所用があって熱海に出かけたついでに、旧日向別邸を見学してきました。写真では見えませんが、左手前に真鶴半島が、その先に三浦半島、房総半島と続き、正面に初島が浮かんでいます。右奥には大島がうっすらと見える。建築家・渡辺仁氏が設計した旧日向別邸のリビングに立つと、相模湾を一望するこの景色を独り占めしている気分になります。昭和初期に別荘地として売り出された熱海の一番の魅力は、この素晴らしい風景だったのでしょうね。
写真の芝生の庭園の地下には、ドイツ人建築家ブルーノ・タウトが手掛けた日本に現存する唯一の建築、通称「熱海の家」が隠れています。白壁の階段を地下室に向かうと、正面に真竹の華頭風の格子が現れ、入口左手にホワイエが、そして右側に、手前から社交室、洋風客間、十二畳和室が配置されています。
三つの空間は微妙な角度で接続されていて、立つ位置によって次の間の空間が水平に変化します。一方、洋風客間と和室にある階段から見る眼前に広がる太平洋は、階段の高さによって水平線の位置が垂直に変化して風景が一変。「熱海の家」の中を移動していると、自分も建物も周囲の山や自然に溶け込んでいる感覚になり、そこにこの建築の魅力を感じました。モノとして主張する建築ではなく、環境と調和することで価値が生まれる建築。『反オブジェクト―建築を溶かし、砕く』 (ちくま学芸文庫) の中で隈研吾氏が語っている、建築は「オブジェクトではなく関係性」とは、そういう理解でよいのでしょうか。
わたしたちの身近な建築の関係性ということでは、環境としての街に対する反オブジェクト的住宅とはどんな建築なんだろうかと、興味が広がります。そういえば、隈研吾氏が参加しているといわれる新国立競技場A案「木と森のスタジアム」が、JSCに推薦されたとか。神宮の森と調和する巨大な反オブジェクト的建築として、その姿を目にしてみたいですね。

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【フリーマガジンイエタテ冬号】西部版・三河版 発行しました。
巻頭は「省エネ住宅特集」。2020年に義務化される省エネ基準に向けた家づくりの事例を紹介。その他「リフォーム・リノベ特集」も充実しています。
・詳しくは「イエタテスタッフ日記」をご覧ください↓
http://sumailabstaff.eshizuoka.jp/e1589092.html
・「イエタテ」
http://www.sumailab.net/


「womo」1月号が発行となりました。巻頭特集は「きれいになれる温泉〜女子のための温泉データ付〜」です。年末年始のイベントが一息ついたら、温泉でリフレッシュ。ココロもカラダも気持ちよく2016年のスタートを迎えてみませんか。
詳しくは「womo編集部スタッフ日記」をご覧ください。
・
http://womonet.eshizuoka.jp/e1589157.html
womoアプリAndroid版をリリースしました。
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2016年1月30日(土)に、家づくりとマネープランのパートナー探しをサポートする
womoカウンター主催のバスツアーを開催します。
「
womoカウンター」は、女性向けフリーマガジン『womo』や住宅情報誌『イエタテ』を発行するしずおかオンラインが運営。今回は、静岡県中部エリアの3カ所のモデルハウスをバスで見学します。
「いつかはわが家を…」とお考えのご家族、ご夫婦、カップルでの参加はもちろん、お一人での参加も大歓迎!当日はwomoスタッフが参加者の皆さんをエスコートします。
・詳しくはこちらをご覧ください
http://womocounter.eshizuoka.jp/e1585459.html
・こんな特典もご用意しています。
『選べるDELIのお弁当』+『採れたて地元野菜の詰め合わせ』付き!
・womoカウンター(静岡市葵区追手町3-11 静岡信用金庫追手町ビル3階 静岡市役所向かい)
http://womo-counter.jp/

今日は“討ち入りの日”と聞いたことを思い出して、夜、久しぶりに立川志の輔の落語「忠臣ぐらっ」を聞きました。討ち入りを成功させるためには、吉良邸の絵図面が必要。大石内蔵助から絵図面入手の使命を受けて、吉良邸の裏手で酒屋に化け、絵図面入手の機会を待つ、赤穂浪士四十七士のひとり岡野金右衛門。岡野を主人公に、彼とご近所さんたちとのお噺。
討ち入りに備える岡野は、待機中に思い人もできたりして、「もう討ち入りやだな。やめたいな」などと、すっかりやる気が失せている。いっぽう、岡野の正体はご近所さんたちにすっかりばれていて、周囲は何とかして岡野に絵図面を渡そうとする。歌舞伎や浄瑠璃などで描かれる「忠臣蔵」の世界観をひっくりかえして、中身のないばかばかしいお噺にしたてた志の輔の着想がおもしろい。大きな物語も、視点をずらしてみたり、違う立場の人の思いを想像してみることで、そこにはまた違う物語があることに気づきます。それにしても、志の輔の「忠臣ぐらっ」は笑えます。
もうひとつ、今日14日は「
シズオカオープンデータプロジェクト」のアプリコンテスト作品エントリーの受付日でもあります。本コンテストは、静岡市が新たに立ち上げた
オープンデータサイトに登録したデータを活用した「静岡を元気に!」するアプリやアイデアのコンテストです。実施にあたっては、ICT技術者による本格的なアプリ開発を競う「アプリ部門」だけでなく、専門知識がない方も気軽に応募できる「アイデア部門」や学生を対象とした「学生部門」もあります。
公共データも、行政側からではなく市民目線で使い道を考えたり、分解と組み合わせにより新たな視点を獲得することで、これまでにない“使える”サービスが生まれる可能性があります。とりあえず、頭をやわらかくして、いろいろなアイデアを考え、気軽にご応募してみてください。
・「静岡市オープンデータカタログサイト」
http://dataset.city.shizuoka.jp/
今朝新聞を開いて、12月12日が映画監督小津安二郎の誕生日であることを知りました。
いつもは非公開となっている
芹沢銈介の家の二階を見学できると知り、“芹沢銈介の家”お二階拝見ツアーに参加してきました。場所は、静岡市駿河区の登呂遺跡に隣接する芹沢銈介美術館から歩いて数分。
「ぼくの家は、農夫のように平凡で、農夫のように健康です」という芹沢銈介の家は、いまから100年ほど前に建てられた家にも関わらず、古民家のような重厚感はなく、簡素で軽快で、明るく開放感のある気持ちのいい家でした。もともとは宮城県の登米市にあった板倉の家を芹沢銈介が気に入り、東京蒲田の自邸に移築。素朴さはそのままに、細部に芹沢銈介が手を加えたことで、粋な雰囲気が強調されています。
板倉の家を象徴する簡素な厚板が、年月を経て、風雨にさらされて、落ち着いたいい雰囲気を漂わせています。高機能な素材の家づくりが可能になっている昨今、エネルギー効率ではかないませんが、気持ちの良さでは自然素材の家はいいですね。芹沢銈介の家の見学は、今回2回目。2階部分は初めてでしたが、ますます芹沢銈介の家に魅かれました。
二階は十畳二間の和室。床の間の豪放に「愛染」と書かれた軸は棟方志功によるもの。
・「芹沢銈介の家」(しずおか近代和風建築さんぽ)
http://kindaiwafu.eshizuoka.jp/e1020573.html
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・静岡、三河の工務店・注文住宅・リフォーム会社を検索サイト「イエタテ」

「食べること。それはひととつながりをつくる手段だ。あの人と仲良くなりたい(友達が欲しい)、恋人になりたい。でもそんな欲望も、自分や相手の素性も、全部さらけ出してしまうところが食の怖いところだ。そもそも“食”って…」
これは昨日手元に届いた静岡県内の大学生が作る情報誌『静岡時代』41号の表紙コピーです。特集タイトルは「
君と○○になりたい、飯を食おう。」。“つながる”ことへの欲求からか、“食”という行為にたいする純粋な関心からか、きっかけはなんであれ、自分の関心事にストレートにアプローチする姿勢が、『静岡時代』の大きな魅力になっています。
『静岡時代』は、今年で創刊10年目。10年間に組まれた特集記事がそのまま、静岡の大学生の歴史として読めそうです。
本誌内容はwebマガジン「
シズオカガクセイ的新聞」(eしずおか)でも読めます↓
・「シズオカガクセイ的新聞」
http://gakuseinews.eshizuoka.jp/
・NPO法人静岡県大学生大学院生ネットワークしずおかGENTEN 鈴木智子さん
http://interview.eshizuoka.jp/e1031935.html

「世界には平面の世界と立体の世界のふたつがある。動くことで世界は複雑になり立体になる。異なるテクスチャーの連続が、立像を描くわけです。世の中をできるだけ単純に見ようとした芹沢銈介は、平面の世界を切り取りました」。
ご自身が一番すきだという芹沢作品「薪文のれん」をスクリーンに映しながら、深澤直人氏の講演「芹沢銈介の表現と視点」は始まりました。「大学の授業みたいで…」という会場からの声に苦笑しながらも、深澤直人氏の芹沢銈介作品の解説は、デザイン論として聞いてもおもしろいものでした。深澤直人氏は、デザイナーであり、日本民藝館の館長であるだけでなく、事実、現役の多摩美術大学美術学部の教授でもあります。
「みんながいいと思うものは、やっぱりいいんです。いいアイデアは、だれもが“あっ”と反応する。それは魚の群れが、いっせいに方向を変える“創発”といわれる反応に似ていて、動物としてそのアイデアを受け入れてしまう。決して誰かの指示のもとに、“いい”と思うわけではないんです」
では、いいアイデアをどのように発想し、デザインをどのように作りだすのか。
「“自我から遠ざかる”こと。自我から遠ざかって作るデザインは、料理に例えれば“ダシ”のようなもの。いいダシがあれば、どんな料理を作ってもおいしくなる。無印良品で手がけているわたしの作品は、ダシのまま飲んでも(そのまま使っても)おいしいと思いますし、どんな色を塗っても(料理しても)にあうと思います」
そして、ひとつのジグソーパズルを示しながら、その周辺世界がどのように構成されているかを創造することで、そのパズルの位置が浮かび上がってくる、パズルにカタチが与えられる、とも。「モノに線はない。世界に線(輪郭)は存在しない」という指摘に、はっとさせられたり、「気持ちを込めない」など、深澤直人氏による芹沢銈介が見ていた世界についての解説は、たしかに大学の講義のようでもあり、難解でしたがとても刺激的な内容でした。「モノに線はない。世界に線(輪郭)は存在しない」って、いわれてみれば、なるほど…ですよね。
写真は、静岡市美術館の入口に飾られた芹沢銈介の作品「耳付き壷文のれん」。
・静岡のローカルニュースサービス「まちぽ」

「
芯にいる人はブレちゃいけない」と語っていた木滑良久氏(マガジンハウス取締役最高顧問)が1976年に創刊した雑誌「POPEYE」の最新号(12月号)です。特集は、「
大人になれば。」。「もっと大人になれば、いまより楽しいことも、悲しいこともあるのだよ。」と、創刊から50年を経たいまも、ブレることなく、少年たちの指南役をかってでてくれています。
12月号の表紙は、ロサンゼルスの大学教授ジョージ(コリン・ファース)ということが一目でわかります。ジョージはイギリス人。ダンスをするレコードは、Booker T & the M G 'sの「Green Onions」。トム・フォードの仕立てたスーツを着こなし、フランク・ロイド・ライトの弟子の建てた家に住み、同性愛の恋人を交通事故で失ってピストル自殺を企てるときは、遺書に「ネクタイはウィンザーノットで」と書き残すほどの美意識とスタイルの持ち主…。
もちろん、それらすべては映画「シングルマン」のなかでのお話。2015年のポパイ少年たちのあこがれるの大人の男性のイメージに、ジョージが入っていることは新鮮な発見でした。それにしても、昔も今も、少年が大人になるのって、相応の努力が必要なことに変わりないですね。
・静岡のローカルニュースサービス「まちぽ」

「出版業界って今は中小企業みたいになっているけど、本当は町工場。町工場の職人さんは“ほかでできないことをやっていれば、恐いものはない”というすごく大切なことを知っている。だから、出版社には大きな社屋なんていらなくて、本当に心の通じる職人と集まっては散り、集まっては散りして作業するのが一番いい。その代わり、芯にいる人は絶対にブレちゃいけない」
今日のぼくの「cakes」のトップページに表示されていたマガジンハウス取締役最高顧問・木滑良久氏の言葉です。木滑良久氏といえば、「POPEYE」や「Hanako」の創刊編集長で、『an・an』『BRUTUS』『Olive』などの編集長としても、数々のブームをつくった名編集者。芯にいる人は絶対にブレちゃいけないし、同時に変化し続けなくてはいけない。
そういえば、最近、マガジンハウスの雑誌が元気になってきましたね。
・静岡のローカルニュースサービス「まちぽ」

先日でかけたシンガポールは、さまざまな人種が同居していて、ローカル料理も多彩。写真は、フードコートのショーケースに並ぶ、トウガラシ色に染まったパダン料理たち。パダン料理とは、シンガポールのお隣、インドネシアにルーツをもつ料理の総称で、通称“ナシパダン”と呼ばれているのだそうです。ショーケースの中の、肉、魚、野菜などの惣菜やカレー料理などから好きな料理を選ぶことができ、お皿に盛られてでてきます。パワーフードかどうか知りませんが、ひとつひとつの料理が、カラダにいい刺激を与えてくれそうな、そんな独特の強い存在感を放っていて、しばらく目がくぎづけになりました。
ところかわって、静岡・浜松の
「womo」グルメでは、師走に入り、とっておきの忘年会料理を取り揃えています。和食、中華、スペイン料理にフレンチ、イタリアンetc…。パエリア、ポルトガル鍋、メキシカン鍋、ズワイガニの海鮮味噌おでんに、国産牛すき、焼き肉、ステーキ、蟹しゃぶ、とんこつ豆乳鍋…などなど。静岡・浜松にいながらにして、世界のローカル料理を満喫できます。無国籍風…といいますか、どちらかといえば国籍不明の魅惑的な創作料理も。
2015年を楽しく締めくくり、新年に向けてのパワーが湧く忘年会料理を「womo」グルメで堪能してください。
・
「womo」グルメ「忘年会特集」


先週、シンガポールに出かけてきました。マーライオンを“世界3大がっかり名所”と誰が呼んだか知りませんが、2010年にマーライオンの目線の先にマリーナベイサンズ(写真左)がオープンしたことで、いまではそんなことを言う人はずいぶんと減ったのではないでしょうか。
マリーナベイサンズの3棟のビル(ホテル)の上に横たわる、長さ343m、幅38mの空中庭園「サンズスカイパーク」は、海から入港する船を模していて、支える3棟のビルを門にみたて、シンガポールの関門をイメージしている。いまではマーライオンともども、シンガポールの観光名所としてすっかり定着しているようです。
この大胆な建築デザインに驚きましたが、設計者である建築家モシェ・サフディ氏は、最初に自分の頭の中にその姿を思い描いた時に、「ありえない」とか「ムリムリ」などときり捨てないで、「どうすれば実現できるか!」と、つきつめていくことで現実のものにできたのだと思います。
明後日発行の『
イエタテ冬号』(中部版・東部版)では、最新の省エネ住宅とリフォーム&リノベーションのお宅を紹介しています。自分の理想とする住宅も、「ありえない」とか「ムリムリ」などとあきらめないで、「どうすれば実現できるか!」という発想で情報収集し、ぜひ現実のものにしていただきたいです。
・静岡、三河の工務店・注文住宅・リフォーム会社を検索できる「イエタテ」
