鱒釣り


何の計画も立てないまま、GWに突入。
たとえ一日でも、予定がないのは清々しい気分。
少し前までなら予定がないというだけで、
きっと落ち着かなかったに違いない。

時間はあるので、この機会に中沢新一の
『カイエ・ソバージュ』を読もうと書棚に手を延ばしたのだけど、
ぼくの手が掴んだ本は、リチャード・ブローティガンの
アメリカの鱒釣り』だった。

表紙は、サン・フランシスコのワシントン広場、
ベンジャミン・フランクリンの銅像の前に立つ男と綺麗めな服を着た女性の写真。
自信ありげだけど、友達にするには扱いづらそうな男がブローティガンだ。
スレンダーだけどお世辞にも美人とはいえない(薄幸な雰囲気の)女性と写る
表紙は、何度手にしても見入ってしまう。

ブローティガンが連れて行ってくれる47編の鱒釣り奇譚は、
シュールでつかみどころのない妄想と開放感が漂っていて、
予定のないGWにはぴったりの一冊だった。
ただし、そこかしこにある太公望向けの釣りガイドではないので、
くれぐれもご注意を。




今日も、清水駅前銀座商店街で開催した
「eしずおかブログ4周年感謝祭 eしずおかフェア with 清水駅前銀座」へ。
初日はあいにくの雨模様でしたが、本日は快晴。
JR清水駅の東口で開催されていた「クラフトフェア」と一緒に休日を楽しんだ
eしずおかブロガーさんも多数いたのではないかと思います。
おかげさまで、たくさんのお客様で賑わいました。
ありがとうございました。
今度は、eしずおかブロガーさんは、そうとわかる工夫をしてもよいかも。

会場の5つのブロックでお店の方のサインを集めるスタンプラリーも大人気。
eしずおかブロガーの出店者さんから提供していただいた
プレゼント約140個が、二日目早々に無くなってしまうほど。

ブロガーさんが出店できる「eしずおかフェア」は、今回初めての開催。
最初は、出店者が集まるだろうかとか、会場の運営は大丈夫かとか、
当日清水駅前銀座商店街さんにみんな来てくれるだろうかとか、
イベント後、出店してくれたブロガーさんは
「eしずおかフェアに参加してよかった」と思ってくれるだろうかとか…、
とにかく心配ごとがいっぱいでありました。

それでも二日間みなさんと一緒に、楽しく、無事に「eしずおかフェア」を
開催することができて、わたしとしては本当によかった。

清水駅前銀座商店街のみなさま、出店してくれましたeしずおかブロガーのみなさん、
当日会場のお越しいただいたブロガーさんやお客様に感謝です。
それから事務局スタッフとして私たちを支えてくれました
堀川さんと清水さん、ありがとうございました。

出店していただいたブロガーさんや清水駅前銀座商店街の方々、
そしてご来場いただいたeしずおかブロガーさんの声をあらためてお伺いして

ブロガーさんとブロガーさん、ブロガーさんと地域の方々、
そしてみなさんと一緒にeしずおかブログスタッフも
地域でリアルに交流できるイベントを今後も企画してみたいと思います。
その際には、どうぞよろしくお願いいたします。




今日と明日の二日間、清水駅前銀座商店街で開催中の「eしずおかフェア」へ。
あいにくの雨模様でしたが、こんな日は
商店街のアーケードが本当にありがたいですね。


フラワーアレンジメント・スワロフスキーの販売や体験レッスンのseason of flowerさん、アトリエ ルーシュ さん、ワイヤークラフトのHIROの万葉集♡さん、ビーズステッチとハンドバックのきらめきビーズステッチ便りさん、SHIMI colleさん、”ざつは”の大雑把な日常さん、まちカフェSHIMIZUさん、朴の木日記さん、 OGUSHI さん、アイアン工房・インディ さん、秘密の苺工場☆MICO E さん、snowappleさん、ヴィアッジョ ダ アモールさん、佐藤洋子の開運カバラ生活さん、ならいごと.jpさん、リラックス整体 Keiさんなどなど、
たくさんのeしずおかブロガーさんが一同に。

交流会では、みなさんと直接お会いしてご挨拶することができました。
毎回あらためて実感するのですが、ネット上だけでなく
リアルに交流できるのも、地域ブログならではの良さですね。

eしずおかフェア with 清水駅前銀座」は、明日も10時から16時まで開催しています。
明日はよい天気になりそうですので、ぜひお気軽に遊びに寄ってみてください。

途中、「eしずおかフェア」を抜け出して、静岡AOIで開催していた
「womoウェディングカフェ」にも駆けつけました。
こちらもいつもより出足は遅かったようですが、
それだけに参加された方はじっくりと
体験を楽しまれているようでした。



womoつながり

  • 2011年04月22日
  • womo
毎号「womo」表紙の素敵なイラストを描いてくれている
イラストレーター米澤よう子さんからいただいたメールに
「先日womo読者の方から著書の読者カードをいただきました。
静岡になじんでいるようで、とてもうれしく思いました」
という言葉が添えられていた。
こんなささやかなつながりを知ることでも、
充分に幸せな気分になる。

読者カードを送った方は、womoで米澤さんのことを知ったのか、
以前から米澤さんのファンで、たまたま静岡?浜松?に暮らしている方かな…とか、
何歳ぐらいの方か、とか、いろいろ想像してみる。

今年の年始に米澤さんの事務所を訪ねた時
「ファッションは、その人の生き方であり考え方、
 価値観の表現だと思う」という言葉を思い出す。

いつか米澤さんを静岡にお招きして、
womo読者のみなさんに直接お話していただける機会をつくりたいもの。



非対称の状況

昨日は夕方、来客。古くからのお取引先の方で、現在は東京勤務。
今では、ある事業を任されていて、その事業の今後についてのお話。
現状について一通りお伺いして、自分なりの意見を述べさせていただく。
…とはいえ、それが実際的に彼のお役に立てるとは私自身は思っていない。

年に数回、突然(今日は昼に電話)連絡をいただき、
このようにしてお会いするのだが、
彼が必要としているのは実際的な情報ではなく、
話しを聞いてくれる相手なのだと思っている。
今でも連絡をいただくのは、聞き役という点では多少なりとも
お役に立てているのかもしれないし、そうであればうれしい。

震災以降、いまが読み時ではないかと最近気になっている本が
中沢新一とビクトール・フランクルの『夜と霧』。
『夜と霧』はナチス強制収容所の体験記 で、
近所の古本屋で幾度となく手にしながらこれまで買わずじまいだった。
昨日の朝日新聞夕刊の「人脈記」でも取り上げられている。
いまでは、新訳も出ているらしい。

みすず書房の編集者が序文に書いたという
「知ることは超えることであると信じたい」
という言葉は、戦争だけでなく、震災においても、
ビジネスの世界においても、もしかして恋愛においてもね、
非対称の状況を乗り越えようとする時に
力を持つものだと、私自身も思っている。

中沢新一については『カイエ・ソバージュ』を読む前に、
911直後に書かれた『緑の資本論』から読み始めている。

中沢新一は本書を書くきっかけとして、こんな一文を序文に書いている。
「イスラームに対する無知や偏見への憤りが
 『緑の資本論』を書いている」

「知ることは超えることである」と信じながらも
その先に個々人がどう振る舞うかは約束されるものではない。
ビクトール・フランクルの
「(どんな状況下であれ)与えられた事態にどんな態度を取るかという
 人間の最後の自由を奪うことはできない」
という言葉もこころに響くなぁ。



昨日に続いて、今日もお知らせです。

今週末4/23(土)に、JR静岡駅北口駅前の静岡AOIにて
womoウエディングカフェ』を開催します。


前回100名以上のお客様にご来場いただいている
womo主催のブライダルイベントです。

これから結婚式を挙げる方のために
式場・ジュエリー・ドレス・ブライダル小物
ブライダルエステなどの魅力あるブースを
集めました。

当日は、式場プランナーやジュエリー・アドバイザーが、
会場でみなさんからのご相談をお待ちしています。

また、毎回人気の高いカラー診断やエステサロンのハンドマッサージなど、
無料で楽しめる体験コーナーも用意しています。
ぜひお気軽に試してみてください。

スタッフ一同、静岡AOIでお待ちしております!

『womoウエディングカフェ』
http://womocafe.eshizuoka.jp/
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4/23(土)11:00~15:00
予約不要、入場料無料
会場:静岡AOI 7階講堂
(JR静岡駅北口駅前)
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今日は、ご案内です。
eしずおかブログ4周年感謝祭
★★eしずおかフェア with 清水駅前銀座★★
いよいよこの週末に、清水駅前銀座で開催します。

当日は、たくさんのeしずおかブロガーさんが、
会場で、展示・体験・販売をしています。
わたしも、久しぶりの方から今回はじめての方まで
たくさんのeしずおかブロガーさんにお会いするのを楽しみにしています。

イベントの詳細と出展されるブロガーさんをこちらで紹介していますので
ぜひ、この週末は清水駅前銀座でお出かけください。

JR清水駅の東口で開催されている「清水アートクラフトフェア」と
一緒に楽しんでみるのもおすすめです。


【イベント概要】
  ■名称/eしずおかブログ4周年感謝祭 「eしずおかフェア with 清水駅前銀座」
  ■日時/ 2011年4月23日(土)、24日(日)10時~16時
  ■場所/清水駅前銀座商店街(JR清水駅西口からすぐ)
  ■出店するブースはこちら▼
   http://news.eshizuoka.jp/e719720.html
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 【交流会概要】
  ■名称/「eしずおかブログ4周年感謝祭:eしずおかブログ交流会」
  ■日程/2011年4月23日(土) 17:00開場  17:30開始
  ■場所/清水区 ホテルシーグランデ
  ■会費/1人4,000円
  ■詳細はこちら▼
  http://news.eshizuoka.jp/e714791.html

当日はeしずおかブログでおなじみのお店が勢ぞろいします★

ブース出店一覧
※3月29日時点の情報です。出店者、ブースの内容は変更する可能性もございます。


物販・展示・体験
http://puttin3.eshizuoka.jp/ ”ざつは”の大雑把な日常
毛玉アート、スイーツデコ 、手づくり石けん ハンコの作品物販 リフレクソロジー等

http://gon3dog.eshizuoka.jp/ 老若大小犬と子供と田舎暮らしで手仕事生活
樹脂粘土作品・スワロデコなどの販売とデコ体験

http://season.eshizuoka.jp season of flower ~フラワーアレンジメント&スワロフスキーの教室と販売~
スワロフスキーのアクセサリー販売。プリザーブドフラワーのアレンジの販売、体験レッスン

http://solsol.eshizuoka.jp/ SOLの手づくり工房
帽子を中心とした布小物類の展示販売

http://machicafe.eshizuoka.jp/ まちカフェSHIMIZU
ドライフラワー、ちりめん細工、和小物、ビーズアクセサリーの展示販売

http://chiyodakagu.eshizuoka.jp/ 朴の木日記
インテリア雑貨等展示販売

http://wirecrafthiro.eshizuoka.jp/ HIROの万葉集♡
ワイヤークラフトのワークショップ

http://ruche68.eshizuoka.jp/ プリザーブドフラワーのアトリエ ルーシュ
プリザーブドフラワーの販売

http://sally.eshizuoka.jp/ きらめきビーズステッチ便り
ビーズステッチとハンドバックの展示・販売

http://shimies.eshizuoka.jp/ SHIMI colle
ものづくり作家・アーティスト作品の展示販売。衣料・雑貨小物の販売

http://ogushi.eshizuoka.jp/ OGUSHI
手作り作家9名による、手作り品の展示及び販売

http://asanaga7480.eshizuoka.jp/ アイアン工房・インディ
ロートアイアンの商品の展示・販売、鉄製品の展示・販売

http://hb15.eshizuoka.jp/ 秘密の苺工場☆MICO E
苺をモチーフにしたアクセサリー、ストラップの販売及び展示

http://danmark.eshizuoka.jp 新古米店長のつぶやき
北欧雑貨の販売

http://snowapple.eshizuoka.jp/ snowapple *きまぐれハンドメイド日記*
布小物やアクセサリーなど展示販売

http://amorviaggio.eshizuoka.jp/ イタリア旅行 AMOR ~ヴィアッジョ ダ アモール~
イタリア輸入食品の販売


占い・診断
http://kabbalah.eshizuoka.jp 佐藤洋子の開運カバラ生活
占いと天然石アクセサリーの販売

http://arekicat.eshizuoka.jp/ アトリエ アレキキャッツ
天然石アクセサリー&占い

http://cham1224.eshizuoka.jp/ はじめまして。
パソコンとバイオセンサーを使ってオーラカラー診断


リフレクソロジー・トリートメント
http://relaxkei.eshizuoka.jp/ リラックス整体 Kei
整体とアロマハンドトリートメント

http://inishie.eshizuoka.jp/ いにしえの森
ハンドロミ・カードリーディング


グルメ
http://milkhall.eshizuoka.jp/ 清水の夜は!!【ミルクホール】&餃子Bar【ツバキハウス】
食堂【ミルクホール】の餃子を販売

http://cocokotekoha.eshizuoka.jp/ タコスのラップガレージ
ラップサンド、ベーグルなどの販売


その他
http://konbiniojisan.eshizuoka.jp/ コンビニおじさん。日記 ピンクバージョン。
東北地方太平洋沖地震の募金

http://naraigoto.eshizuoka.jp/ 静岡県の習い事ポータルサイト ならいごと.jpのブログ
ならいごと.jpのPR・体験教室など

http://niconicoran.eshizuoka.jp/ にこにこペース ランニング
詳細未定


事務局総合案内
http://news.eshizuoka.jp/ eしずおかブログからのお知らせ
eしずおかブログ事務局ブース 総合案内・休憩スペース・書籍・サービス等の販売



高松まで来たついでに、週末は牟礼にある「イサム・ノグチ庭園美術館」と、
直島の「李禹煥美術館」に足を延ばす。

「イサム・ノグチ庭園美術館」は、晩年にイサム・ノグチが過ごした
牟礼のアトリエと住まいが美術館となっていて、
約150点ほどの彫刻作品が展示されている。
素材である石が、彫刻という方法で彼に手を入れられることで、
内部のエネルギーが解放されて、それがイサム・ノグチの作品に共通する
「張り」を産んでいるのではないかと思う。

深澤直人が、『デザインの輪郭』(TOT0出版)の中で
「張り」ということについてこんなことを書いている。

「輪郭は動いている。輪郭には、相互にさまざまな関係の力が加わっている。
そのものの内側から出る適正な力の美を「張り」といい、
そのものに外側から加わる圧力のことを「選択圧」という」。
イサム・ノグチの彫刻は、内側からの適正な力が輪郭に力強さを与え、
それが美しい「張り」を形成しているということか。

以前はイサム・ノグチの作品から何かを感じることはなかったのだが、
今回ここに来て作品に触れてみて、印象が大きく変わった。
どの作品も力強いし、とても自由にみえる。
彫刻が並ぶ庭園は、背景に見える屋島の眺めも含めて、
ひとつの素晴らしい空間作品となっている。とても気持ちがいい。

日曜日は、高松港から朝一番のフェリーに乗って直島へ。

ベネッセアートサイトに昨年オープンした「李禹煥(リウーファン)美術館」を見学。
展示作品は多くはないが、安藤忠雄の建築との相性がいいせいか、
彼の作品がもっている「余白」の魅力が活かされている。

ブルーの線が繰り返し描かれている「線より」をじっと眺めていると、
空間に奥行きが生まれ、そこに風が吹き、竹林にでも迷い込んだようにも思えてくる。
いちばんおくの「瞑想の間」の作品「対話」は、
よく見ると、白い壁に直接描かれている。
グレーのグラデーションがとても綺麗な作品。

今から十数年前、静岡県立美術館で始めて李禹煥の作品を見た時の
第一印象は、「これ(で)も芸術か」だった。

いまでは、「余白」が想像を膨らませてくれる
李禹煥の作品は、とても好きになった。

夜には帰宅。
NHK・ETV特集で放送していた「カズオ・イシグロをさがして」を見る。
2005年に出版された著書「わたしを離さないで」は映画にもなり、
臓器提供を目的としてこの世に生を受けたクローン人間を通して、
クローン(コピー)とオリジナルは何が違うのか(違わないのか)、
人間にとって大事なものは…、などを見るものに(読むもの)考えさせる。

番組の中で、カズオ・イシグロ作品に共通する「記憶」について、彼自身が
「記憶は死に対して、部分的ではあるが勝利する力をもっている」と語っていた。
「わたしを離さないで」は、静岡での公開はたしかこれからなのはず。
公開が楽しみだ。

そういえば、直島では観光客が手に手にカメラを持って
あちこちで写真を撮っていた。
最近では、自分も含めてどこでも見かける風景。

ところで、みんなシャッターを押した先に
何を期待している(いない)のだろうか。
思い出づくりであったり、この旅行が正解だったとの確認だったり…?

シャッターを押すことで「記憶」に何を留めようとしているのか。
自分の場合は、最近では撮った写真を現像どころか、
後で見返すことがめっきりと減ってしまっている。
…というか、ほとんどきちんと見ていないなぁ。



徳島の春の夜

この2日間で、徳島市のタウン誌出版社「あわわ」さんと、
高松市で香川県の地域ブログサイト「あしたさぬき
を運営しているフェローさんにお会いする。
任務は無事遂行。

あわわさんでは、坂田社長にご挨拶した後、取締役の白井さんに
社内を案内していただいた。

どんな商品を作っているのか、と同じくらいに、
どんな場所(環境)で作っているか、ということも、
その会社さんを理解する上で、大いに参考になる。
「本当は、事務所見学が好きなだけでしょ」
と言われればその通りなのだけれど。

あわわさんにあって、しずおかオンラインにない空間として、
読者やユーザーさんが直接訪問して情報を調べることのできる
住まいのミニライブラリーが目を引いた。

ネットが生活に浸透するほどに、
読者やユーザーさんとお客様の間に立って
人と人を直接結びつける場や機会を提供することが、
地域の媒体社の役割として
ますます求められるのではないかな。


創刊30周年記念企画のために会議室に集められた30年間分の
「あわわ」のバックナンバーは、まさに圧巻でした。

徳島では、「あわわ」の創業者である住友さんにもお会いできた。
住友さんの著書「あわわのあはは―徳島タウン誌風雲録」を読んで以来、
直接お話を聞いてみたいと思っていた。
夜は住友さんの友人の経営者Iさん、建築士Nさんにも
ご紹介していただき、おいしいお酒をいただいた。

建築士のNさんが手がけた「しんまちボードウォーク」を
贅沢にも設計者自らの解説付きで散策しながらホテルまで歩く。
徳島の春の楽しい一夜でした。
みなさん、ありがとうございました。





出勤途中に、駿府公園のお堀の桜と、春らしい風景の中で仁王立ちする静岡県庁をパチリ。

一昨日も関東方面では震度6弱の地震が発生している。震災から約1ヶ月経ち「ようやく平常の暮らしに戻る準備に入れそう」という気分になりつつあったが、これは長期戦であると気持ちを引き締める。

今回の震災では、わたしたちは目に見えない社会の空気を思いのほか敏感に感じ取り、影響されやすいものだな、とつくづく思った。良くも悪くもマスメディアの影響力はまだまだ大きいし、ソーシャルメディアの伝播力においては今回さらにパワーアップし、社会的にも表舞台で認知された(政府や行政もあわてて活用しはじめている)。

そんな状況下においても、社会を構成する最小単位である「家族」が、日々の暮らしを平和で希望を持って過ごせることが大事ですし、それが社会の底支えにもつながる。

「家族」に平和と希望をもたらす、一番力のあるもの。
…それは「こどもの笑顔」に勝るものはない。

随分と前振りが長くなってしまったが、
新刊をご紹介したい。

毎年4月初旬に発行している
『静岡 浜松 富士 沼津 こどもとおでかけ』
の最新版(2011年度版)が、
今年も発行となりました。
※価格も1200円から980円と
 お求めやすくなっています。

幼稚園、保育園から小学校低学年のお子さんのいる
読者のみなさんに毎年ご好評いただいている情報が、
遊具の充実した身近で遊べる公園情報。
今年も新たに取材して、公園情報はますます充実しています。



『静岡 浜松 富士 沼津 こどもとおでかけ 2011年度版』
■静岡県内の書店、コンビニエンスストアで販売。
■価格:980円(税込)
■発行:株式会社しずおかオンライン



学生さんが豊かで自主自立した社会人になるための支援をする財団の
理事長をやっておられるMさんにお会いした。

Mさんは、わたしが新卒で入社して7年ほどお世話になった会社の創業者である。
きちんとお話したのは数年ぶりでしたが、
今日ほどいろいろなお話を聞かせていただいたのは、
会社に勤務していたときを含めてもなかったのではないかな。

それは、そんな状況に辿り着くのにそれだけ時間が必要だったということなのだろう。
それにしても、どれほど多くの影響を受けていたのか、多くの経験をさせていただいていたのか、
あらためて気づかされた。本当にありがたい。

自分がやりたいことに向けて一直線に、気負うことなく起業できたのも、
入社5年目の28歳の頃、Mさんの会社で新会社を設立するチャンスをいただけたおかげ。
感謝の気持ちを直接ご本人に伝えられたこともよかった。

先週行なわれた第69期将棋名人戦は、
羽生善治名人 と森内俊之九段の同世代の興味深い組み合わせ。
第1局目は、森内九段の勝ち。

たまたま、この2月に出版された羽生名人の著書『大局観』を読んでいたこともあって、
今回の名人戦は気になってしまう。

羽生名人は対局中、「直感」「読み」「大局観」を駆使して次の一手を決断するのだという。
本書は、その中でも本人が一番重要だと感じている「大局観」について書かれたもの。

「選択肢が多いことは、迷いにつながる」「決断の早さが良いとは限らない」
「なぜ正しい判断ができないか」「最も悩む局面が、最も面白い」など、
羽生名人の言葉は、なかなか示唆に富んでいる。

本書の中で、明治から昭和初期に活躍した棋士坂田三吉氏の一手が取り上げられている。
一手の差が具体的な優劣に結びつきやすい将棋の序盤で、
坂田三吉は一局目は左端の「端歩」を、二局目で右端の「端歩」を突いて、
周囲を驚かせた。

「なぜ端歩を突いたのですか」

という弟子の質問に対する坂田の答えはひとこと、

「今にわかる」。

なかなか言えないひとことですね。

後年になり「端歩」の戦法は、さまざまな実験や練習の中で試されて、
一つの作戦として認知されていく。

羽生名人の言葉によれば、坂田三吉氏の端歩は、
「奥の細道(未開の荒野)の上に一本の高速道路をつくったようなもの」
だそうで、「自由闊達な精神が、非常識を常識に変える」ことの魅力を語っている。

仕事をブレークスルーさせる際にも、「端歩」の一手の選択を迫られる時があるだろう。
そんな時、周囲に「なぜ」と聞かれたとしても、
「今にわかる」では納得させられないだろうな。




近所の桜も満開になった。空気が澄んでいれば右手に富士山が見える。

womoグルメ」や「womoヘアサロン」「ハピナビ」などのしずおかオンラインのポータルサイトを制作しているSOLアイアーキテクトで、先週社内プレゼン大会があった。テーマは、「映画」。

テーマが「映画」ということで、各メンバーは楽しみながら自分なりに工夫して、
映画を通じて伝えたいことをプレゼンしたようでした。

打ち合わせが延びてしまい、ぼくが見学できたのは最後のプレゼンターだった
山本社長のプレゼンだけでしたが、なかなか楽しかった。

山本社長の選んだ映画は、2003年に公開された映画「ドッグヴィル」。
この映画を通して山本社長がプレゼンした内容は、「傲慢とは何か」。
なかなか深いテーマだ。
つい「俺に向けられているのかな」と、我が身を振り返ってしまうのは
何か思い当たる節が、潜在意識下に感じられるからか(汗)。

目的は、あくまで各自のプレゼンスキルのアップ。
それを仕事だからと肩肘張ってやるのではなく、みんなが興味を持ちやすいネタで、
主体的に楽しく経験する、というアイデアがいいですね。

今度、山本社長を飲みに誘って「傲慢とは何か」をネタした真意を聞いてみたい。

先週に続いて「静岡シネ・ギャラリー」で、古いフランス映画を観てきた。
タイトルは、「地下室のメロディー」。公開は、1963年。
ジャン・ギャバンとアラン・ドロンが、カジノの売上金を強奪するお話。

成功したかに見えて、最後の最後で計画は破綻する。
プールに沈めたバッグから奪った札束が水面に浮かぶラストシーンは、
プールに咲く満開の桜のようで、まさにはかなく散る一瞬の夢。




3年ぶりに開催された「地域ブログサミット」に出席。会場は、東京五反田。

「eしずおかブログ」と同じシステムの地域ブログサイトは、現在、全国45地域で運営されている。最近では、ツイッターやフェースブックなど、新しいソーシャル・メディアが次々と現れていますが、利用者がそれぞれのツールを、上手に使い分けしていると思う。

「地域ブログサミット」は、3月に名古屋と福岡で開催されていて、最後の開催となる東京会場には、静岡県内からは単一県では最多の「eしずおかブログ」「イーラパーク」「はまぞう」の3サイトが参加。そのほか、筑波市の「つくばチャンネル」、幕張の「マクスタ」、長野の「ナガブロ」、新潟の「Log Port」、石川の「キミテ」、遠くは奄美大島の「しーま」さんなどが集まった。

スタートして5年目に入るサイトから、これからオープンを迎える地域ブログサイトまでさまざま。運営社も、システム会社から、ホテル運営会社、観光コンサル会社、印刷会社、建設会社など多種多様。共通しているのは、地域ブログを活用して、自分たちの暮らす身近な地域をもっと元気にするお役に立ちたい、という想い。

震災のあった「つくばチャンネル」さんは、「地元のスーパーで売れ残る茨城県産の農産物をなんとかできないものか」と真剣にお話しされていた。

地域への想いは「eしずおかブログ」も同様。想いだけで、まだ実現できていないことはたくさんありますが、ひとつずつ具体的にカタチにしていきたいと思います。

4月23日(土)24日(日)の二日間、清水駅前銀座商店街で開催するイベント「eしずおかフェアwith清水駅前銀座」も、そんな想いで開催します。すでに50名ほどのeしずおかブロガーさんが出店予定ですので、どうぞお楽しみに。

まだ出店受付中です。興味のある方はコチラからお問い合わせください。



新しい日常

一昨日、茨城県水戸市のお客様を訪問。
常磐線の「スーパーひたち」は震災の影響で運休のため、
上野駅から水戸市までは各駅列車に乗って片道約2時間。

水戸駅構内は暗く、駅ビル周辺は閉店しているお店が多い。
駅前の歩道橋は陥没し、ビルのいたるところに亀裂が見える。
公衆トイレもテープが巻かれて閉鎖されている。

駅からお客様の会社までは、タクシーに乗って約20分。
タクシーの窓越しに、
多くの住宅の屋根瓦が崩れブルーシートが被さり、
塀が倒れている光景を目の当たりに。

運転手さんによると水戸駅の南側(?)の地区は
もともと地盤が悪い地域で、
広域に渡って液状化現象が起きたのだという。

水戸市での体験は、目で見たというよりも
体中の皮膚に何かが染み込んでくるような体験(気分)だった。

テレビやPCのモニターを通じて見てきた震災の光景は
それはそれで信じがたいものだったが、
モニターで見ることと、直接体で感じることはまったく違った。

4月に入り、テレビにも徐々に広告が戻り、
日常を取り戻しつつある。
景気停滞を防ぐためにも、平常どおりに消費活動を行おう
というメッセージも日に日に感じられる。

被災地の復興と世の中が平常に戻ることを願いつつ、
水戸市の光景を見ながら、以前の日常に戻るのではなく、
(というか、震災以前の生活はすでに遠い過去のものに思えるし、
 そこには二度と戻れない気がする。
 「GDPの増加=景気拡大=人々の幸福感増」という構図にも?がつく)

新しい世代のためにも、新しい日常を作ることが、
いまは必要になっているのでは。
それに、新しい日常づくりこそ、
ひとり一人が、自分流に参加できる復興ではないか。

お客様での打ち合わせを終え、水戸駅に帰ってきた時、
到着した時には黄色いテープが巻かれて閉鎖されていた
公衆トイレが復旧していた。

ただそれだけのことに「これが、日本の底力か」と
根拠のない希望を感じた瞬間だった。


昨日の夜は、新入社員の歓迎会。
所用があって途中からの参加になりましたが、
なんとか間に合ってよかった。

乾杯して、ビールを半分飲んだところで締めの挨拶が回ってきた。
慌ただしいのは、もちろん自分のせいです、はい。

新入社員は、新卒入社の2名と社会人経験のある中途採用社員4名。
みんな若いメンバーでしたので、
これから長く続くであろう仕事人生で
わたし自身が大切だと思うことをお話をさせていただいた。

話の内容は、いたってシンプル。
働く上で一番大切なことは、自分の仕事を好きになること。
そして「仕事は、努力して好きになるもの」というお話。

「好きな仕事につく」「天職を探す」という言い方があります。
…が、その人の「好きなこと」や「天職」と言われるものが
どこかに転がっていて、それを探す、いつか出会える、
というイメージを、わたしは持っていない。

好きかどうかわからないけど、
最初は、目の前にある仕事を努力して頑張ってやってみる。
努力して頑張っていると、自分にできることがわかってくる。

そして、自分にできることの中に、
「この仕事、好きかも」「おもしろい」
というものが見つかる。

自分が好きなこと、おもしろいと思えることで、
自分にできることをさらに頑張ると、
できることが少しずつ増えていく。

すると、ある時に、好きなことで、
自分にできることを使って、
やってみたいことが自らの内側から湧いてくる。

そうして仕事を好きになっていく。
…そんな順番ではないかと思っている。

それは、誰かに命令されたことではないし、
強制されるものでもない。
自分の内なる欲求として湧き上がってくるもの。

そこからようやく仕事人生が、自走し始める。
同時に、目の前の世界(仕事や職場、仲間)が
昨日までと違って見えてくる。

「最初は、目の前の仕事を頑張る」と書いたが、
目の前の仕事は、全く無作為のものではなく、
自分の選択の結果たどり着いたもの。

人は、案外正しい選択をしているものだと、
わたしは思っている。

みうらじゅんが、以前あるインタビューで、
マイブームの「テング」を引き合いに出して
「好きなことというのは、努力して好きになっていく。
努力して好きになるから、本当に好きになれる」
と答えていましたが、同感。

この年齢になって気づくのは、
自分が好きと思える仕事に、毎日関わることができ、
同じ気持ちで働く仲間と一緒に働けることこそ
幸せなこと、ということ。

新入社員のみんなには、頑張って、努力して
目の前の仕事を好きになって欲しいし、
そんな仕事人生を送ってくれたら、と願う。

もちろんたいへんなことは多々あるけど、
それはまた別の話。

「出会い」という話でいえば、
2011年のこの瞬間にしずおかオンライングループの
みんなと一緒にいることこそが奇跡に思えた夜でした。



4月1日に、「womoヘアサロン」がオープンしました。

womoの読者のみなさまからご要望の多かった
静岡と浜松のヘアサロン情報をまとめたサイトです。

リニューアルにあたっては、弊社の女性スタッフが中心となって
一ユーザーとして自分自身が使ってみたいサイトであることにも
こだわりました。

もちろん、womo読者のみなさまの声も
大いに参考にさせていただいています。
座談会にご参加いただいた読者のみなさま、
ありがとうございました。

「このスタイリストさんがいるお店だから通いたい!」
と思える行きつけヘアサロンが見つかるサイトを目指しています。ぜひ、アクセスしてみてください。




平沢観音の桜もようやく咲き始めていた。

朝起きて新聞の天気欄を見ると、今日の最高気温は21度。
吉野山ではお目にかかれなかった桜にも、この天気なら出会えそう。

朝食後、吉田川沿いをゆっくりと走りながら、
途中は歩きながら、平沢観音へ。
この道は日本平ハイキングコースにもなっていて、
何組ものハイカーとすれ違う。

30分もかからずに、平沢観音に到着。
山門をくぐり、石段を駆け足で登る。
平沢寺の境内の桜もようやく咲き始めていた。

午後は、静岡シネ・ギャラリーへ。
今日から上映が始まったルイ・マル監督の
死刑台のエレベーター」を観に行く。

この映画を初めて見た時は、たしか高校生か大学に入ったばかりの頃。
ジャンヌ・モローという女優や、
音楽を手がけたマイルス・デイビスを
意識し始めたのもこの映画を通してだった。

恋人ジュリアンへの愛と懐疑を抱えながら
夜のパリを彷徨うジャンヌ・モローの
けだるく官能的な魅力と存在感、
背景に流れるマイルス・デイビスのトランペットが孤独で美しい。

初めて観たときにはサスペンス映画としての印象が強かったが、
今観るとフロランス(ジャンヌ・モロー)の愛の物語でもある。

この映画の撮影時、ルイ・マル監督は25歳。
後にヌーヴェルヴァーグとも呼ばれる斬新な映画を撮った
ルイ・マルは一躍脚光を浴びたわけだが、
25歳の若者に監督を任せたプロデューサーの決断があってこそなのだろう。



4月1日、本日しずおかオンラインにも、池戸君と伊藤さんの2名の新入社員が入社しました。
社員数が数十名という小さな組織においては、2名であってもその存在は大きいもの。
池戸君と伊藤さんのふたりには、しずおかオンライングループに、
これまでにない新しい風を吹き込んでくれることを期待したい。

しずおかオンラインでは入社式は行いませんでしたが、全体朝礼で二人を社員に紹介して、
恒例の記念撮影は例年通り行ないました。今春、新社会人になったみなさんは、
5年後、10年後も、「東日本大震災の年の新入社員」と呼ばれることでしょう。

池戸君と伊藤さんのふたりには、三陸地方に伝わるという「津波てんでんこ」の話をする。

これは、今朝読んだ日経ビジネスオンラインの小田嶋 隆氏のコラム
『「ひとつになろう」より「てんでんこ」がいい』の中で、私自身も知った言葉。


三陸の人びとは、「老幼の者を助けようとして一家共倒れに」なったり
「家族をさがしているうちに逃げ遅れ」たり、「点呼を取っている間に津波に呑まれ」
たりしてきた苦い経験から、緊急時にあっては、とにかく「個人の判断と責任において、
一刻も早く逃げる」という方針を徹底してきたというのだ。

 より詳しい解説をする人は、「てんでんこ」は、「たった一人でも生きていかねばならない」
という決意および、「家族やまわりの者を助けきれなかった者(自分も)を責めてはならない」
という事後の心構えをも含んでいるのだという。

 非常時にあって、決断を他人に委ねたり、周囲の状況に安易に同調することは、
命取りになりかねない。普段から、自分の状況に合った避難の方法と経路を、
自分のアタマで考えられるようにしておかねばならない。そういうことなのであろう。

 団結も連帯も大切なことだが、それが集団の前提になってしまうと硬直化を招く。
硬直化した組織には異論を許さない空気が生まれ、
最終的には異端を排除するシステムができあがる。


多様な生き方が共存している組織こそが健全であり、
自律した個人が集まって「ひとつのチーム」として機能してはじめて、
大きな力を発揮できるもの。そしてそれは非常時にこそ顕在化するのだろう。

池戸君と伊藤さんの二人には、これから始まる長い社会人生活の中で、
重要な場面が幾度となく訪れることでしょう。
そんな時にこそ、周囲に同調することなく、自分のアタマで考え、
決断し、行動できる社会人になってほしいと思う。



3月15日より開始しました「ハピナビ」での震災募金に
4月1日までに266口、総額で133,000円のご支援をいただきました。

スタートしたばかりの新しいサイトにもかかわらず、
「ハピナビ」を通じて震災募金支援にご参加していただいたみなさま、
本当にありがとうございました。

募金につきましては全額を日本赤十字社に提供させていただきます。
震災復興は予測のつかない費用、時間、人的支援が必要になることと思います。

しずおかオンライングループとしては微力ではありますが
一日も早い復旧・復興を願い、
わたしたちにできる支援を引き続き行ないたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

東北地方太平洋沖地震で被災された皆様、および
ご家族の皆様に対しまして、あらためて心よりお見舞い申し上げます。


海野 尚史 HISASHI UNNO

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