前回前々回に続いて、今回初めて出かけた「高遠ブックフェスティバル」のまとめ。
細かな感想はいろいろありますが、率直に「来年も、また来てみたいか」と聞かれたら「また行きたい」というのが私の答えである。

早朝に現地に到着し、町のメインストリートや路地に設置された古本棚を冷やかしながら高遠の町を散策。午前中は写真家須田誠さんのトークライブ「旅と本について語る」を聞き(ご本人ともお話)、午後は「世界の本の町写真展」「本のための小さな家具展」「リトルプレス&フリーペーパー」の展示を見て、中川五郎さんの「チャールズ・ブコウスキー論」を、図書館の和室で車座に近い状態で楽しく拝聴。夕方から予定していた書評家豊崎由美のトークイベント「名作って何だ?」は、残念ながらチケットが取れず断念し、初めての「高遠ブックフェスティバル」の一日は終了、静岡への岐路についた。

今回は、日帰りの行程だったので、限られたイベントにしか参加できなかったのですが、余裕があれば「読んでない本大賞」や「本の町から本の町へ〜公開ディスカッション」のほか「文芸コスプレ喫茶」(笑)なども覗いてみたかった。

とはいえ、ブックフェスティバルの一番の魅力は、個々のイベント(実際に、一つひとつのイベントは手づくり感覚の、こじんまりとした展示がほとんど)内容もさることながら、それ以上に、その日一日(イベント開催日)は街のいたる場所が「どこに行っても本がある」「みんなが本の話をしている」「出会い頭に、本に絡んだ楽しい出会いがあるかも」と、本好きに思わせる雰囲気に包まれていることのような気がする。

高遠のメインストリートにあるヤマザキストアの店主さんが「桜祭りのお客さんは、せかせかしているけど、ブックフェスティバルのお客さんは、みんなのんびりと過ごす方が多いですね。しかも、北海道やら九州をはじめ、本当に遠くから来る方もいるんですよ」と驚かれていた。

この日、図書館の駐車場に並んだ車のナンバーは、東京、横浜、埼玉などの関東方面や名古屋、大阪など県外ナンバーが数多くあった。写真家須田誠さんのイベントでも、地元の方よりも神戸や東京などからの参加者が目立っていた。会場が多少遠くても、全国の本好きの間では、本と旅を一緒に楽しめるブックツーリズムの需要は、まだまだ広がるのではないかと思う。


これは、イベントで唯一購入した雑誌『季刊レポ』の創刊号。
ノンフィクションライター北尾トロ責任編集の直販雑誌。
巻末のイギリスやフランスの本の町をレポートした
「本の町のつくり方」という記事が目に留まり購入。

静岡で本の町をつくるとしたら、美術館や図書館、大学もある
「草薙エリア」あたりはどうかな…、
などと勝手に想像してみるのもなかなか楽しい。



昨日ブログで紹介した「高遠ブックフェスティバル」レポートの続き。今年の「高遠ブックフェスティバル」は、9月18日(土)〜23日(木)にかけて6日間の開催。主なイベントは、18日、19日、20日に行なわれている。

ブックフェスティバルと聞いても、ピンと来ない方が多いのではないか(出かける前まで、わたし自身も、そこで何が行なわれているのかわからなかったし)。ということで、今日は「ブックフェスティバルって、いったい何やってるの?」「面白いわけ?」「有名タレントは来るのか?(そんなこと誰も聞いてないかも?)」という疑問にお応えたい。ただし、「面白い」かどうかは人次第。…なので、それはご自身の判断にお任せします。

イベントの一部を紹介
・世界の本の町写真展/英、仏、ベルギーの本の町紹介
・誰でも参加可ブックフェス交流会
・読んでない本大賞/買ったはいいけど読んでない本。読んでない理由を熱く語る。
・リトルプレス+1/リトルプレス、フリーマガジンに携わる人のトークセッション
・豊崎由美「名作って何だYO!」/古今東西の名作をサカナに舌鋒鋭く語り尽くす
・美篶堂製本ワークショップ/大人気(らしい)美篶堂による製本ワークショップ
・文芸コスプレ喫茶/小説の登場人物や文豪に扮してお茶を。コスプレして来た人に特典あり
・しりあがり寿と灯籠を作ろう!/小学生と一緒に灯籠を作り、町を練り歩く
・大型絵本読み聞かせ
・須田誠「旅と本」について語る/世界中を2年間放浪した旅人・写真家須田誠のトークライブ
・俺の教科書/授業中の落書きが残された教科書を、持ち主と一緒に読み解く
・中川五郎トークイベント/現代アメリカ文学の翻訳者としての中川五郎にせまる

などなど。
…どうですか?このイベント・リストを見てワクワクしましたか?
「豊崎由美」「中川五郎」「しりあがり寿」の人選は、
他ではありえない希少な人選だと思う。

豊崎由美氏のトークイベントは、入場料1500円だったにもかかわらず満員御礼。
チャールズ・ブコウスキーの翻訳を手がけている中川五郎氏のトークライブは、
期待以上の内容で、さっそく家に帰って「くそったれ!少年時代」と
「町で一番の美女」(こちらは青野聡訳)を読み返したくなる。

写真下は、路地で行なわれていた朗読風景。道化師に扮した読み手。

高遠図書館前で行なわれていた、大きな本と大きな話の読み聞かせ。

思いのほかじっくりと見てしまった「本のための小さな家具展」

高校生が作るブックフェスティバルの展示



先週の3連休の真ん中19日は、長野県の伊那市高遠町で開催された「第2回 高遠ブックフェスティバル」に出かけてきた。同じ日に、神奈川県の厚木市ではB級グルメの祭典「B1グランプリ」が開催されていて、いろいろなメディアで取り上げられていたので、多くの方の関心はそちらに向いていたものと思われる。

同じ「街おこし」イベントでも、不特定多数の方に訴求しやすい“食”という強力なコンテンツに対して、趣味性の強い“本”による「街おこし」イベントは、明らかに部が悪く感じられる。とはいえ判官びいきな性格のうえに、以前からヨーロッパでの成功事例については紹介されている、本がキーワードの観光スタイル「ブックツーリズム」に関心があり、本と観光の絡み方を見ておきたかった。

ということで、“本”による「町おこし」に取り組む、現地の様子をこの目で確かめるべく、伊那市高遠町で、ひっそり(主催者のみなさん、すみません。もちろんそんなつもりはないと思います)と開催されていた高遠ブックフェスティバルに、日帰りで出かけてきました。

桜の名所として知られる高遠町は、静岡から車で約5時間ほど。連休の渋滞を予想した同行者の指示により、朝3時半に出発。同行者は、最初「高遠は遠いから、2時には出なくちゃね」と、スキーと間違えているのかと思うような時間を指定してきたのだが、なんとか1時間半押し切っての出発。その同行者とは、「富士宮やきそば」公式ガイドブックを手がけた、ライターのシャーマン三輪さん。三輪さんも、当初予定していた富士宮やきそば学会が参加している「B1グランプリ」の視察を振り切っての、ブックフェスティバル初参戦である。


上の写真は、高遠大橋の上から眺める高遠町の全景。高遠町の人口は約7千人弱(ウィキペディア参照)。春には、桜の名所として賑わう山間の静かな町。町の真ん中、徒歩でも10分程で通り抜けてしまいそうな目抜き通りの各所に、「第2回高遠ブックフェスティバル」のB4サイズのチラシが貼られている。下の写真は、自動販売機に貼られたチラシ。これでは自販機の商品が見えないのだが…。


イベント本部「やますそ」という公民館?前でも古本を販売している。

(写真下3点)城下町らしい風情の町並みや路地裏に、急ごしらえの小さな棚や本箱が並べられて、古本を販売している。散歩しながら、思いもかけない本に出合えることも…ある。うっかりと一棚ずつ本をチェックしようとすると、あっという間に時間が立ってしまう。

本箱にビニールがかけてあるのは、撮影時間が朝8時頃だったため。イベントが動き始める朝10時頃にはビニールも外され、気軽に本が立ち読みできる状態になっていました。



このまま書き続けると話が長くなるのは避けられないので、
イベントの様子についてはあらためてブログにアップします。



今日は「womo10月号」の発行日。
すでに、静岡、浜松市内のwomoラックで配布中です。

特集は「今、旬の“絶対買い”はコレ! 
お洒落プロ12人の秋服大公開」。
先週からようやく暑さもやわらいで、
秋の到来を楽しみにしている方も多いのでは。

食欲、芸術、学び、スポーツ…
いろいろ秋の楽しみはありますが、
まずはオシャレから…アクションをおこしてみるのがよいかも。
今の時期、秋物が一番充実しているでしょうし。

まずは、「womo10月号」で、今年の秋をチェックしてみてください。



「eしずおかブログ」のご利用者様へ

いつも、 「eしずおかブログ」をご利用いただきありがとうございます。
すでに「eしずおかブログ」のお知らせ、およびメールにてご案内しましたとおり
2010年10月18日(月)より、eしずおかブログに広告を
固定配信させていただくことになりました。

「広告固定配信のお知らせ」
http://news.eshizuoka.jp/e637896.html

2007年1月に開設以来、いまでは1万人を超える会員様、月間約 47万人の方に
ご利用いただく地域ブログサイトになりました。
これも「eしずおかブログ」をご利用いただいているみなさまのおかげです。
誠にありがとうございます。

一方で、今後も基本となるブログサービスを継続して無料で提供し、
さらにブログ機能の改良、改善に取り組むための費用の確保が課題となっていました。
みなさまのブログに広告を配信させていただくことにつきまして は、
様々なご意見があるかと思いますが、費用をご負担いただくことなく、
今後も安定してブログサービスをご利用いただくための改定であ
ることをご理解、そしてご協力いた だけると幸いです。

今後も地域ブログサ イトとして、静岡を盛り上げる一助となれるよう
スタッフ一同努力してまいりますので、
この度の広告設置につきましてご理解いただけますよう、
どうぞよろしくお願いいたします。



今日は、社員S君の結婚披露宴に出席。仕事関係での出席者はしずおかオンラインの社員数名だけで、それ以外は、新郎新婦の友人を中心に、ご両家とご親族だけの、とてもなごやかで、リラックスムードの披露宴でした。今日の披露宴での一番固い話が、わたしの祝辞だったことは間違いないですね(笑)。

S君は、4年前に新卒で入社。配属は、フリーマガジンの情報コーディネーター(営業)職。この4年の間に社内だけでなく、お客様やパートナー(社外のカメラマンさんやライターさんなど)さんからも信頼される営業担当に成長。

今年になって会社の中の主要チームの課長に昇格し、若いスタッフ2名の育成とリーダーとして日々活躍してくれています。社長であり、採用する立場としては、S君のように若い社員が成長する姿を一緒に見ることができることが、一番しあわせを感じるときです。

とても明るくて魅力的な奥様と結婚し、家庭をスタートさせるS君。そのしあわせな瞬間に立ち合わせてくれた彼に感謝です。そして、これからもS君の成長、活躍する姿を、一緒に見てみたいと思います



womo@home』秋号が発行となりました。
秋号の巻頭特集は、 「(私たち)1000万円台で建てました」。
コスト削減の工夫をしながら、こだわりのある家を建てた静岡や浜松など地元の身近な施主さんにご登場いただいています。

全国紙の家づくりガイドブックなどでも、「ローコスト」住宅を紹介する記事は人気のようですが、家を建てるうえで重要な、実際に施工を請け負ってくれる工務店さんの顔が見えないところが、わたしが施主さんの立場だとしたらちょっと心配なところ。

『womo@home』では、地元静岡県内の工務店さんのスタッフさんにも登場していただき、最近手がけた家を中心に取材、紹介。工務店さんの雰囲気なども、誌面を通じてお伝えしたいと考えています。

最近の傾向ですが、若い施主さんが、限られた資金を上手に使って、素敵なマイホームを次々と建てていることに、新鮮な驚きを受けます。

womo@homeお近くのwomoラックで無料で配布しています。
 
 静岡設置場所 
 浜松設置場所



昨日の夜は、入社1年目の社員と月に1回開催している読書会の日。今月のテキストは、現役のクリエイティブ・ディレクターさとなお氏が2008年に出版した『明日の広告~変化した消費者とコミュニケーションする方法』(アスキー新書)。インターネットが普及して以降の、広告やメディアの変化を広告の現場目線でまとめた一冊。

読書会も3回目になり、そろそろ広告について新入社員たちと語ってみたいと考えてのセレクト。教科書どおりであれば、最初はデイビッド・オグルヴィの『ある広告人の告白』あたりが定番的な一冊といえると思いますが、その前に、今現在広告界がおかれている状況を共有することが先かな、と考えて『明日の広告』を取り上げてみました。

さとなお氏の文章はとても平易でユーモアがあり、読みやすい。そしてなんといっても、バランスがいい。さとなお氏のブログ「www.さとなお.com」をいつも楽しく読みながら感じていることですが、複雑なこと、ちょっと難しいかなと思える話を、誰にもわかりやすく、しかもバランスよく書く技術に感心してしまう。

さまざまな商品やサービス、企業について…「知っている人、知らない人」「好意的なイメージを持っている人、そうでない人、ニュートラルな人」「関心のある人、ない人」etc、そんな不特定多数の人に向けて、複数のメディアを使って広告する仕事を通じて、さとなお氏のバランス感覚は培われてきたのではないかな。

「ラブレターを受け取ってくれない相手を、振り向かせる。関心を抱かせ、好意を醸成させる。そして運よくお付き合いできたら、長~く幸せな関係を育てていく」

それこそが今求められている広告の仕事。恋愛のように、1対1ではなく、1対1と見せかけて、実は複数の方とお付き合いしなければいけない(もちろん、どこの世界にも例外はありますね)広告は、バランス感覚が不可欠だと思う。さとなお氏自身は、それらの行為をコミュニケーション・デザインと呼んでいる。

今日の読者会のメンバーは二人(1名は風邪でお休み。このところ急に涼しくなったせいか、風邪気味の社員が何人かでている。季節の変わり目、体調管理に気をつけなくては)ともバスケット経験者ということもあり、〝初動〟で消費者のことをとことん考え抜いて展開したというキャンペーン、井上雅彦氏の「スラムダンク一億冊キャンペーン」の作られ方の章は、興味をもって読んだようす。

このキャンペーンは2005年の東京インタラクティブ・アド・アワードのグランプリを受賞しているのですが、この広告のどこがインタラクティブ・アドなのか、興味のある方はぜひ本書を読んでみてください。



今日は、9月生まれの社員との誕生日会。紺屋町にある地中海料理(スペインから南仏、イタリアあたり)のお店スプーンさんで開催しました。9月生まれの社員は9名(1名は体調不良で欠席)。しずおかオンラインでは、一年を通じて9月生まれが一番多い(ことに今日気づきました)ということもあり、とてもにぎやかな会になりました。

創業してしばらくしてはじめた、社員一同で誕生日の社員をケーキでお祝いする会は、わたしのこだわり(締切りのある仕事柄、誕生日でも残業しなくてはならないことが多かった。なら、せめて一緒に働く仲間同士でお祝いしようよ、ということではじめたのが誕生日ケーキ祝いであります)もあって、随分長いこと続けてきたのですが、さすがに最近は全社員が集まることが難しくなってしまった。そこで、この7月から、誕生日会というカタチに変えてお祝いすることにしました。

今日の参加者は、社歴も部署もてんでバラバラ。誕生日会を始めてから気づいたのですが、毎月、この日でなければ、まず集まることはないだろうというメンバーが揃うところが、誕生日会のおもしろいところ。部署内での打ち上げの場や、いつもの先輩後輩、同僚といったお約束的な場にありがちな予定調和の流れがないので、誰がどんな発言をするのか、そのリアクションなども、新鮮で発見がある(笑)。

…そうなんですよね、仕事も遊びも人付き合いも、予定調和ではつまらない。いつもの…、と違うところにおもしろさはある。

誕生日会もそんな、いつもと違う場のひとつになりそうです。そんな誕生日会に毎月同席できるわたしは、本当にラッキーだなぁと実感しました。毎年確実にひとつ年を重ねたメンバーは、前年とは何かが違っているはずですし。もちろん、この場も毎年繰り返すうちに、お約束になる傾向から逃れられないのでしょうが、それまでは続けてみたい。

9月誕生日のみなさん、おめでとうございます。



金曜日から東京出張。そして昨日は、銀座方面に用事があったので、ひさしぶりにギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)に寄り道する。会場では、プッシュピン・スタジオの作品展「プッシュピン・パラダイム」展を開催していました。

プッシュピン・スタジオといえば、シーモア・クエスト、ポール・デイビス、ミルトン・グレイサー、ジェームズ・マクミランなどが、革新的で個性あふれるイラストレーションを、ポスターや広告、レコードジャケット、装丁などに描いていた。わたしの中にあるアメリカのイメージの一部は、プッシュピンの世界に確実に影響されている。それらの作品を間近に見ることができて、本当にラッキーでした。ポール・デイビスの「マシューの猫」がとてもカワイイ。

銀座での所用をすませ、この日がオープンだった三越新館の1階をざっと通り抜け、地下鉄に乗って国立新美術館で開催中のマン・レイ展へ移動。マン・レイ展は7月から開催していて、そのうちに出かけようと先延ばしにしているうちに、とうとうぎりぎりになってしまった。写真家としての印象が強いマン・レイですが、オブジェや絵画に惹かれる。

夕方からは、南青山の草月ホールへ。
先週日曜日に放映された「情熱大陸」に出演していたフラメンコ・ギタリスト沖仁のコンサート。番組でも紹介していましたが、今年7月のスペイン「ムルシア”ニーニョ・リカルド”フラメンコギター・コンクール」で優勝したばかり。9月発売のアルバム「ミ・カミーノ」の冠がついたツアーが、急遽、凱旋ツアーになったわけですね。

コンサートの中で、本場スペインのコンクールで優勝できたことが、本当にうれしいと、何度も語っていた。演奏曲はアルバムの順。アンコール曲は、先のコンクールのセミファイナルで弾いたソレア。美しさと、情熱を内に秘めた力強さが感じられる、すばらしい曲でした。

今日は、本当に忙しい一日。銀座のgggでたまたま見ることができた、イラストレーションの新しい表現手法を開拓したプッシュピンの面々、ニューヨーク→パリ→ロス・アンジェルス→パリと移り住みながら、常に新しい技法やスタイルを編み出そうとしたマン・レイ、そして日本人としてのフラメンコ・ギター表現を追い求めている沖仁。

いずれも、常に可能性を求め、実験し続けている。ローリング・ストーン…、苔が生えないような生き方はやっぱりカッコイイ。さてさて、自分自身は…



8月に金沢市の出版社を訪ねたことは、このブログにも書きましたが、今週は月曜日から水曜日にかけてN部長とS課長が札幌と帯広の出版社を訪問。金、土曜日は住まい情報部のスタッフが東京で群馬の出版社さんと情報交換させていただきました。

実は年初に「今年は他社見学を積極的に行おう」という計画を立てていたのですが、前半はあまり実現できず。後半になってようやく他社見学が活発になりつつあり、「計画倒れ?」という心配からすこし開放されて、ホッとしています(笑)。

いろいろなお付き合いの中で出会った同業他社の方々に、こちらの主旨をお伝えし、ご理解いただいて訪問させていただくわけですが、あくまで両社にとってプラスになる情報交換が基本。相手の方の貴重な時間を無駄にさせないことは勿論のこと、これからも継続してお付き合いしていただける関係を育てるきっかけにもなれば、さらにいい。まぁ、欲張り…なのであります(笑)。

とはいえ、つい熱が入って、こちらが聴きたいことばかりを一方的に質問しがちに。そんな時は、こちらからも訪問させていた会社さんに、少しでもプラスになりそうな情報や経験などをお伝えすることを忘れないように、心がけています。

しずおかオンラインに限らず、地方の媒体社は、どこも変革期。どこの会社も変化の必要性を認識しつつも、社内の「変わろう」という声は素直に聞けない。でも、遠くの人の声なら聞いてみよう、となりがちなのは一緒ではないでしょうか。その点においても、他社交流が、お互いの変化のきっかけになれば幸いであります。

両S社のみなさま、幹事役のIさん、そしてP社のHさん、お忙しい中ありがとうございました。


昨日は、静岡産業技術専門学校のM先生に依頼されて、フリーマガジンの作り方についてお話をさせていただいた。対象は、デジタルデザインとコンピュータグラフィックスを専攻している生徒さんたちのクラス、1時限(90分)の授業。それぞれ、グラフィックデザインを学ぶ授業もあるそうで、いま現在、いくつかのグループに分かれて、夏休み前から実際にフリーマガジンを作ってるのだそうです。

中にはすでに取材まで終わっているグループもありましたが、まずは、雑誌作りの全工程をおさらい。そして、みなさんがいま取り掛かっている、取材のプロセスについて少し時間をかけて説明。

学生さんの中には将来デザイナーを目指している方も多いので、主にデザイナー視点で、編集者の意図する企画を、ライターさんやカメラマンから上がってくる原稿や写真素材を使って、どのように仕上げていくか、実際に発行した雑誌の記事の制作プロセスを例に取りながら解説してみました。

学生さんの目が輝いて見えたのは、『K-MIX日帰りナビ』(発行:しずおかオンライン)という弊社発行の雑誌を例に挙げて、実際の特集ページのサムネイルと、仕上がった誌面を、プロジェクターに映し出しながらの比較解説タイム。

編集者が意図したサムネイルが、取材を経てデザイナーが組んで行く中で、何が当初の予定通りデザインされ、どの部分が変化したか、具体的に誌面を見ながら説明するうちに、それまでうつむき加減だった生徒さんの顔が、ポツリポツリと、そのうちにクラス中の多くの学生さんの顔が上向きに(笑)。心の中で「ヨシッ!」と小さくガッツポーズを決めて、90分の授業をジャストタイムで終了。

最初に書きましたが、この日のクラスはデジタルデザイン科とコンピュータグラフィックス科の生徒さんたち。彼らのような新しい世代が、グラフィックもウェブも分け隔てなくデザインするハイブリッドなデザイナーに育っていくのだろうなぁ、と授業をしながら考えていました。

デザインは情報を公開する技術といえますが、これからのデザイナーは、メディア間の橋渡し役になったり、ユーザーが迷子にならないような動線の設計をしたり…、力を発揮できる場面は増える傾向にあります。たった1時限の授業でしたが、彼らが社会に出て、どんなデザイナーに成長するのか、とても楽しみです。



この土日は、朝から夕方まで静岡県立大学に通って、Webプログラミングについてみっちりとお勉強。1991年のwww(Word Wide Web)の登場から、モザイクやネットスケープ、インフォシークからグーグルまで、Webの歴史をおさらいして、そしてHTML、CSS、CMSからJavascriptなど、駆け足で概要を学ぶ。

慣れない専門用語にとまどいながらも、実際に初歩的なプログラムも数行ですが書いてみる。初めての経験でしたが、先生方が手取り足取り教えてくれたおかげで、二日目の最後にはオブジェクトまでたどり着くことができました。とはいえ、まだオブジェクトの何たるかはよくわかってはいないのですが。

仕事の中で自分でウェブサイトのプログラムを書くことはありませんが、ウェブサイトを一緒に作ってくれるスタッフの仕事について、少しでも理解が深まれば二日間通った価値があるかな。これまでバラバラだったピースが、ほんの少しではありますが、色分けできた気がします。

こんなたとえで伝わるかどうかわかりませんが、ロック少年がブルースのコードの成り立ちや進行を知って、それまで音の塊として聴いていた楽曲が、具体的な音の粒の構成であることやルールの存在に気づいて、音楽の世界が広がる感覚に近いかも。

プログラム言語はわたしにとっては、まったくの外国語でしたが(笑)、あいさつ程度でも外国語を覚えることでコミュニケーションが取りやすくなるように、ウェブサイトを一緒に作るスタッフとのコミュニケーションのプラスになれば目標は達成。

中身の濃い二日間。新鮮な時間でしたが、かなり疲れました(笑)。ホント。


iPadを使い始めて早2ヶ月、まだまだ使いこなせておりません。ウェブの閲覧、メールチェック、スケジュール管理(いまでは、完全にiCalに移行)など。つまり、ほとんどが個人ユースであります。

そこまでのことであればiPhoneでも十分ですので、何か仕事上での利用方法はないかな…と考え、こんなものを作っております。



「womo」(静岡版・浜松版)や、「womoビューティー」「静岡スクナビ」「womo@home」「もしもしグルメ」「eしずおかブログ」などなど、資料を全部あわせると50ページは越えてしまうしずおかオンラインの媒体案内と営業資料を、電子カタログにしてiPadに格納。

営業資料がまだまだ増えても、これなら重くない。どの資料をどこに入れたのか、会社に忘れていないか…などと、お客さまの前で慌てることもありません。もちろん、その場で、ウェブページにもアクセスできます。

上の電子カタログはβ版。操作性、動作をさらに改良中。電子カタログが完成しましたらiPadを持って、近日中にお客さまにご提案に上がります(笑)。いましばらくお待ちください。



海野 尚史 HISASHI UNNO

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