皆勤賞

  • 2011年05月31日
  • womo

今月の『womo6月号』は、リニューアル創刊してからちょうど6周年。
ということで今日の昼休みは、スタッフが静岡駅北口のコンコース、葵タワー前、
けやき通り、呉服町、青葉公園、伊勢丹前など、街中7カ所で街頭配布。
読者のみなさまに日頃の感謝の気持ちを込めて
『womo』約800部を手配りしました。

わたしも微力ながら、久しぶりに街頭配布に参加。
受け取ってくれた十数名のみなさま、ありがとうございます。

写真右は、『womo』6周年をPRするエコサイクルメディア。
PRボードを取り付けた自転車で、
街行く人々の関心を惹こうという狙いである。
「womo」の認知アップにどれだけ効果があったのか…興味深い。


今日は、明日から産休に入るSさんの産休前最後の出社日。
Sさんは、6年前、womoがリニューアル創刊した年に新卒で入社。

womoという媒体もほとんど知られていない中で、
いきなり現場に放り出されたにもかかわらず、
自分の役割をきちんとこなし、後輩を指導し、
課長になってからはwomoを支える中心的な役割を担ってくれました。
そんな彼女も結婚し、もうじき一児の母になるかと思うと、
とても感慨深い。

営業が長かったSさんは、連続目標達成記録保持者というだけでなく、
(トップセールス賞なども素晴らしいが、
 連続目標達成が、営業として一番美しい姿だと思う)
入社以来6年間皆勤(彼女は、小学校、中学、高校もオール皆勤賞)。
先日彼女に「どうして一日も休まなかったの」と聞いてみたところ

「次にやること、明日の予定がいつもあったから」

という、思いのほかシンプルな答えが返ってきた。

調子のいい時はいい時なりに、
悪いときでも確実に目標を達成し続けられたのは、
常に「次にやること、明日の予定」が明確に整理できていたことは
もちろんのこと、良いことからも悪いことからも
逃げない強い姿勢があってこそなのだと思う。

それはきっと、自分のことよりも、
お客さまや社外パートナーさん、読者など、
常に相手のことを優先して行動してきたということもである。
そんな日々の行動の積み重ねが、
彼女の周囲からの信頼へとつながっていった。

「次にやること、明日の予定がいつもあったから」
当たり前の言葉のようですが、
Sさんから聞くと、重みが違って聞こえてくる。
(社会人としての体調管理だって、簡単ではないですしね)

6年目を迎えた「womo」も、毎月みなさまにきちんとお届けして
いつまでも皆勤で行こうと思う!

自分たちのことよりも、読者のみなさまやお客様に喜んでいただくことを優先し、
『womo』を今以上に魅力ある媒体に、信頼される媒体に育てていきたいと思います。
これからも『womo』をよろしくお願いいたします。

※Sさんへ
入社以来6年間の皆勤賞、おめでとう。
元気なお子さんを出産して、育児も落ち着いたら
いつでも帰ってきてくださいね。みんなで待ってます!




『womo』6月号が発行となりました。

2005年にリニューアル創刊した『womo静岡版』は、
読者のみなさま、地域のお客様に支えられて
6月号で創刊6周年を迎えることができました。
あらためて、お礼申し上げます。
ありがとうございます。

静岡版は記念企画として「womo読者座談会」(P.16-17)を開催。
womo読者の中から6名の方にお集まりいただき、
毎日を頑張る静岡女子の「うれしいご褒美」についてお話を伺いしました。

そこで、読者代表の方々から発せられたリアルなお言葉が

 「『おトク』なのはあたりまえ!」。

これだけデフレが蔓延している世の中で、
「おトク」という言葉も暴落気味…!?
すっかり「おトク」感が失われてしまっていることを
感じているようです。

座談会での率直で、リアルなご意見に応えるべく
『womo静岡版』6月号では、読者の皆さまへ感謝を込めて、
「ご褒美プラン」を用意しました。
ぜひ、チェックしてみてください。


『womo浜松版』巻頭は、最新「豊橋エリア」特集。
路面電車が走るモダンさが今に残る豊橋ですが
今月はユニークなイベントが目白押しのようです。

話題のB級グルメや地元で人気のショップ、
豊橋っ子なら誰でも知ってる名物おやつも取材。
梅雨入り前のさわやかなこの季節、
『womo』片手にお出かけしてみてください。




この4月にしずおかオンラインに新卒入社した池戸君・伊藤さんと、今年度第1回目の新卒読書会を開いた。開いたといっても、今日は顔合わせ。 昨年の読書会では、ぼくが毎回1冊のテキストを選んでいたのだが、量的にも質的にも深く読み込めず、中途半端になってしまった点を反省。今年は、ぼくが選ぶのではなく、ふたりが今興味を持っているテーマや本について取り上げ、何回かに分けて読み込むことにした。

池戸君は、郊外を含む都市論や広告コピーについて興味があるのだそうだ。伊藤さんは、経済やマーケティング、消費の現場で起きている変化について、実例から学んでみたいという。

伊藤さんのいう消費の現場で起きている変化というのは、
「良いものであれば費用はかける消費者と、とにかく価格が安いことにこだわる消費者に、消費者が大きく二極化している」と、営業でお店の方と話をする中で感じたという。そんな消費の現場の変化に、媒体はどう対応すればいいのか…と。
…頼もしい新入社員なのだ。

ふたりが候補としてあげてくれた本の中から、初回は、東浩紀の『思想地図β-vol.1』を取り上げること決定。『思想地図β』は、東浩紀氏に興味があるという池戸君のリクエスト。ちょうど、vol.1の特集が「ショッピング/パターン」ということで、ショッピングモールの地方性や多様性、ショッピングという消費行動の中にみえる共通言語を扱っている。都市論と消費論の両方にまたがっているのも好都合。

『思想地図β』をめくりながら、「難しそう…だけど、おもしろそう」という池戸君と伊藤さんと一緒に、楽しい読書会にしていきたい。
次回の進行役は池戸君。どんな読書会になるのか、ちょっと待ち遠しい。。。





今日はお知らせです。

「womo」で人気のビューティー情報を検索できるWEBサイト
womoビューティー」がリニューアルしました。

大きく変わった点はコチラ!!
・悩みや施術内容からメニュー検索
・静岡女子のリアル体験レポート
・こだわり条件から店舗検索

エステ、ネイル、まつげ、リラク、整体・カイロのお店が充実。
悩み・施術からメニュー検索、こだわり条件からお店検索など、
読者やユーザーのみなさまの要望が多かった機能を追加しました。

実際のお店の雰囲気を知ることができる静岡女子の体験レポートは、
予約前にぜひチェックしてみてください! 

womoビューティー静岡(PC/携帯)
http://shizuoka.womo.jp/beauty/

▼本命美容師、スタイリストが探せる「womoヘアサロン」はコチラ▼
[静岡版]http://shizuoka.womo.jp/hairsalon/
[浜松版]http://hamamatsu.womo.jp/hairsalon/




「シズオカ×カンヌ2011」のフィナーレを飾るイベント「第64回カンヌ映画祭授賞式 ミッドナイト鑑賞会」を、静岡市呉服町のミライエから、Ustream中継してきました。中継開始時間は、カンヌの現地時間にあわせて深夜1時から。延べ人数で、230名以上の方がアクセスしてくれました。明日(というか今日ですね)は月曜日にもかかわらず、ライブ視聴していただいたみなさま、ありがとうございます。

・「eしずおかTV」でアーカイブをご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/recorded/14890619


授賞式鑑賞会の進行をしてくれたリッキーさんとMIUさんのおふたり。

パルムドール賞は、前評判の高かったブラッド・ピット、ショーン・ペン共演の
ツリー・オブ・ライフ』。
日本から参加した三池崇史監督の「一命」と河瀬直美監督の「朱花(はねづ)の月」は、
残念ながら無冠でした。
みなさんの予想は、いかがでしたか?

…日本平の上空が少し明るくなってきましたので、今日のブログは、ここまで。
おやすみなさい。



その瞬間

朝、ラジオのスイッチを入れると、フィービ・スノウの「Poetry Man」が流れてきた。大学に入学したての頃、フィービ・スノウのファースト・アルバム「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」を初めて聞き、「こんな音楽を聴きたかったんだ」と、大発見でもしたかような気分になったことを、今でも覚えている。

朝のコーヒーを入れ、ブルーズ・ジャズ・フォークの香りがブレンドされた、彼女の懐かしい歌声に耳を傾けながら、とても自然に「…きっと彼女も亡くなったんだ」と思う。曲が終わり、ラジオのパーソナリティが、やはりフィービ・スノウがこの4月に亡くなったことを告げた。追悼曲を聴きながら、その曲に出会った頃を思い出す。自分の年齢を意識するのは、そんな瞬間だったりする。

午後からは、元社員で今も一緒に仕事させていただいているKさんの結婚式に出席。友人のイラストレーターTさんにお願いして、彼女のポートレートを贈ることにした。幸いなことに、ポートレートの中に彼女を封じ込める瞬間に立ち会わせていただいた。10年後でも、20年後でも、ポートレートの中では、いつでも、その瞬間の彼女がやさしく微笑んでいる。ご主人も喜んでくれるとうれしい。お幸せに。





昼休みに、駿府町の「ギャラリーとりこ」さんへ。
今日から始まった遠藤加奈さんの個展におじゃましてきた。
遠藤さんは一時期、しずおかオンラインでデザインの仕事をしてくれていた方で、
その後は、自分自身の作品を創り、年に数回、展示会を開いている。
展示会の案内をいただくたびに、遠藤さんの継続する力に感心する。

写真(上左)は、会場真ん中に展示されている陶器で作られた薔薇の花。
作品の名前は、「かわるもの かわらないもの」。
生花は、枯れる。陶器の薔薇もカタチあるものとしていつかは壊れるが、
古い梯子に咲くいくつもの薔薇の花は、さらなる「再生」をイメージしている、
とお話してくれた。

2月の個展「KANA ENDO 1/3「つたえる」 @ボタニカ」とは
雰囲気がガラリと変わって、とても静謐な雰囲気。
かわるもの かわらないもの」展は、22日(日)まで開催しています。

今日のお客様。
昨年創業したクリエーターズオィス・ビアンコネロ
向笠哲司さんと山西幸奈さんのおふたりが来社。


すでにご存知の方も多いと思いますが、おふたりは
「みんなえがお、わたしえがお。」をコンセプトに、
プライスゼロ・プロジェクト」を展開されている。

高いデザイン性と、長く使用される保存性の高いフリーペーパー
[P0]NOTEBOOK(ピーゼロ・ノートブック)を企画したり、
「ボールはともだち、みんなともだち」を合い言葉に、
小さなお子さんたちに無料でサッカーボールを配る
[P0]SOCCERBALLに取り組んでいる。

ノートやサッカーボールを、フリーメディアとして再定義するアイデアがおもしろい。
デザイナーとして歩んできた向笠さんが実現しようとしている「プライスゼロ・プロジェクト」は、
グラフィックのデザインにとどまらず、新しいメディアのデザインであり、
ライフスタイルへの提言でもある。

デザイナーの役割や領域は、時代とともに変化するものですが
それをまさに体現している。
デザインという仕事の「かわるもの かわらないも」を
自分の軸としてもっているからこそ、変化もできる。

いつお会いしても明るい笑顔と、こちらの想像を超えた発想と発言で
驚かせてくれる山西さんは「プライスゼロ・プロジェクト」の一番の伝道師。
これからの展開が楽しみである。

エスパルスとコラボした[P0]PROJECTのオリジナルサッカーウェアを
プレゼントしていただいた。



同調圧力

先日、WEBディレクターのOさんと若手起業家Nさんの3人で開いている
『コトラーのマーケティング3.0』読書会の第3回目を開催。
本テキストについては、今回で最終回となった。

マーケティングの考え方や購買動機の変遷と、
今日起こりつつある変化について書かれているのだが、
これがなかなか一筋縄では理解できない内容。
この日も苦労しながら最終章まで読み終えたところで、
Oさんが一言こうおっしゃった。

「なんだかんだ言っても、日本人は同調圧力に弱いんじゃないの」

…なるほど、鋭い透察である。本質的な答えは、そこにあったのか。。。

機能やら、デザインやら、エコやら、信頼やら…
商品にはさまざまな記号が付与されているが、
それよりも、店員さんの「この商品が一番売れています」
という、決めゼリフを聞いた瞬間に
それまでの情報収集の努力は霧散し、思考は停止、
「…それでいいです」と予想外の返事をしている自分に気づく。
お目当ての商品は別にあったのに…、
後ろ髪を引かれる思いで売り場を後にする自分。

商品の価値で選んでいるのではなく、悔しいかな
あきらかに店員のひとことに同調力を発揮してしまう。
つい、押し切られてしまう。

思い起こせば、わたしたちはそんな選択を、
日々繰り返しているのかもしれない。
ランキング好きなことも、一旦ランキングに入ると
浮動層からの吸引力が急激に高まる現象も、
積極的“同調”といえなくもない。

震災後の“とりあえず自粛”的な雰囲気も記憶に新しい。
女性の場合はある年齢に達すると、きっと身内や親類縁者から
男性には想像もつかない “同調圧力” がかかっていることだろう。
就職活動中の学生さんにも同じことが言えるのでは。
職場にも、きっと目に見えない“同調圧力”が存在する。

週末に文化系トークラジオ Life の「2020年のわたし
のポッドキャストを聞いていたのですが、番組の中で
「未来を考えると不安になるのは、
日々が消極的選択の繰り返しになっているからでは」
という話があった。

つまり、自分がそうしたいから決めているのではなく、
「仕方なく決めている日常」
「みんながそうしているから、自分もそうしてしまう毎日」
とでもいいましょうか。

同調圧力による選択も、まさに消極的選択。
結局日本では、マーケティング戦略の中に、いかに巧妙に
“同調圧力”を組み込むかが効果的ということか。

想定外のオチがついた『コトラーのマーケティング3.0』読書会でありました。
空気の読み疲れにも要注意なのだ。



滋養のある声

わたしの知り合いの中で最高齢のWさんが主宰している集まりに出席。
この会は、毎回持ち回りで当番になった参加者が、テーマを決め、
1時間ほど話しをすることになっている。
前回3月のわたしが当番の時には、電子書籍についてお話させていただいた。

後半の1時間は、毎回、Wさんご自身が感銘を受けた本を紹介してくれる。
わたしは、多分にWさんによる本の紹介が楽しみで参加しているのだが、
それはWさんの取り上げる本が、わたし自身は、まず手にしないだろう
という本を取り上げてくれることが大きい。

今日は、久しぶりにWさんが当番ということで、
いつもの本の書紹介に加えて、本の一部を朗読して聞かせてくれた。

Wさんが、今日取り上げた本は3冊。
森鴎外「高瀬舟」、藤沢周平「山桜」、そして鴨長明「方丈記」。
教科書で「方丈記」の一部を読んだことを除けば、みな未読の本。

幸せとは何かを考えさせられる「高瀬舟」と
1185年の元歴の大地震について記されている「方丈記」は、
今回の大震災を受けて選んだのだそう。

それぞれ魅力ある物語であることはもちろんなのですが、
それ以上に、Wさんの滋養のありそうな声(笑)による
朴訥とした朗読がとてもよかった。

同じ物語でも、一人で黙読するのと朗読では、
頭の中に立ち上がる物語がちょっと違って見えますね。



「御社の“攻めの姿勢”に、魅力を感じます」

新卒採用面接の中で、ある学生さんが、そう語った。
どんなところに “攻めの姿勢”を感じるのか質問してみた。

「昨日も、USTREAMを使ってeしずおかTVでイベントを中継していましたよね。
 ほかの企業さんでは、まだ手がけている会社は少ないと思います。
 eしずおかTVのイベント中継を知ったのも、ツイッターでした…」

一昨日スタートしたばかりのeしずおかTVを既に知っていてくれたことや
それをわたしのツイッターで知った、と聞いて
いまさらながらではあるが(ささやかでもあるが)、
ソーシャルメディアやリアルタイムウェブの浸透を実感した。
そんな取り組みが、学生さんに“攻めの姿勢”に映っていたようだ。

学生さんに伝わりやすいかどうかの違いはあるにせよ
どんな企業も、さまざまなチャレンジをしていると思う。
それでも昨日の「 “攻めの姿勢”に、魅力を感じます」という言葉は、
素直に受け止めたい。ありがたい。

eしずおかTV中継後に、担当してくれたカメラマンのM君や、
WEBディレクターのAさん、デザイナーのSさんたちと出かけた
食事の場で、みんなから聞かれた言葉。

「楽しかったですね〜」

一昨日の中で、わたしが一番うれしかった言葉だ。
常々、「攻める」ときの一番の原動力は「楽しむ姿勢」
ではないかと思っている。

チームの共謀作業においては、
参加メンバーが楽しめるかどうか、が成功の鍵を握っている。

さらにいえば、参加メンバーとは、
作り手と、お客さまと、利用者のみなさん、の三者だ。
この三者が共謀して、楽しめること。
さらに、さらにいえば、継続して楽しみ続けられる仕掛けが
新しいメディアやサービスの成長には欠かせない。

「攻める」と「楽しむ」に「事業性」を織り込んで、
プラスのスパイラルの軌道に乗せる。
シゴトと称して、自分たちのやりたいことを実現していく。
そんな意識が、わたしの仕事感の根底にある。

「義務感」や「やらされ感」だけで、新しいことを成功させるのは
不可能とは言わないけど、本当に難しいと思う。
自分の流儀でもない。
それに、なんといっても「楽しい」から頑張れるし、
本気になれるわけで。

産まれたばかりのeしずおかTVには、
事業として今後どう位置付けるかという、
高いハードルが待っている。

それは当面わたしの課題だ。
どうやってそのハードルをクリアするか…
そんな悩みも、ちょっと楽しい。


次回eしずおかTVのライブ中継は、
・5月22日(日) 深夜25時〜未明

※eしずおかTV中継チームのみんなへ。
次回は深夜の出番、覚悟して楽しもうね。
それから、しっかり昼寝しておくように!




昨日は、 USTREAM番組『eしずおかTV』として、初めてのライブ中継を実施しました。
呉服町ミライエで開催された「シズオカ×カンヌウィーク」の
田辺新静岡市長の記者会見、および前夜祭(グリーンドリンクス静岡)は、
合計で762名の方に視聴していただきました。
ありがとうございます。

どんな場所でご覧いただいたのか、
PCかモバイルか…なども気になるところ。

スタートしたばかりの『eしずおかTV" target="_blank">eしずおかTV』。
しばらくは不定期での配信予定。
様子をみながら、実験しながら、
徐々に魅力的な映像コンテンツを充実していきたい。
温かく見守っていただけるとうれしいです。

・22日(日)23時スタート「第64回カンヌ映画祭授賞式ミッドナイト鑑賞会」も
 『eしずおかTV" target="_blank">eしずおかTV』でライブ中継します。

▼USTREAM番組『eしずおかTV』(アーカイブで視聴できます)
http://www.ustream.tv/channel/eshizuoka-tv

右から2番目が新静岡市長の田辺氏。真ん中が実行委員の鈴木さん。

カメラをチェックするM君と、映像とツイッターの書き込みを確認するAさん

シズオカ×カンヌウィーク2011」は、始まったばかり。
14・15日の「シズカンマルシェ」や、21・22日「野外劇場ムービーサーカス」
プロヴァンス写真展など、これから楽しみなイベントが予定されています。
ぜひ、おでかけください。




今年2回目の開催となる「シズオカ×カンヌウィーク2011」が、
5月11日(水)から22日(日)にかけて開催されます。
イベントの詳細はこちら

eしずおかブログでは、USTREAM『eしずおかTV』のオープニングを飾る第1弾として、
5月10日(火)に予定している田辺新静岡市長の記者会見および
「シズオカ×カンヌウィーク」の前夜祭をライブ中継します。
お手元のPCやスマートフォンで、お気軽にライブ視聴をお楽しみください。
もちろん、呉服町ミライエで開催される前夜祭への参加も大歓迎です。

▼USTREAM番組『eしずおかTV』
http://www.ustream.tv/user/eshizuoka

◎5月10日(火) 田辺市長記者会見中継 14:50~
         前夜祭中継 19:30~ ※グリーンドリンクス静岡



今朝の日経新聞に、写真家・写真評論家の港千尋氏が「栞の誘い」なる記事をよせている。
せんだいメディアテークの開館十周年企画のひとつとして実現した「栞(しおり)プロジェクト」が、いまでは国境を越えて海外にまで広がりつつあるのだそうだ。
興味のある方は、「栞プロジェクト」 のサイトをぜひご覧いただきたい。
一枚一枚の写真が、どれも素晴らしい。

伊東豊雄氏の設計により、建築物として新しい図書館像を示した
せんだいメディアテーク」のプロジェクトに、ぴったりだと思う。
(画像はこちら

記事の中で港氏が触れている「本は建築」論は、2007年に出版された港氏の写真集
文字の母たち』(インスクリプト)の前書きにも書いていて、なるほど、と思った記憶がある。
書籍編集を経験したことのある方は、きっとその気持ちが理解できるのではないかな。


「あらためて眺めると、本は建築に似ている。そこには扉があり、それを開けると文字の柱が並んでいる。わたしたちの眼はその柱のあいだを順番に移動してゆくが、急に読書を中断するときなど、開いたまま本を伏せたり、あるいはページに指を挟んだりする。読書というのは、それとは意識してはいないが、本をひとつの空間として扱っているのだ。空間には秩序があり、数字のふられたページがその基本になるのだが、数字だけで覚えておける人はなかなかいない。そこで空間内の場所を記憶する道具が必要になる。その誰もが使う道具にイメージを載せてみる。本が展示空間になるわけである」
本を建築に例えるなら、表紙は、まさにファサードですね。

どうして覚えているかといえば、この写真集は、ある日、
何の前触れもなくプレゼントされた印象強い本なのだ。
その少し前に新聞の書評でこの写真集のことは知っていて、
気になって記事を切り抜きしていた。

そんなある日、突然、その本が目の前に姿を現した。本当にびっくりした。
なにせ、港氏には失礼ながら、ふつうの書店の店頭に、
ふつうに並ぶような本には思えなかったしね。
新聞の切り抜きは、今でも、いただいた写真集に挟まっている。

今日は、久しぶりに本棚から『文字の母たち』を取り出して、ページをめくった。
世界でもっとも古い印刷所のひとつ、パリ・フランス国立印刷所を中心に、
秀英活字体を残す東京・大日本印刷の活版金属活字の現場を写真に収めている。
開いたページの中からは、薄暗くて、冷んやり引き締まった空気と、
インキの匂いが漂ってくる。
活版印刷と同じく、インキの匂いも、すでに過去のものか。

ロゼッタストーンの解読成功後に彫られたというヒエログリフの活字で
組まれた組版の、なんと複雑で、絵画のように華やかなことか。
さまざまな民族の書体を見ながら「いろはにほへと」という
かな文字が、一番美しく、洗練されていると思う。
それは、かな文字が自分の母語だから、そう見えるのだろう。

活字は組み合わされて文章を形作り、書物となって人びとをつなげていく。
時には、突然現れた『文字の母たち』のように、思いもかけないカタチでもつながっていく。
さらに「栞」も加わって、海外へもつながっていく。

それにしても無数にある本の中から何がどのようにつながって、
『文字の母たち』を探し当てたのだろう。



27歳

ゴールデンウィークも、あっという間に過ぎてゆく。
6日に出勤した際に聞いたところでは、
会社のみんなは、伊豆や沖縄、東北などへとかけたようす。
観光やボランティア参加を通じて、それぞれの復興支援に参加している。
みんな、ささやかながらも自分にできる行動を起こしていて、
なかなか立派だと思う。

ぼくはといえば、このゴールデンウィークもいつもの週末と
変わらず、なにごともないままに過ごしてしまった。
いぇ、この一週間で映画を3本観ていた。
180°SOUTH」と「ソウルキッチン」、「バスキアのすべて」の3本。

はじめてバスキアを知ったのは20代の中頃。
当時人気だったキース・へリングを追うようにして、
アート界に突然登場した印象だった。
どこまでもあっけらかんとしたキース・ヘリングの作品に比べて、
バスキアの作品からは、ニヒルさ、孤独さが感じられ、
世の中に強くいいたいことがあるように見えた。
同時に、それが80年代の空気に馴染んでいないようにも…。
そんなバスキアの作品が、当時のぼくはとても好きだった。

「バスキアのすべて」を観ながら、そんなことを思い出した。
いまさらながらであるが、この映画を見て
バスキアとぼくが同い年だったことをはじめて知った。
そして、27歳で亡くなったことも。
(いずれも@静岡シネ・ギャラリー

映画『バスキアのすべて』予告編



GWの二日目。この日、静岡シネ・ギャラリーで上映が始まった
180°SOUTH(ワンエイティ・サウス)』を観に行く。

1968年、イヴォン・シュイナード(アウトドアブランドpatagonia創業者)と友人のダグ・トンプキンス(The North Face創業者)の二人の若者が、オンボロのバンに乗って南米チリのパタゴニアの山を目指して旅に出る。それから40年後の2007年。この二人の旅を記録した映像に魅せられた青年の、彼らの足跡を辿る旅のドキュメンタリー。



1993年、ぼくが32歳の時に創業した出版社はフィールドノート社といって、
最初に出版した雑誌が『静岡アウトドアガイド』。
この雑誌では、イヴォンやダグのように前人未到のフィールドには目もくれず、
伊豆半島や富士五湖、奥大井、浜名湖あたりでの、
親子連れでも安心して楽しめるフィールドを駆け巡っていた。

週末キャンプやハイキング、ルアー・フライ釣り、MTB、
カヌー、ダイビング、サーフィンからパラグライダー、熱気球まで、
時には日帰り温泉やら歴史散歩やら陶芸体験やら星空観測やら旨い蕎麦屋など、
屋外・郊外の興味をそそるネタなら、なんでも取材して回った。

「これも俺流アウトドアの楽しみ方だ!?」を編集の軸にして、
“アウトドア”なるものを精力的に、勝手に拡大解釈していったのだが、
その点では、それまでのハードコアな“アウトドア”の概念から
より気軽で身近な未開の地へと開拓していった、といえるもしれない(笑)。

身の危険を感じることなど滅多にない
(仮にあるとすれば、それは自分のなまった体と
いいかげんな性格からくる注意不足によるもの)
安全圏での取材時でも、ぬかりなく身にまとっていたのが、
ぼくには過剰な機能を備えた、そして高価な(本当にいい値段)
アウトドアブランド“patagonia”や“The North Face”のウェアだった。

イヴォンやダグから冒険心をお裾分けしていただいていた気分だった。
その二人は若い頃からの友人であり、20代後半に二人の人生に大きな影響を与える旅に出た。
そして、帰国後にそれぞれが立ち上げた会社が、今では世界中の誰もが知っている
アウトドア・ブランドの最高峰“patagonia”と“The North Face”だ。

映画のタイトル『180°SOUTH』は、パタゴニア(南米チリ)の位置する南緯180°
を指してはいる。と同時に、映画の中の重要な場面で繰り返し“180°”がでてくる。

イヴォンとダグのパタゴニアへの旅は、その後のふたりの世界観を180°変えるものとなる。
40年後、青年は念願だったパタゴニアの高峰コルコバド山登頂を目前にして、
危険な状況を見て登頂を断念、下山(180°方向転換)を決意する。

それは後退ではなく前進であり、
「登頂という“聖杯”が重要なのではなく、“聖杯”を“探求”することに意味がある」
ことを、青年は時間をかけながら学んでいく。

映画の最後にダグは、こう問いかける。

「人は皆、後戻りできないと言うが、目の前が崖なら…
 そのまま突き進むか、まわれ右をして前に進むか、どっちがいいと思う?」


この映画を通じて一貫して伝わってくるメッセージは、

「問題をずっと食い止めておくことはできない。
 世界中の様々な問題を解決する方法は、
 一度方向転換をして前進(180°の前進)すること」


180°といっても同じ場所に戻るのではなく、
螺旋して、もといた場所の少し先に前進するイメージか。

ダグの言葉は
「今回の大震災から、あたなたちはどのような復興を選ぶのか」
と問いかけているようにも聞こえる。

映画の中で、イヴォンは“patagonia”のウェアを着て、
エンドロールにもロゴが記されていたのに対し、
この映画のどこにも“The North Face”の片鱗を見ることはなかった。

今では世界的な規模に成長した大企業のふたりの創業者の、
自分の理念と事業(ビジネス)の折り合いのつけ方、
スタンス、現在の関係性の違いなのだろう。

どんな理念を持って始めた事業でも、
いつか、どこかで、ある一線を越えてしまう可能性を
すべての企業は常に秘めている…、
そんなことをエンドロールを見ながら考えさせられる。



海野 尚史 HISASHI UNNO

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