「いつもなら2ー3日で停戦となるのに
  今回はまだ続いている。
  14日に帰国してしまったのは
  ぼくの判断ミスでした」

今月14日に中東から帰国したばかりの
報道カメラマン八木健次さんとの会話の中で
そんな言葉が聞かれました

ここでの停戦とは今日も新聞で取り上げられていた
イスラエルのレバノン空爆を指しています

今日八木さんの写真事務所を訪ねる前までは
「イスラエルと北朝鮮の違いは何だろう」
程度にしかみていなかったのですが、
中東で使用している撮影機材を見せてもらいながら
八木さんの口から先ほどのような話を聞くと
それまでモノクロームだった映像が
突然カラーになったような印象を受けました

自分とは全く無縁だった事柄が
間に1人の人間が入るだけで
突然自分とつながる、
そんな出合いのとりもつ力をみなさんも
みなさんも経験していると思います

八木健次さんは静岡県出身のカメラマンで
20代から30代前半にかけては
パリでファッション誌の撮影を通じて経験を積み
その後報道の世界に飛び込んでいった経歴を
持っています

これから静岡市を拠点に活動されるということでの
打ち合わせだったのですが、
さて〈しずおかオンライン〉では
どんな仕事が一緒にできるのか、
八木さんとの出会いで
どんな新しい関係が作れるのか
今からとても楽しみです

PICT0470.JPG

『正直な気持ちを話そう』(八木健次著・たちばな出版)
〜イスラエル・パレスチナ 45人のリアルライフ〜


  一緒に働く社員が誇りに思える企業を目指す

地域づくりにつながる人材育成を目的として始まった
「すんぷ未来創造塾」に出席して
「インテグレックス起業とSRI
 〜持続可能な社会をつくるために〜」というテーマで
(株)インテグレックス代表の秋山をね氏の話を聞きました

社名のインテグレックス(IntegreX)は、
インテグリティ(Integrity=誠実さ)をチェック(X)する、
同時に自らのインテグリティもチェックされる、
ということを意味した名前なのだそうです

内容は、
SRI:Socially Responsible Investment(社会責任投資)、
CSR:Corporate Social Responsibility(企業社会責任)など
なじみの薄い専門的な話でしたが

  ※詳しく知りたい方は、
    (株)インテグレックスHP へ
    http://www.integrex.jp/

CSR(企業社会責任)とは何かという説明で秋山をね氏が語った

 それぞれの企業の理念を実現するにあたって、企業の
 「言っていること」と「やっていること」の一致が信頼に繋がり、
 「言っていること」に「思い」があることが尊敬を育む

という話はとてもわかりやすく共感できる内容でした
わたしたち〈しずおかオンライン〉においてはどうだろうか、と
振り返りながら聞きました

たまたま「パロマ工業」が新聞紙上を賑わしているからというだけでなく
CSR(企業社会責任)の対応は、
企業の大小を問わず重要な時代になってきたと思いますし
これからますます企業の評価基準として重要視されるでしょう

〈しずおかオンライン〉は上場企業ではありません
CSR(企業社会責任)についてできることも限られますが
自分たちにできることから一歩づつ確実に変革し
一緒に働く社員が誇りに思える企業を目指したいと思います


※「すんぷ未来創造塾」は、2006年11月に静岡市久能に
オープンする「徳川温泉城下町すんぷ夢ひろば」を運営する
(株)チャーミング・リゾートすんぷによる社会貢献活動の
サポートを受けて開催されています


静岡で家を建てる.JPG

『なぜ安アパートに住んでポルシェに乗るのか』 (辰巳 渚著、光文社刊)という本が
話題になる時代ですから住まいに対する考え方も人それぞれですが、
それでも「家は一生で一番大きな買い物」であることは間違いないでしょう

多くの人は「いつか、その時が来たら自分が理想とする家を建てたい」
と思っています
そしてその「いつか」は、いつやってくるのでしょうか

既にマイホームを建てた施主さんに聞きますと
理想的なタイミングで予定どおりにやってくるというよりは
「ある時期、突然ムクムクとそんな気になって」
「盛り上がって」建ててしまったという方が多いようです

 「○○さんが最近家を建てたんですって」
 「ふ〜ん で、どんな家? いくらしたの?」
 「来年子供も小学校に入学するし」
 「そろそろウチも建てちゃおうか…」

案外そんな話題がきっかけになるのではないでしょうか

そしてその「いつか」がやってきたときに
みなさまの理想とする家づくりのお役に立てていただきたいと考えて
〈しずおかオンライン〉では
『静岡 家を建てるときに読む本』を発行しました

『静岡 家を建てるときに読む本』は、静岡市、浜松市、富士市、沼津市など
県内の実績のある工務店、ハウスメーカーを紹介するガイドブックです

現在発行中のvol.5号では、富士市、沼津・三島市をなど
県東部地域の工務店さんも大幅に増えていますので、
東部地区にお住まいの方にも大変参考になる情報が充実しています

地元の工務店やハウスメーカーさんが建てた実際の施工例を
豊富な写真で紹介するとともに
実際にその家を建てた施主さんにも登場していただき
家づくりのお話しを伺っています

「そろそろわが家も…」と思い始めたら
ぜひ『静岡 家を建てるときに読む本』を
県内書店、コンビニエンスストアでご覧ください


夜は、しずおかコンテンツバレー推進コンソーソシアム主催の講演会に
行ってきました
「エモーショナル・ブランディング」をテーマに
イギリスのDVD雑誌「shots」の編集長リンディ・スタウト氏を招いて
2006年カンヌ広告祭のレポートなど興味深い話が聞けました

「shots」は世界中から集まる注目のTVCMやミュージックビデオ、
ショートフィルム、CG作品などの新作映像を厳選して
紹介する隔月刊の雑誌で、
DVD版には毎回100プログラムが収録されています

歴史も社会背景も価値観も異なる世界中の国々から集まる作品を
どのように選ぶのか、その選択基準に興味があったのですが
「shots」においては、
1、テクノロジー
2、メッセージ
3、アイデア
の3点を基準にしているとのこと

中でも大切にしてるのは「新鮮なアイデア」であるということを
強調していました
「新鮮なアイデア」をベースに「心に訴えかけるメッセージ」を
「最新のテクノロジー」で効果的に表現しているか、
ということでしょうか

とはいえ、ものづくりにかかわる人間にとって一番やっかいで
説明しにくいものが「新鮮なアイデア」でもあるわけで、
それを説明しろと言われると困ってしまう関係者は多いのでは

会場ではリンディ・スタウト氏が選んだ最新の注目映像作品も上映されました
日本人の作品では、YUKIのプロモーションビデオを作った
映像ディレクター野田凪氏の「コカコーラ」(米国か英国用のCFらしく
日本では放送されていません)も取り上げられていましたが、
リンディ・スタウト氏の一押しで僕自身も一番印象に残ったのは、
ソニーのテレビ「ブレビア」のCF「ソニーボール」という作品

サンフランシスコの坂のある町並みを無数の色とりどりの
スーパーボールが跳ねながら下っていく、
カメラはスーパーボールの溢れる坂道を
淡々と追いかけていく、というシンプルなもの

言葉では上手く説明できないのですが、
「ソニーボール」もその他の作品にも共通しているのは
「新鮮なアイデア」のある作品は、
見る者を幸せな気分にする、
そんな力をもっていることだと思います

もちろんこれは広告や映像作品にだけあてはまるのではなく
雑誌やガイドブックなどの出版物についても同じです

〈しずおかオンライン〉で創る出版物、制作物も
「新鮮なアイデア」で読者のみなさまを幸せな気分を
感じていただきたいと考えています

ところで「サンフランシスコの坂道に大量のスーパーボールを転がしましょう」
というアイデアを、ソニーのお偉方の前で
どうやってプレゼンするのでしょうか?
提案する方も採用する方も勇気がいりそうです


6日から東京ビッグサイトで始まった
「第13回東京国際ブックフェア」へ行ってきました

今回は過去最高の世界30カ国、約750社の出版関連企業が出展したらしい
それでも毎年ドイツのフランクフルトで開催されるブックフェアに比べれば
ずいぶんと小規模(個人的な印象ではスペースにして1/6程)なので
日本の出版市場の大きさが実感できる

ここ数年は、コンテンツホルダーである出版社の出展数やスペースが減少気味で
コンテンツの乗り物にあたる造本、PC、モバイル、ゲーム端末などに関連する企業の出展が増えている

この傾向は今年も続いていて、メディアの多様化はますます顕著になっている
1996年から前年割れが始まった雑誌の販売部数は
2005年度で10年連続の減少、
部数にして約11億冊(約26%)も減っている
(※社団法人日本書籍出版協会 統計資料参照)

統計上は厳しい数字だけど数年前の
「誰が本を殺したか」についての議論が賑やかだった頃に比べると
出版界全体としては落ち着いて受け止めている雰囲気が伝わってくる

書籍や雑誌の読者が減ったとしても悲観することはなくて
メディアの姿が変わっても、それに乗せるコンテンツについては
やはり既存の出版社はずいぶんとアドバンテージがある

メディアが増えれば増えるほどコンテンツホルダーとしての
出版社は優位性を発揮できる

雑誌「サライ」の創刊編集長でもある小学館の岩本敏氏の
「編集者はもともと広大な地平から金脈を見つけるのが得意な山師だったはず。
 いまこそ山師の才能を発揮する時代」
という言葉が印象的

その一方で出版社がネット時代に乗り遅れた理由として
「編集者ほどコンサバな人種もいない」という

これまで社内変革の最大抵抗勢力だった編集者をどう変えるかが
出版社生き残りの鍵なのである
これは規模に限らずすべての出版社に共通する課題だろう


P日帰り本5表紙.JPG

『しずおか日帰り本』の最新版が県内の書店・コンビニで発行となりました

ガイドブックはどんな読者に向けて編集するかによって
特集や紹介する記事内容が変わってきます

夏を迎えるこれからの時期はレジャーガイドのニーズが高くなります
学生さんも社会人も家族連れの方もこの夏をどう過ごそうかと
心の中でソワソワし始めているのではないでしょうか

県外の読者に向けては、わたしたちも制作のお手伝いをしている
昭文社の『まっぷる静岡』などがよく読まれています

一方、静岡県に暮らす方に向けてわたしたちが
毎年この季節に発行している本が『しずおか日帰り本』です

こちらは完全に“静岡ローカルガイド”として編集している
ガイドブック。

 「県内の有名どころは、ほぼ行き尽くしちゃった」
 「生粋のジモティーズが楽しめるおでかけスポットを知りたい」
という読者に向けて作っています

ですから誌面で紹介する記事も全国誌の旅行ガイドとは
ひと味もふた味も違います

夏休みや週末旅行の計画作りの役に立つのはもちろんですが、
朝起きたときに「そういえば今日は何も予定がなかったな」という
日曜日に散歩気分で楽しめるスポットも紹介しています

ちなみに『しずおか日帰り本』は今回で3号目ですが
毎年中身はすべて新しい情報となっています。
『しずおか日帰り本』(vol.3)に満足していただけた方には
(vol.2)もおすすめです

県内の書店・コンビニの店頭で販売しています

P日帰り本橋.JPG
編集長の見崎が独断で進めた企画「橋セレクション」。一瞬「?」と思いつつも
実際に写真でいろんな橋を見ると本物を渡ってみたくなるから不思議

P日帰り本2桜えび.JPG
桜えび率95%というかき揚げが人気の由比港漁港直営の食堂を
はじめ、まだ食べたことのない地元グルメ情報も紹介

P日帰り本花火.JPG


村上.JPG

今朝、中田英寿の引退ニュースを聞いたとき
村上隆の『芸術起業論』(幻冬舎刊)の
一節を思い出しました

村上隆は、可能性を持った若いアーチストを
世界に通用するアーチストに育成するために

「ダメな理由をハッキリと言う」
「崖から落とすような新事実を伝える」
「耐えられなくなって這い上がろうとする
 アーチストを、もう一回蹴り落とす」
のだそうです

若手の才能を限界まで引き出そうとする村上隆の姿が
自分の経験やスキルをピッチの上で若い選手たちに必死に
伝えようとする中田英寿の厳しい姿とダブって見えたのです。

日本の中だけで通用する芸術の世界から欧米の芸術世界に飛び出し、
2001年の「スーパーフラット展」
2002年のカルティエ現代美術財団での「ぬりえ展」
2005年の「リトルボーイ展」と
着実に世界で実績を積み上げてきた村上隆と、
いち早く日本を飛び出し世界のサッカー界で評価された中田英寿

そんな世界標準を体現した者だからこそわかる
「違い」や「伝えたいこと」があるのだと思います

もちろんわたしは「村上隆」でも「中田英寿」でもありません
そのような世界を体現した誰かから
厳しい言葉や自分のダメさを指摘されたとき
素直に耳を傾ける姿勢とそれに応える気構えは
いくつになっても持っていたい、
そんなことを中田英寿の引退ニュースを聞きながら考えました


海野 尚史 HISASHI UNNO

アーカイブ