役CFO篠田真貴子氏が、つねに糸井氏の考えをわかりやすく伝えています。このおふたりは、とてもいい組み合わせなんだと思います。

「僕たちの組織はやることの“サイズ”が小さい」と語る東京糸井重里事務所の2015年3月期(第37期)の業績はというと、売上31億8,500万円、純利益3億400万円、利益率は約9.5%。中小企業としては、超優等生の部類に入るのではないでしょうか。売上構成は、人気の「ほぼ日手帳」は約50万部の販売実績ということなので、平均単価4,000円として約20億円。その他物販、イベント諸々で10億円といったところでしょうか。すでに十分大きなビジネスに思えてしまうのは、こちらのサイズの小ささ、ですね。

 先日、アルファベット社の新事業の業績が発表されました。収益の柱は、インターネット事業と広告ビジネス。新事業の医療・健康、自動運転車、ロボット、省エネ住宅などの分野は軒並み赤字でしたが、将来への成長期待は高いものでした。一方、糸井重里氏は、上場で集める資金を使って、何に投資しようと考えているのでしょう?その時の株主との関係は?いろいろ想像してしまいます。

 上場の実現に向けて入社した取締役CFO篠田真貴子氏は、上場にくわえてもうひとつ、「糸井重里事務所という会社を、糸井重里という人間がいなくなった後にどのように存続させるか」という大きなテーマを与えられているのだそうです。糸井重里後の糸井重里事務所の継続的な成長をどのように描くのか、それらをどのような組織で実現しようと考えているのか…。まだまだ興味は尽きません。
 


初釜とお能。

 2016年は、徳川家康公顕彰400年。今年のグランシップ静岡能は、顕彰400年を記念して、江戸城で行われた祝賀能で上演されたという演目「翁」と「加茂」、狂言「末広かり」、そして能「八島」を再現するという趣向でした。上演は、宝生流能楽師。昨年の「羽衣まつり」で、謡「羽衣」を指導してくれた佐野登先生も「加茂」と「八島」で登場。佐野登先生の舞台を見るのは今回がはじめてでしたが、さすがにいい声をされていました。
 大寒の前日、今年最初の茶禅の勉強会は、紅葉山庭園の茶室「雲海」での初釜。M先生の炭手前は、素人のわたしの背筋も自然と伸びてしまう貴重な体験でした。年を重ねるごとに新年らしさが薄れて感じられますが、初釜とお能という日常にはない静かな時間を過ごして、ようやく新しい年が始まった気持ちに。写真のお軸に書かれている禅語は「雪裏梅花只一枝」。ゾロリという花器のお花は、加茂本阿弥という椿。





 黒・蘇耀国九段の第1手は「15の七」。蘇九段の新布石「ブラックホール」の基点がきれいに姿を表した、第40期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦12局(白・黄翊祖八段)の序盤の棋譜を並べてみました。ここから黒がどう展開するのかに興味津々なわけですが、対する白がこの布石をどのように破りにかかるのか、この勝負は目が離せません。

 この新しい布石は、天元(真ん中)に向かって吸い込まれていくようなイメージからそう名付けられたのだそうで、蘇九段が黒番で「15の七」「13の十五」「5の十三」「7の五」の4手を完成させると、現在のところ勝率100%、逆に阻止されると勝率0%。

 新しい布石の誕生を目撃できるということだけでなく、その結果がこれほど白黒はっきりしていることも、この新しい布石が碁界で話題になっている理由の一つなのでしょう。将棋と違って囲碁はどこに打っても自由とはいうものの、従来の「序盤は四隅から」という打ち方から離れて、未知なる世界を開拓しようとする姿勢に感心してしまいます。





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海野 尚史 HISASHI UNNO

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