雑誌を含めて出版業界は旗色が悪いので、こういうタイトルには反応してしまう。
11月号の「エスカイア」の特集は「進化するマガジン・カルチャー」。

「ウォールペーパー」の元編集長タイラー・ブリュレをはじめ、
旬の雑誌を創っているキーマンたちのインタビューや編集部の様子は
気になるところ。

「希望塾」でキャップの藤本やすし氏が気になる雑誌としてとりあげていた
「FANTASTIC MAN」は、オランダの雑誌だった。

■Dice-k.com/「FANTASTIC MAN」
http://www.dice-k.com/0299/220.html



うっかりしていると10月が終わってしまう。あわてて「今月のお買い物」を更新。

10月のお買い物は、「60VISION」(ロクマルヴィジョン)で見つけた「ノリタケ60 ホワイトチャイナ」。随分前から朝食用のシンプルな白い皿を探していたのだが、いざとなるとなかなかピンとくるものがない。

お金を出せばいくらでも選べるのだろうがそうもいかない。食器選びの基準としてはデザインが気に入るのは前提として、そのうえで「割れても気持ちを抑えられる(大騒ぎしない)範囲内の価格である」ことと、できるだけ長期間にわたって「同じモノを買い足しできる」であろうこと。

「ノリタケ60 ホワイトチャイナ」は、「60VISION」に参加している食器メーカー・ノリタケが1954年に開発した白色硬質磁器のディナー皿で、主にホテルやレストランで使用されてきたライン。シンプルなデザインと、縁から皿の底にかけてのカーブが美しい。

決め手は皿本体の薄さ。皿の厚さについては好みがわかれるところだろうが、朝食用としては薄くてシャープな皿のほうが、糊のきいた白いナプキンのようで眠たい気分もシャンとしそう。

ということで、今月はノリタケ60のシンプルなホワイトチャイナ16cmと21cmプレートをそれぞれ5セット購入。

ちなみに「60VISION」とは、流行に左右されない普遍的な定番商品作りを目指そうというメーカーが参加する異業種合同プロジェクト。主に1960年代に開発された商品を中心に展開している。「カリモク60」からスタートし、2006年現在の参加企業は、食器の「ノリタケ」、鞄の「エース」、家具の「マルニ」など10社。

■60VISION公式サイト
http://www.60vision.com/concept/index.html

《ノリタケ60 ホワイトチャイナ》
ホワイトチャイナ     16cmプレート  840円(税込み)
ホワイトチャイナ     21cmプレート 1,365円(税込み)
ホワイトチャイナプラチナ 16cmプレート  945円(税込み)
ホワイトチャイナプラチナ 21cmプレート 1,575円(税込み)


〈月9〉で「のだめカンタービレ」の放映が始まって以来、我が家はにわかクラシックブームに。小4の娘も突然ピアノの前に座る回数が増えた。とてもわかりやすい。今日などはぼくのi-Podを奪って、グレン・グールドの「ゴールドベルク変奏曲」を聴いている。いつまでつづくやら…。

というわけでもないが、こちらは静岡音楽館AOIに「ルノー・ゴーティエ・カプソン」兄弟のヴァイオリン&チェロ・デュオ・コンサートを聴きにいく。兄のルノー・カプソン(ヴァイオリン)は30歳、弟のゴーティエ・カプソン(チェロ)は25歳という若さ。演奏家としての二人の評価はよく知らないが、カプソン兄弟が「旬の演奏家」であることは間違いない。

特に兄ルノー・カプソンの弾くヴァイオリンは均質的でバリバリ弾くタイプではなく、音そのものがメロディにあわせて様々な色に変化するようなみずみずしさがいい。

静岡音楽館AOIでは、このようなコンサートでも大学生以下料金を1,000円に設定している。会場には高校生のグループも目立っていたが、まだまだ空席もあり。1,000円なら映画を見るのとさして変わらない。「のだめカンタービレ」でクラシックに興味をもった学生のみなさんには、静岡音楽館AOIの学生料金をぜひ利用してほしいものだ。



今日から読書週間が始まりました。だからといっていつもと何かが変わるわけではありませんが、普段なかなか手にしにくい本を選ぶきっかけにしてみるのは悪くないでしょう。

25日放送のNHKハイビジョン番組「名作平積み大作戦」は、「燃える!平積み現場」と題して読書週間特集。この番組は毎回2名のゲストが名作といわれる本を1冊持ちより、スタジオに集まった書店員さんにプレゼンし、勝った本を書店員さんが自分の勤務する書店で1カ月間平積みするというもの。そしてプレゼンの際の重要な評価ポイントに手書きPOPがあります。

■NHK名作平積み大作戦
http://www.nhk.or.jp/hirazumi/top.html

読書週間特集では、これまでに平積みされた本が実際に何部売れたのか、その実売部数でランキング。結果、実売部数は最少のもので1部、最も売れた本が約600部強。この数字を見てスタジオの書店員さんも、なぜこんなに差がでるのか驚きの表情をかくせないようでした。本を売ることがいかに難しいことか、書店員さんだけでなく視聴者も実感したことと思います。

ちなみに第1位は、安部公房の『R62号の発明』。プレゼンター江川達也(漫画家)の手書きPOPもダントツ人気でした。

■R62号の発明(安部公房)
http://www.nhk.or.jp/hirazumi/result/016robot.html


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11月号『womo』の特集は、「デート:ふたりで焼津クルージング」と「忘年会:今年を〆る、旬な店」の二本です。

焼津・藤枝市近くの方は、焼津の魅力もおすすめスポットもいろいろと知っていると思います。でも、知っているのと行ったことがあるのでは大きな違い。今回は、地元のみなさんにも新鮮なスポットを取材していますので、ぜひ大切な人と一緒におでかけください。

静岡の方には「花沢エリア」も「浜エリア」もきっと未知の世界のはず。「こんなに近くにこんな素敵な景色やお店があったのか」と、驚きと発見でいっぱいのデートが楽しめます。

秋の休日に「デート特集:ふたりで焼津クルージング」をご活用下さい。ただし、おでかけは安全運転で。

忘年会を成功させる一番のポイントは「お店選び」です。希望のお店、人気のお店を押さえるには、少しでも早く予約を入れておくのがコツ。忘年会特集「今年を〆る、旬な店」では、この冬人気の旬なお店を紹介しています。幹事さんは今が勝負、「womo」がしっかり応援します。

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文筆家で、旅する古本屋「COW BOOKS」代表の松浦弥太郎氏が、老舗雑誌『暮らしの手帖』の編集長に就任しました。

■旅する古本屋「COW BOOKS」
http://www.cowbooks.jp/
■暮らしの手帖社
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/

中目黒と青山にある「COW BOOKS」に出かけたことのある人はわかると思いますが、「COW BOOKS」は従来の古本屋のイメージとは正反対の洗練された店で、いまでは新世代古本屋の代表格的な存在。お店に並んでいる本のラインナップから、顧客も感度の高い若い女性が多いのでないかと想像できます。

そんな今をときめく古本屋を経営する松浦弥太郎氏と、創刊名(物)編集長花森安治が日本を代表する個性ある雑誌に育てたものの、いまでは読者の高齢化が進んで部数を減らしている『暮らしの手帖』。このキャスティングは個人的にはかなり楽しみな、好感のもてる人選です。

最近では、アメリカで成功している雑誌『REAL SIMPLE』(日本版はいまひとつのようです)や、『アルネ』『クウネル』などの暮らしに目を向けた雑誌が人気ですが、それらの源流を花森安治がつくった『暮らしの手帖』に見ることができます。

そういえば今発売中の『アルネ』17号で松浦弥太郎氏を特集しています。旅する古本屋「COW BOOKS」号の仙台行商紀行の中で、お客さんが買った本が写真で紹介されているのですが、その中に3人も「暮らしの手帖社」の本を買っている人がいたのを思い出しました。

看板企画の商品テストも復活するようで、こちらも楽しみです。


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先月に続き横浜へ。関内で所用があるので、山下公園前にあるホテルニューグランドに1泊。ホテルニューグランドへは、駅から横浜スタジアムを抜け中華街の朝陽門をくぐって15分ほどの距離。

国内のクラシックホテルの一つに数えられるホテルニューグランドは、以前から一度利用してみたかったホテル。戦前生まれの本館はさすがに風格ある雰囲気を漂わせている。といっても、宿泊したのは平成生まれの新館だが。

■クラシックホテル
http://ja.wikipedia.org/wiki/
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翌日は、中華街近くにある「日本新聞博物館」へ。横浜は、「瓦版」ではなく近代新聞発祥の地(なのだそうだ)。たまたま開催していた「日経創刊130周年〜新聞の魅力〜アナログとデジタル」展を見る。

■新聞の魅力展
http://www.nikkei-events.jp/sh/
■日本新聞博物館
http://www.pressnet.or.jp/newspark/

「過去・現在編」では、戦後(1945年〜2005年)を3つの時代に分け、日本の経済発展の歩みを、その時代の主な出来事と「日経」の報道で構成した映像で紹介。60年分の映像をほんの15分程で一気に見てしまう内容だが、それでも大雑把には日本経済の変遷を俯瞰でき、新聞というメディアのアーカイブ力を再確認する。

「未来編」では、最新の情報通信技術を活用した「新聞の未来像」を展示。家庭用ロボットが新聞記事を読み、解説する「ロボット新聞」や洗面所の鏡の一部にニュースが流れる「ニュースミラー」、新聞記事に印刷された透明な2次元コードを携帯電話で読み取りさらに詳しい情報を見る「ニュース・ハンティング」などのデモが体験できる。

このような企画展で感じることだが、技術的には可能なことと実際の便利さは必ずしも、というかまったくリンクしないということ。唯一「これはありかな」と思わせるものは次世代の表示装置として期待されている「電子ペーパー」。半透明の下敷きのようなモニターにコンテンツを表示させるもので、これは大手印刷会社でかなり開発が進んでいたはず。寝転びながら見たり、カバンの中に押し込んだりといった、紙媒体が持っている利便性を兼ね備えている。

興味深いのは、それらの未来像を描きつつ新聞そのものの「大きさ」、「構成」、「デザイン」など、外見上の媒体パッケージがほとんど変化していないという点。ただ、これは単に“今回の展示にそこまで準備する時間も労力もかけられなかった”というのが理由だろう?


今日〈womoブログ〉がオープンしました。みなさまへの新しい情報提供方法のトライアルということもあり、半年間という期限付きブログサイトですが、内容については各店舗様のスタッフが旬の情報を日々発信していきますのでどうぞご期待下さい。

■womoブログ
http://www.womoblog.jp/

〈womoブログ〉で情報発信しているのは主に静岡市内のお店で、ジャンルはカフェ・居酒屋・ヘアサロン・ファッション・スクールなど14店舗です。

フリーマガジンの「womo」では、編集部スタッフが取材してお店の魅力を客観的な立場でみなさまに伝えています。一方〈womoブログ〉では、それぞれのお店のスタッフが「womo」誌面では表現しきれないことや、日々の情報、またはスタッフの生の声をストレートに発信していきます。

紙媒体とインターネットのそれぞれの情報を補完しながら、上手に活用してみてください。きっと、それぞれのお店の特徴や魅力を、より深く複合的に知ることができるはずです。


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womo別冊『静岡きれいの手帖』が本日発売になりました。これは、静岡県内初のビューティーガイドです。

通常の「womo」でもビューティー情報は紹介していますが、『静岡きれいの手帖』ではさらに口コミ情報をもとに静岡県内のアロマ、リフレクソロジー、ヨガ、岩盤浴、ネイル、エステからオーガニック・カフェまで取り上げています。今回初めて取材させていただいたお店も多いので、女性の方には必見の一冊です。

男性のわたしが褒め上げても説得力に欠けるかもしれませんが、休日返上で『静岡きれいの手帖』の編集作業に追われた編集長の〈こやぎ〉もwomoスタッフの〈waico〉も今日はなかなかいい笑顔、出来上がりに対する自信が伝わってきますから、わたしも自信を持ってみなさまにおすすめできるわけです。

■編集長の〈こやぎ〉
http://www.womo.jp/cafe/editors/archives/cat62/index.html

■womoスタッフ〈waico〉
http://www.womo.jp/cafe/omoi/

書店のPOPもスタッフの手作り。中心になって取材したスタッフの POPにはこう書かれています。

   「 女に生まれてよかった! 」

そんな気持ちにさせる一冊です。


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「monoマガジン」を発行している出版社ワールドフォトプレスから創刊された新雑誌「トム・ソーヤ・ワールド」。表紙のヘミングウェイをみて、「勇気あるな」と思ったのはぼくだけか。そして、気になるのはその奥で微笑んでいる外人は誰か、ということ。

2000年から2001年にかけて、キャッチフレーズに「エネルギッシュなミドルエイジのための雑誌『日経おとなのOFF』」や「男のライフスタイル・ナビゲーション誌『マイルズ』、「シニアのためのライフスタイルマガジン『ステージスタイル』など、中高年向け雑誌が相次いで創刊された。その中に「大人の趣味生活情報師『ヘミングウェイ』(毎日新聞社)という雑誌もあったのだが、『マイルズ』『ヘミングウェイ』は2002年には休刊している。

休刊した雑誌のキャラクターを創刊号の表紙に使うことに対して「勇気あるな」と思ったのも確かだが、理由はそれだけではない。

たしか80年代後半に発行された「エスカイア日本版」の創刊号もヘミングウェイの特集だった。バブルが始まろうとしている時期に出てきたヘミングウェイは新鮮だった(しかも真っ赤な表紙がインパクト大)。その後数々も「大人の雑誌」でヘミングウェイが取り上げられたが、「マッチョ」という世界観はいまでも通用するのだろうか。さらに、どれほどの読者がヘミングウェイを読んでいるのか(憧れているのか)。

さらに、巻頭のFROM EDITER」を読みながら「??」と妙な気持ちになる。「『トム・ソーヤ・ワールド』は頭の片隅に子どもの頃の夢や憧れを残す、男たちのための雑誌です」と書きながら、そんな気負いはまったく感じられない。どちらかというと妙に冷静で、とてもソフトな語り口なのだ。で、よく見れば編集長が女性である。女性が作る男性誌というのも悪くない、興味が湧く。

連載で、大御所の海野弘や松山猛に並んで、元「ミーツリージョナル」編集長の江弘毅やデザインジャーナリストの川上典子が同居しているのもなかなか新鮮。これも香山智子編集長のキャスティングか。


静岡県立美術館で開催中の「ナスカ展」へ出かける。数年前の「エジプト展」にしろ、なぜか古代もの?(それともミイラが人気?)は人気があるので開館時間に合わせてでかけるが、すでにチケット売り場に行列ができている。

目玉は、1300年前の子どものミイラと地上絵のバーチャルシアターの2本立て。黒い瞳も認識できる子どものミイラの存在感や映像で見る地上絵は、これまで抱いてきた想像を現実に近づける力がある。まあ、見る前と後で何が変わるかはひとそれぞれだが。

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午後は、すみやでCDを3枚購入。
キース・ジャレット「カーネギー・ホール・コンサート」
パット・メセニー&ブラッド・メルドー「Metheny Mehldau」
ダイアナ・クラール「フロム・ディス・モーメント・オン」

■キース・ジャレット
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/keith_jarrett/


今日は、常葉大学のオープンユニバーシティ「ブログの世界〜あなたも市民記者」の講師として、大学生と一般受講生を前に授業を行う。

■常葉大学オープンユニバーシティ2006
http://www.tokoha-u.ac.jp/news/openuniv/3.html

全12回行われる授業の中の1コマ(90分)で、与えられたテーマは「ポータルサイトでのブログ活用」というもの。僕以外の講師はIT関連企業の方が中心なのできっと機能や技術的なアプローチが多いだろうと想定して、メディア側からみたブログの特徴と活用事例を「womoネット」で運営しているいくつかのブログなども例にしながら話をする。簡単にいえば、今はやりのCGM(consumer generated media)みたいな話なのだ。

この講義の受講理由を生徒に尋ねると、「ブログをまだやったことがないのでこれからはじめたい」「インターネットをもっと活用したい」という初歩的な生徒が多い。

興味深かったのは、そんな彼らに「ユーチューブ」を利用したことがあるか、という質問をしたところ、ブログやSNSの利用経験者よりも数が多かったこと。

彼らにしてみると「ユーチューブ」は特別なものではなく、パソコンを使ったTV視聴といった感覚に近いのかもしれない。業界関係者が「ブログ」だ「SNS 」だと言っているうちに、「ユーチューブ」のような新しいサービスはより加速度的に家庭内に増殖していく。   

授業をしながら、ユーザーが無意識に行っているメディア接触の変化にあわせて、こちらの頭の中を何段階もバージョンアップする必要を痛感する。


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これから上映される映画版「THE WINDS OF GOD 」

北朝鮮の核問題が騒がれる中でタイムリーといおうか、今井雅之の人気舞台「THE WINDS OF GOD 〜零のかなたへ〜」がグランシップにやってきたので、さっそく見に行く。作・演出・主演の今井雅之は、御殿場にもいたことのある元自衛官。

ストーリーは、漫才師を夢見る平成のお気楽な若者二人が、交通事故をきっかけに戦時中へタイムスリップ。前世の姿、神風特攻隊になった二人が、戦争という大義の前でリアルなものとなる「死」と、心の奥に湧く疑問をもったまま突撃していく仲間たちの出撃を前にして起る騒動をコメディタッチで綴ったもの。

■「THE WINDS OF GOD 〜零のかなたへ〜
http://blog.eplus.co.jp/winds

1988年から続けきた舞台「THE WINDS OF GOD 〜零のかなたへ〜」は、2001年9月9日の沖縄公演で終了するつもりだったらしいが、その二日後に起こったのが9.11アメリカ同時多発テロ。

「9.11翌日、アメリカの新聞に“カミカゼ・アタック”と書かれた時は悔しかった・・・お前ら本当に当時の日本の若者の事を分かっているのか・・・・・」

舞台終了後、壇上に立つ今井雅之が、その時の悔しさとやるせない思いから公演を再開した経緯を話しはじめると、場内は自然発生的に大きな拍手に包まれた。

 「僕たちの時代って、ホントに平和だったんだね。

        だけど、平和すぎて自分というものが見えなかったよ。

    平和すぎるから、平和じゃなかったのかもしれないね。

            平和って、本当になんだろうね」

今井雅之が最後に語った

 「私たちが平和を自覚できなくなった時が、すでに戦前だ」

という言葉が心に残る。

子どもたちにもぜひ見せたい素晴らしい舞台でした。


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1930年創刊のアウトドア雑誌の草分け的存在、月刊『山と渓谷』

11日、インターネット関連出版で成長してきたインプレスホールディングスが、アウトドア関連の老舗出版社「山と渓谷社」を買収すると発表した。はたして、ネット系出版社とアウトドア専門出版社の組み合わせで、どんな展開が考えられるのか。

先月、たまたま同じインプレスグループの株式会社インプレスR&D社社長井折昌信氏から同グループのクロスメディア戦略について話を聞く機会があった。

http://www2.eshizuoka.jp/img/unno/2006/09/20.html

クロスメディア戦略の第1のポイントとしてあがっていたのが「特定テーマの専門メディアを目指す」。広く、浅い情報はマスコミの領域、またはグーグルで検索すれば十分。インプレスは、特定テーマに絞り込み、深く体系だって解説することで出版のクロスメディアを活かしていく。これだけでは、具体的なイメージはつかみにくいが。

あらためてインプレスホールディングスの会社概要を見てみると、「IT」「音楽」「デザイン」「医療」を主要テーマに、独自の専門性を発揮した事業活動を展開するとしている。

そしてすでに、DTPおよびデザイン関連出版事業の出版社「株式会社エムディエヌコーポレーション」、理工学専門書出版の「株式会社近代科学社」、音楽関連出版の「株式会社リットーミュージック」などがグループ企業となっているではないか。

http://www.impress.co.jp/index2.htm

ここに、新たに「アウトドア」関連出版の「山と渓谷社」が加わるわけだ。今後は「ウェブサイトや携帯電話向け情報配信を強化する」としているが、これをきっかけに「山と渓谷社」が息を吹き返せば、他の専門出版社にも大いに刺激となるに違いない。

余談だが、松岡正剛氏が取締役所長をつとめる株式会社編集工学研究所も、同グループの一員になっている。


朝霧JAM

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名前を知っていた数少ない出演者のひとり、〈元ちとせ〉のステージ

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会場はこんな感じ。一面のテントの海と7日に初冠雪が観測された富士山が美しい

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ステージを遠巻きに見るとこんな雰囲気

10月7日・8日の2日間、富士山麓の朝霧高原で開催された「朝霧ジャム」へ行ってきました。「朝霧ジャム」に行くのは昨年に続いて2回目。今年は昨年よりさらに入場者数も増え、約1万3千人が富士山の麓へ集まったそう。

プロデュースは、「フジロック」を成功させたSMASH。メジャーアーティストも多数出演する「フジロック」に比べ、こちらは名前を聞いても知らない出演者ばかり(少なくとも私には)で、イベントそのものも富士宮市を中心にしたボランティアの支えで成り立っているせいか手作り感覚が随所に感じられ、会場を包みこむのんびりした雰囲気も「朝霧ジャム」の魅力。

実際、参加者もお目当てのアーティストが出演するから富士山麓まで来ているのではない(と思う)。なぜなら「朝霧ジャム」は出演者がギリギリまで発表されないのに、チケットは毎年その前に完売してしまう。

場内の特設ステージから聞こえてくる楽曲が気に入ればステージ前に向かいカラダを揺らし、好みでなければステージを遠巻きにそれぞれ好き勝手に過ごす。これは全席指定の屋内コンサートでは味わえない、屋外フェスならではの過ごし方。

この心地よさは、きっと体験した者にしかわからない。「百聞は一見に如かず」なのだ。

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出店していた大阪屋さんの「富士宮やきそば」。塩味もあり


遊本館

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昨日は静岡市の用宗港近くにある子どもの本の私設資料館「遊本館」へ。館長であり児童文学作家の清水達也さんに、絵本や民話の話を聞きに行く。清水さんとは、フィールドノート社時代に出版していた(幻の)雑誌『静岡あるく』で取材したのが1999年の8月なので、あれから7年ぶり。

今では70歳を超えているはずで健康状態が気になったが、お会いしてそんな心配は無用と感じさせるほど元気で安心する。

清水さんは長い間、絵本や児童書、民話などの制作に携わってきているが、少子化の影響か最近はそれらを出版する機会も減ってきているとのこと。清水さんによれば、今の子どもはシックスポケット(両親+両祖父母の6つの財布)を持っているといわれるのに、大人が子どもに絵本を買い与えることは昔より減っているという。

清水さんは県内各地の民話の収集もしている。民話は立派なふるさと遺産だが、このような無形のものを後世に残すことについてのとりくみは、個人にゆだねられているのが実情。清水さんの収集した民話は一部は出版という形で保存されているが、今もそのいくつかは清水さんの頭の中だけに保存されているのだ。

無形のふるさと遺産の「レッドデータブック」をつくり(もうあるのかもしれないが)、活字、音声、映像その他のメディアに定着させることをしないかぎり、こどもたちに伝えていくべきものが保存されないまま消えていく。自分たちが暮らすその土地と切り離せなかったはずの地名も随分と消えたけれど。清水さんの話を聞きながら、そんなことを考えさせられた。

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子どもの本の資料館 『遊本館』
静岡市駿河区用宗2ー25ー15
■電 話:054ー256ー0150
■開館日:土曜・日曜日、第1水曜日


今日10月4日は「古書の日」。いろいろある記念日の中でも、認知度の低い部類に入るのは間違いない。

今日に限らず古本屋(または古本)の話題が日常会話に出てくることもほとんどない。ブックオフに代表される「新古書店」を除いて、一人平均で一年間に何回位いわゆる古本屋を覗くことがあるのだろう。

ぼく自身も、たまたま近所に1軒残っている古本屋が夜10時まで営業しているので時々利用するけど、それでも月に2〜3回仕事帰りにふらっと寄る程度。

そんな古書事情であるわけですが、実はここ数年古書業界では新しい人たちがそれぞれのスタイルで古本屋を起ち上げている。

■フライング・ブックス
http://http://www.flying-books.com/

■オヨヨ書林
hhttp://www.oyoyoshorin.com/

■古書日月堂
http://www.nichigetu-do.com/

最近の傾向は、若い世代が従来の古本屋のイメージにとらわれない店作りをしていること。古本は新刊書と違い、同じタイトルでも1冊1冊それぞれ違う商品なので、店主の仕入れる品揃えそのものが店の個性になる。

さらに本の販売に加え、ポエトリー・リーディングや本にまつわるイベントを行ったり、フライング・ブックスではオリジナルCDも制作販売するなど、活動も幅広い。そしてそれぞれの活動全体をインターネットを利用して束ねている。

静岡市内では浅間通り商店街にいくつか古書店があるが、そのなかのひとつ「あべの古書店」さんは品揃えがぼく好みで、時々利用させてもらっている。

■あべの古書店
http://www.fuji.ne.jp/~hirosige/top.html

みなさんのなかで古本屋経営に興味のある方は、「古本屋になるには」と題して古書の日記念イベントが開催されるので参加してみるのも楽しいのでは。

講師はウェブ古書店「オヨヨ書林」の山崎有邦氏とライター・編集者の南陀楼綾氏繁(なんだろうあやしげ)氏。なかなか魅力的な講師陣です。

■古書の日記念イベント「古本屋になるには」 (東京都古書籍商業協同組合)
http://www.kosho.ne.jp/event/huruhonya2006/


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冷蔵庫の《womo@kitchen》は、10月号に貼り替えていただけましたか?

食欲の秋にお届けする旬のレシピは、「たっぷりきのこの親子丼」。紅葉もスポーツも一緒に楽しみたいという方には、「ウォーキングコラム」で紹介している「箱根外輪山パノラマウォーク」や「富士山自然休養林満喫ウォーキング」はいかがでしょうか。

もうお気付きの方が多いと思いますが、日々のカレンダーにはグルメ情報やイベント情報が紹介されています。中にはちょっとした「得トク情報」もあります。

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10月号では、静岡市葵区のカフェCAPU (カプー)さんから、グラスワインのサービス(詳しくは10月3日のカレンダーと「10月得トク情報」コーナーを参照)があります。プレゼントの応募がパソコンからできるようになりましたので、今すぐ応募してみてはいかがでしょうか。
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プレゼント応募はこちらから
    [ Eメール] kitchen@womo.jp


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先週の木曜日に『WOMO 10月号』が発行になりましたが、もう手にしていただけましたか。今月の特集は、最近静岡市内で評判のスィーツを取材した「秋スィーツ最前線」と、WOMO編集部セレクトによる『癒しの名湯』の2本立て。

「秋スィーツ最前線」では、清水区興津の緑茶カフェ「茶楽」の〈秋パフェ〉、葵区大岩「りべーるだんふぁんす」の〈カボチャのケーキ〉、清水区草薙の「LA CAFE LABO」の〈モンブラン〉など、各店の自信作を取り上げています。個人的には「たま最中」で人気の清水区銀座の風土菓「庵原庵」の〈栗童餅(くりこもち)〉が気になります。さて、みなさんはこの秋、どの「秋スィーツ」を味わってみたいと思いますか。

WOMOコンシェエルジュ『癒しの名湯』はプレゼント付きですので、こちらもお見逃しなく。

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毎号ついつい読んでしまう(というより、かなり楽しみにしているのは私だけじゃないはず)「Hey!Hey!JN」によると、例年10月は1ヶ月まるごと休んでいるはずが、今年は「なぞなぞ居酒屋」になって1ヶ月限定でオープンするらしい。キャプテンコジコジが1人で営業するようなので、コジコジとコミュニケーションを深めたい方にはチャンスですね。


海野 尚史 HISASHI UNNO

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