静岡市の常葉大学で行われているオープンユニバーシティ2006「ブログの世界〜あなたも市民記者」(全11回)の2回目。この講座は、静岡インターネットの古郡社長がコーディネーターになって、県内のインタ−ネット関連企業の社長が講師として参加している。今日は〈しずおかオンライン〉ともおつきあいのある株式会社ハンズの長田社長が講師ということで、見学させてもらう。

   常葉大学 オープンユニバーシティ2006
http://www.tokoha-u.ac.jp/news/openuniv/

参加者は常葉大学の2−3年生と社会人数名の合計20名ほど。「ホリエモン」や「真鍋かをり」の話題のブログや、サイバーエージェント・はてな・GMOなど有名社長達のブログを紹介しつつ、ブログが有名人や社長たちの広報メディアとして不可欠になってきていることを実際のブログを見せながら説明。

今では新規で取り引きする企業と接触する前に、必ずその企業のホームページと社長ブログをチェックするのが常識というのは企業の側だけでなく、これから就職活動をはじめる学生たちにも共通している。企業が公式に作成する会社案内やホームページ以上に、社長ブログから読み取れる情報は多い。最近では情報発信する社長の側もその点はわきまえていて、社長ブログを広報担当者が原稿チェックしてからアップしている企業も増えている。

長田社長は毎日2時間ほどブログのチェックに費やしている。どんなブログを巡回しているのかその一部も紹介していたが、他社の社長が日頃どんなブログ(企業)を日々チェックしているのか知る機会はあまりないので、なかなか興味深い。

ちなみに「fieldnoteはこれからだ」は、いまのところ社内の広報チェックもなく、わたくし海野が直接アップしている。乱筆、乱文でみなさんが不安になることも多々あると思いますが、ご容赦下さい。再来週はわたしが講義することになっているので、またここで報告します。


インターネット関連の専門出版社インプレスR&D代表の井折昌信氏を囲んで、インプレスの現在取り組んでいる事業について聞く。テーマは「“出版2.0”への取り組み」

インターネットが日常メディアになったことで、「出版事業」そのものを再定義しなくてはならないげれど、大手出版社でもその動きは遅い。10月から小学館など一部出版社で紙と並列かそれ以上に利便性が高いと期待される電子雑誌出版の動きがでてきているが。

●主婦の友、小学館電子雑誌に参入
 http://www.j-cast.com/2006/07/24002224.html

インプレスの考える出版業の進化系は「そもそも出版業とは何か」「出版は紙でしかできないのか」という出版業の棚卸しを起点に「インターネット時代の出版業のあり方」を再構築するもの。

インターネットにより、超流通(限りなくタダに近いコピーと流通)、双方向(受信者と発信者の境が曖昧になる)、多対多コミュニケーション(1対1、1対多、多対多の情報交換ができる)が低コストで実現できる環境になったことで、インプレスでは、「すべてを利用者の利便性向上のために」発想することにしたという。

少し具体的にいえば、利用者のエージェントとなって、利用者の利便性向上のために、あらゆる媒体とあらゆる流通チャネルを駆使し、自社制作にこだわらず、コンテンツからサービス(機能)まっで提供する、というもの。ひとつひとつの言葉はとりたてて目新しくはないが、それを実際にカタチにできている出版社は少ない。

インプレスでは、第1弾の取り組みとして「WBB FORUM 」を立ち上げている。見た目はよくあるビジネス情報サイトだけど、仕組みの中にインプレスの考える“出版2.0”へのチャレンジが盛り込まれている(らしい)。要、定点観測ですね。

「WBB FORUM 」
 http://wbb.forum.impressrd.jp/

井折社長は「WBB FORUM 」が成功するかどうかは現時点ではわからないと語っていたけど、半分は本音で残り半分は成功を確信しているであろうことは表情から伝わってきた。


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送迎デッキにあたる屋上広場は、一面が船の甲板をイメージしたウッドデッキ

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日曜日ということでお弁当持参の家族連れやカップルが多い

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向こうに見えるのは赤レンガ倉庫とみなとみらい21地区


日曜日は、横浜の関内に寄ってから「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」へ。

海外旅行といえば今では考えるまでもなく飛行機を連想するけど、船でももちろん行けるわけで、「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」には、出入国ロビーがあり、税関も出入国管理・検疫施設も立派に存在する。

現に1991年3月、ぼく自身も家人と二人でバックパックを背負い、ここ横浜港から上海行きの客船に乗ってヨーロッパを目指した。今では当時の桟橋の面影はなく、2002年に「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」がオープンしている。

横浜港大さん橋国際客船ターミナル
 http://www.osanbashi.com/

「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」の設計では、国際デザインコンペを開催している。そして採用されたのがイギリス在住の建築家アレハンドロ・ザエラ・ポロ氏/ファッシド・ムサヴィ氏の作品。

以前建築雑誌で横浜大さん橋のコンペに関して「国際的には大きな実績のなかった二人の作品の斬新さと、それを可能にしたのがコンピュータの高性能化による構造計算(設計?)云々…」とそんな内容の記事を読んだ記憶がある。

送迎デッキにあたる屋上広場には階段はなく、ウッドデッキと芝生のなだらかなスロープの丘で覆われた印象。新しい横浜である「みなとみらい21地区」と旧横浜を象徴する「外人墓地」や「山下公園」の間に位置し、周囲の環境も含めて開放感と機能性が上手く調和のとれた気持ちのいい場所に仕上がっている。新しい時代の建築表現のひとつの見本のような気がする。

はたして、建築界で「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」はどのような評価なのだろう。


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「ロミ・ユニ」で購入したジャム。こんな瓶に詰めて売っている
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お店の内観はこんな感じ
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かわいいスプーンのロゴが目印
(写真下2点は「お菓子の日々、ジャム屋の仕事」より)

久しぶりに家人の実家のある鎌倉へ。3時間ほど時間が自由になったので、散歩にでかける。源氏山から銭洗い弁天を抜けてJR鎌倉駅西口へ、小町通りで焼きせんべいを買いほおばりながら鶴岡八幡宮まで歩く。

途中、菓子研究家のいがらしろみさんがやっているジャム専門店「ロミ・ユニ コンフィチュール」に寄って、ジャムを2種類購入。昨年出版されたいがらしさんの本『お菓子の日々、ジャム屋の仕事』(仕事と生活ライブラリー5/2005年 DAI-X出版)を読んで以来、一度寄ってみたかったのだ。

 ロミ・ユニ コンフィチュールのHP
http://www.romi-unie.jp/

いがらしろみさんは、フランス菓子の「ルコント」に勤めた後、仏のル・コルドンブルーパリ校に入学、卒業後ル・コルドンブルー日本校で働いた後、2004年に鎌倉にジャム専門店「ロミ・ユニ コンフィチュール」を開店した。

30種類以上もある手作りジャムの中から、イチゴとフランボワーズの「アニヴェルセール」とグレープフルーツのマーマレード「ブロンゼール」を選ぶ。ささやかだけど、ジャムが違うだけでも朝食がうんと楽しみになる。

「ロミ・ユミ コンフィチュール」では、ジャムの量り売りや「ロミ・ユミ」の空き瓶10個と好きなジャム1個を交換するプチ・エコ活動、それに他のお店と一緒にイベントも取り組んでいる。

松浦弥太郎氏の「カウ・ブックス」、ナガオカメンメイ氏の「d&department」はじめ、最近若者に支持されているオーナーのキャラが立っているお店は、モノを売るだけでなく、モノと場を媒介に顧客とコミュニケートする活動を通じて、さまざまなストーリーを自分たちのできる範囲でしっかりと用意している。

そんなそれぞれの取り組みが、客をファンに変容させていく。


〈web2.0〉方面のにぎやかさにくらべて出版界は相変わらず牛歩のようですが、ここにきてようやく〈出版2.0〉的な動きがいくつかでてきています。

最近お会いした株式会社フィットの藤原広光社長は、web上で本を1冊から作ってしまうサービス(ASPの提供)をはじめています。これは、web上でサイズや文字組の指定、校正、印刷発注まですべて完結してしまうというもの。

すでに始まっている出版サービスとしては「ぷりパブ」があります。

 「ぷりパブ」
http://www.pripub.jp/

従来の本作りは、著者が原稿を書いた後、編集者やデザイナー、印刷会社の担当者等、各行程ごとに専門のスタッフが関わってきましたが、すれらをすべて自動化。装丁にこだわりたい著者にはまだまだ物足りないレベルですが、社内のマニュアル的なものや、自費出版として低価格、小ロット作りたいという方には十分かもしれません。

しかもパソコンに専用のソフトウェアを入れる(マイクロソフト的に)必要もなく、web上で(グーグルのように)作業が完結できるわけです。これを〈出版2.0〉と呼べるかは微妙ですが、『ウェブ進化論』の梅田望夫氏のいう「パソコンの向こう側」で無料で作業でき、発注してはじめて費用が発生し、そして本が送られてくるわけですから、ここでは〈出版2.0〉としておきましょう。

まだまだできることは限られていますが、技術の進歩は間違いなく進むので、遠からず普通の本であればこの方法で作れてしまうはず。すぐにできないことは、著者と共同で作りあげるいわゆる編集作業か。ただし、これもウェブ上で編集者がアドバイスすればある程度対応可能になる。いやはや、出版界もこれからが楽しみになってきました。

一度「ぷりパブ」で本を作ってみようと思うので、また結果を報告します。


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JR静岡駅の南口、サウスポットガーデン1Fに、ギャラリーGAUDI(ガウディ)さんがオープンしてもうじき半年になります。オープン早々におじゃまして以来、会社の近くということもあって時々寄らせていただいています。

オーナーの大久保さんは、版画のことやギャラリーという商売についてなど、こちらのぶしつけな質問にも丁寧に答えてくれるとても気さくな方で、実は、先月ブログで紹介した報道写真家八木健二さんの作品もガウディで見つけて、その場で大久保さんに連絡先を教えていただきました。

ギャラリー〈ガウディ〉は、20世紀初頭のエッチングや版画が中心で、今から1世紀ほど前のフランスの雑誌で使われた洒落た作品が充実しています。

9月30日までは、人気の銅版画家 山本容子さんの作品展を開催中。80年代前半の貴重な作品も含めて25点を展示しています。静岡ではなかなかこれだけまとまって見る機会はないので、興味のある方には楽しめると思います。

ギャラリーは敷居が高く、興味はあっても店内に入るのは勇気がいるという方も多いと思いますが、〈ガウディ〉さんは明るく気持ちのいいギャラリーですので、気軽に寄ってみて下さい。何か買わないと帰れない?、なんて心配は無用です。

山本容子オフィシャルサイト
http://moura.jp/lifeculture/y-yamamoto/


今日は「womo」モニターのみなさんに集まっていただき、鷹匠の「居酒屋創作うさぎ」さんで座談会を開催。「居酒屋創作うさぎ」さんは今年7月にオープンしたばかりの新しいお店です。旬の素材を活かした創作料理とお酒も充実しているので、これからの季節におすすめします。

  鷹匠「居酒屋創作うさぎ」  ブランニュースNo.121
http://www.womo.jp/modules/brandnews/index_200609.html


参加いただいたのは、20代後半から30代前半のOLさんと主婦の計4名の「womo」読者。普段は編集スタッフが「読者のみなさんはこんな情報があったらきっと喜んでくれるんじゃないかな」と、あれこれ特集を企画したり記事を書いているのですが、やはり直接読者の声を聞けるといろいろ気づきがあります。
同じ世代でもOLさんと主婦の方では、「womo」に期待している記事や必要としている情報が違うということも再確認できました。座談会でいただいた意見やアイデアは、実現できるものからひとつずつ「womo」誌面でカタチにしていきたいと思いますので、これからの「womo」をどうぞお楽しみに。今日参加いただきましたモニターのみなさま、お忙しい中ありがとうございました。


祖父江慎と秀英体

一昨日は、希望塾へ。最終回の今回(6回目)は、最近何かと話題のエディトリアル・デザイナー祖父江慎さんの登場。そしてもうひとり、大日本印刷で秀英体プロジェクトに参加して8年目という秀英体の生き字引、伊藤さんの2名を迎え、「デザインとタイポグラフィー ー 秀英体をめぐって」と題して秀英体という書体の誕生から現在までについて話を聞く。
書体というのは時代とともにずいぶんと手を加えられて、いろんな顔を経て今にいたっているわけですね。

  祖父江慎インタビュー
http://www.mammo.tv/interview/134_SobueS/

秀英体は、広辞苑にも使われている書体ですが、
さて下のどちらでしょうか?
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答えは左、秀英体細明朝。右は、小塚明朝

秀英体はクラシックな雰囲気だけど漢字のふところ(線で囲まれた空間)が広く、漢字に対してひらがなが小さく設計されているので全体的に誌面が明るく見えます。熟語も判別しやすく長文でも読みやすいのが特徴。この写真では見えにくいかもしれませんが、並べてみると雰囲気の違いがよくわかります。

では次、見出し用サイズで使用するとこんな感じになります。
さて、上と下のどちらが秀英体でしょうか?

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答えは下。上は、平成明朝体。

見出しで使うと、なかなか伸びやかで気品もあって味わい深い感じがします。こちらの方が「おむすび」も「てんぷら」も手作りでおいしそうに見えますよね。平成明朝体の「おむすび」は、ちょっとコンビニで売っていそうな感じかな。

こんな話をうれしそうに話しつづける祖父江慎さんはデザイン業界を代表する書体フェチですが、3時間も飽きずに聞いている参加者もなかなかの同類。それにしても日本語の奥深さを実感した希望塾でした。
祖父江さんは、終了間際にさらにエンジンがかかり出したご様子でした…。


台風の予定だったので外出はせず、自宅で音楽鑑賞。パット・メセニーの初ソロ・ギター・アルバム「ワン・クワイエット・ナイト」(2003年)と、ジェシ・ヴァン・ルーラーの新譜「IN PURSUIT(探求)」を聞く。

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パット・メセニー「ワン・クワイエット・ナイト」
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ジェシ・ヴァン・ルーラー「IN PURSUIT(探求)」

「ワン・クワイエット・ナイト」は、パットがバリトン・ギター1本で全曲を弾いているアルバム。1本のギターと1本のマイクだけで自宅スタジオで録音した音は、パット・メセニー・グループの広がりのある音とは対照的に、心に深く深く染み込んでいく感じがいい。3曲目のノラ・ジョーンズの「ドント・ノー・ホワイ」はノラ以上に繊細で、曲の美しさが際立っている。

ジェシ・ヴァン・ルーラーはオランダ人の若手ジャズギタリストで、「IN PURSUIT」はジェシのギターとピアノのデュオ。2枚とも秋にぴったりの好アルバム。それにしても、ライナーノーツによると、これまでパット・メセニーはギターソロのアルバムを出してなかったというのだけど、これは驚き。本当かな。


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今週から静岡市駿河区にあるファミリーレストラン「デニーズ静岡曲金店」様でもフリーマガジン「womo」を置いていただけることになりました。「デニーズ静岡曲金店」様は南幹線沿い、JR静岡駅とグランシップの最寄り駅でもあるJR東静岡駅のちょうど真ん中あたりにあります。24時間営業のお店ですので、深夜でも食事に立ち寄った際にぜひ「womo」をご覧下さい。もちろんお持ち帰りOKです。


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水浴びの客でにぎわう夏のプール(東京)
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表紙写真は中山競馬場(千葉)

これは、写真家本城直季の初の写真集『small planet(スモールプラネット)』(発行:リトルモア)。4月に出版されて以来あちこちで取り上げられていて、最近では装丁や広告でも彼の写真を見る機会が増えている。

本物の風景をミニチュアのように撮った写真は一見ジオラマのようで、実際に写真集を手にとって眺めていると見ている側は「ガリバーになった」というよりは、「ピクサーの映画トイストーリーにでてくる子供」になったような不思議な気分になる。

これは俯瞰から写された世界が現実というよりは一見ミニチュアに見えるせいで、巨人が現実世界を見下ろしているというよりは、子供が床にコンバットの兵隊を並べて眺めている感覚か。しかし、さらに細かく見るとかわいいはずのミニチュア世界が実はリアルであるという錯綜した感覚を覚え、これまで経験したことのないような不思議な気分にさせる。同じように錯綜した感覚を覚えた時「本城直季的だね」といいたくなりそう。

アートディレクションは、グッドデザインカンパニーの水野学
http://www.gooddesigncompany.com/gallery_g/index.cgi?index=6


040 今月のお買い物

9月7日のこのブログで「消費うんぬん…」という話を書きました。そこでというわけではありませんが、このブログ上でぼくの個人的な消費行動の一端をアップしていくことにしました。原則として、ぼくが普段使いを目的に購入したモノを毎月一品紹介。自分がどんなモノの何に反応して購入したのか、一年後に振り返ってみようという備忘録です。
興味のない人には少しも面白くないと思うので『040 今月のお買い物』の更新日は、クリックしないように。とりあえず期間は1年間12回、2007年8月でもって終了とします。一年間おつきあいのほど、どうぞよろしく。

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  パタゴニアのライトウェイト・トラベル・トート

第1回目は、この夏に購入したナイロン製トートバッグ。これは、夏休みのハワイ旅行用に飛行機内へ手荷物として持ち込みができるバッグを探していて見つけたもの。機内持ち込みができるサイズで、かつ現地で水着、タオル、カメラ、本、弁当tec、なんでもザクザクと気兼ねなく放り込めるところが気に入って購入。

特筆すべきは326gという軽さ。軽さと強度を兼ね備えた30デニール・トリプル・リップストップ・ナイロンは光沢ある色が特徴で、大の大人が持っても恥ずかしくない雰囲気もいい。ということで最近では、日常の買い物から1泊程度の旅行にも活躍しています。

トートバッグですがショルダーストラップもありデイパックのようにも使用可能。底は補強済み。内側にセキュリティポケットが付いていて、この中に本体を収納すれば片手におさまってしまうコンパクトさも評価大。

ただし、強度は十分だからといって、本のように重いものを何冊も入れて持ち歩くとナイロンの手ひもが手に食い込んで、トートバックではなく自身の手が重さに耐えられなくなるのでくれぐれもご注意を。

〈patagonia〉の商品はネットやカタログ通販でも購入できますが、他メーカーに比べ価格は若干高めなので、現物を見てからの購入が安心。静岡市内なら七間町通りの「JACK」または清水区のアウトドアショップSWENで取り扱っています。

《patagonia/ LIGHTWEIGHT TRAVEL TOTE》
容量22リットル、 \9,975(税込)
色はblackのほかに、pewter(シルバー)、burnt amber(オレンジ)、leaf(グリーン)の4色


9月1日号の『ブルータス』、柳 宗理の言葉から

 これからのデザインは、物を捨て去った後のことまで考えねばならないだろう。今日のデザイナーは人類文化に役立っているとはお世辞にも言えない。
 機械時代になって、その製品に醜いものが多いということは、デザインというものがあるからだと言われても仕方がない。
 殆どのものがデザインされているにも拘わらず、その殆どが醜いとは、結果的に見て、今日ではデザインという職業がない方がよいかもしれぬとまで考えられるのである。
 もっとも、今日の機械時代においても、素晴らしいデザインが、僅かだが存在し、また生まれつつあることも事実である。この少数の素晴らしいデザインが、デザインの名誉を僅かながらもすくってくれているのだ。
 もっともデザイナーがいなくても、各技術が有機的にうまく融合されている場合がある。これはアノニマス・デザインと言われていて、大変美しいものである。野球のバット、グローブ、科学実験用のフラスコ、ビーカー、或いは人工衛星等。
 アノニマス・デザインは、今日の汚れたデザイナーが到底タッチできないほど、素晴らしく神聖なものである。
 民藝も、アノニマス・デザインの一種である。
 アノニマス・デザインに比べて、デザインされているものが殆んど醜いとは、それを構成しているコンポーネントの融合に何か有機的でない不純の異物が混っているからであろう。

   柳 宗理『デザイン 柳 宗理の作品と考え方』(1983年、用美社)

この言葉が、今から20数年前の言葉ということに驚きました。今読んでも説得力があるということは、柳 宗理に先見の明があったのか、それともこの20数年の間に世の中に進歩がみられなかったのか。

情報の整理の仕方がデザインを左右するガイドブックづくりにおいてもアノニマス・デザインを語ることはできます。一見インパクトのある、個性的で自己主張の強いデザインも魅力的ですが、最近はおさまるべきところにすべてがきちんとおさまった佇まいの美しさや、これ以上どこも動かし用もない強さを秘めたデザインに惹かれます。


先日、これから就職活動を始めるという大学生と話をしているとき、「雑誌や広告の仕事は、単に消費をあおっているだけじゃなんじゃないですか」といわれました。雑誌作りや広告を扱う仕事をしていると、時々そのような質問をされることがあります。モノやサービス情報を発信し、生活者(以前は消費者といっていましたが…)の興味をひきつけつつ、わかりやすく伝え、結果として購入や体験していただく、ということが求められる仕事ですので、そのような側面もたしかにあります。

先ほどの質問をした本人も「消費」という行為そのものが悪いと思っているわけではないでしょう。「あおる」という言葉の背景には「求めてもいない情報を過剰に押し付けられている」「そのことで判断を誤り、うっかり買わされてしまう」という声が聞こえてきます。最近見直されている言葉でいえば「もったいない」消費にこれ以上手を貸すのはいかがなものか、ということだと思います。ぼく自身も同感です。

では、求めている人に情報を正確に伝えることだけでわたしたちが満足できるかと言うと、この時代の「消費」にはもう少し複雑な動機もありますよね。「モノ」を購入するということは、「モノ」それ自体を手に入れると同時に、その「モノ」が持っている「記号」をも手に入れることであったり(「モノ」が持つ機能にそれほどの差異が見られない場合、「記号」が購入の判断基準になることも大いにあります)、その「モノ」を手に入れる「場」または「プロセス」での楽しみもあわせて、ひとつの消費活動としてとらえているのではないでしょうか。ブランド品だけでなく、最近人気の100円ショップでさえも同じです。

「レジャー白書」(財団法人社会経済生産性本部)では「外食」を単に腹を膨らませる行為、栄養を体内に取り込む行為としてではなく、レジャーとして捉えています。「モノ」を消費するという行為にも多分にそんなレジャー的な、またはエンターテイメント的な要素も期待している自分に気づきます。

「モノ」がもつ「記号」の提供や「消費」にエンタテイメント的な楽しさを付加することと「あおる」という行為に違いがあるとすれば、それは、表現する側の読者に対する姿勢の違いと、受け手側の情報リテラシーの双方にあるのではないかと、ぼくはそう考えています。

ここまでいろいろ書きましたが学生さんの質問に対する答えにはなっていないので、もう少し自分なりに整理してみたいと思います。


エキサイトブログでレストラン体験評を書いている〈静岡外食カレンダー〉さんと会食。

 〈静岡外食カレンダー〉
   http://gaisyoku.exblog.jp/ 

出版企画を考えるときは、頭の中に描いた企画を誌面でどう表現するか川上から川下にむかって落とし込む作業と、具体的にリストアップできる店舗から企画を積み上げる作業と、理想と現実の両面からのアプローチを何度も繰り返します。

関わるメンバーも最初から新しい企画の関係する情報に精通しているわけではなく、想定読者の期待を超えるものを創りあげるプロセスの中で徐々に詳しくなっていきます。

制作過程では、書店にでかける、他の類似誌を参考にする、インターネットで調べる、メールマガジンをチェックする、最近ならブログやSNSをチェックする、などいろいろな方法でひとつひとつアイデアの裏をとる作業をしますが、最後はやはりその手の一次情報をもっている人に直接聞いてみる、ということが役立ちます。

わたしの場合、グルメや宿情報についての企画を整理したい時などに〈静岡外食カレンダー〉さんとの話がとても参考になります。話の中で「なるほどな」と思えることが多いのは、ご本人が実際に自腹でいろんなお店にでかけていることによる説得力。

いつも的確な情報、示唆にとんだ意見をいただくだけでなく、話をしている中で自分自身のアイデアにかかっているバイアスがクリアになるなど、たくさんの気づきをもらいます。

今日も〈静岡外食カレンダー〉さんに感謝です。


        ことばのちから

    デザインの答えは、ひとつではない。
    だからこそ、時には「言葉」が大きな武器になります。
    素晴らしいデザインも、言葉足らずなプレゼンでは、魅力が半減。
    しかも、企画書はクライアント社内を一人歩きするのです。
    デザインに添えられた文章がひどかったら…
    結果は想像できますよね?

      あなたは最近、本を読みましたか?


午前は、松屋銀座へ。日本デザインコミッティー主催の「DESIGN WITH RESPECTー心から尊敬するデザイン」展を見に行く。

原研哉、黒川雅之、深澤直人、松永真、福田繁雄、菊竹清訓、清家清をはじめ、グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、建築家、デザイン評論家など、現在の日本デザインコミッティーのメンバー25名が、彼等自身が尊敬するデザインを持ち寄った展覧会。

これまで話には聞いていた、イームズチェア等で有名なチャールズ&レイ・イームズ夫妻が1968年と1977年の2度に渡って制作した短編科学映画『パワーズ・オブ・テン』(原題:「POWERS OF TEN」)も選ばれていて、これを見ることができたのは収穫。

内容は、シカゴの公園に寝そべる男女から徐々にカメラが上空へパンして太陽系、銀河、宇宙へとスケールが十の累乗で拡大して行ったかと思うと、今度は急速に男に戻って細胞の中まで入っていくという、わずか9分半の“旅”の記録。

午後からギンザ・グラフィック・ギャラリーgggへ。
   http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/ 

今日は、9月22日まで開催している企画展Graphic Wave 2006 SCHOOL OF DESIGN展にも参加している グッド・デザイン・カンパニー代表の水野学さん。

グッド・デザイン・カンパニー
   http://www.gooddesigncompany.com/ 

水野さんに会いたくて希望塾に参加したというデザイナーも多いようで、今どんどん大きな仕事が集まりはじめている旬のデザイナーの勢いを感じる。話の内容も、デザイン論というよりは「デザイナーという職業とは」「いい仕事を引き寄せるための心構え」的な話が中心。若いデザイナーたちには、刺激になったのでは。

水野さんの話の中からデザイナーにおける言葉の大切さに触れたコメントが巻頭の言葉です。


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今日から9月です。雨降りのせいもありますが、すっかり秋らしい気候になりました
この季節の代表的な味覚に“かぼちゃ”があります “かぼちゃ”と言う名前は17世紀にカンボジアから入ってきたことに由来しているのだそうです

 “かぼちゃ”について詳しく知りたい方はこちら
   http://www.vegefund.com/panfu/pumpkin/pumpkin.htm
 

かぼちゃ料理というと私の場合はまっさきに煮物を思い浮かべますが(年齢が想像できますね)、最近では、プリンやサラダ、パイなどが女性に人気のようです

「womo@kitchen9月号」の旬のレシピでは、「かぼちゃのコロッケ」を紹介しています コロッケなら野菜が苦手なお子さんも喜んで食べてくれるのではないでしょうか お弁当にもピッタリです

その他、9月に静岡市内で開催されるフリーマーケット情報、セール情報から能楽鑑賞教室なども紹介しています 「womo@kitchen9月号」を、どうぞご活用下さい

冷蔵庫の「womo@kitchen」の貼り替えをお忘れなく

  【プレゼント情報】

  今月は、フランス生まれ“ル・クルーゼ”の素敵なお鍋をプレゼント!
  お手元に「womo@kitchen9月号」が届いたみなさまは
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海野 尚史 HISASHI UNNO

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