7月のマネージャー職の読書会は、『
採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』(伊賀泰代、ダイヤモンド社)をテキストに取り上げ、行いました。タイトルは「採用基準」ですが、この本の内容の多くは『リーダーシップ』について書かれています。日常の仕事の中で使用頻度の多い言葉でも、実は理解の内容はひとそれぞれ…というものはたくさんあって、「リーダーシップ」もそんな言葉の一つだと思います。今回参加したマネージャー職の間で「リーダーシップ」という言葉の定義が整理できたことは成果でした。そして、普段の業務の中で「リーダーシップ」を発揮できるか…、そこでの変化を期待したいと思います。
「採用基準」ということでいえば、「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトを知っている方も多いと思います。このプロジェクトで開発された人工知能「東ロボくん」は年々偏差値が上がって、2014年には、「全国センター試験」で全国581の私立大学の8割にあたる472大学で合格可能性80%以上という「A判定」を獲得しています。『
人工知能は人間を超えるかーディープラーニングの先にあるもの』(松尾 豊、KADOKAWA)を読むと、「東ロボくん」が東大に入学できる実力をつけるのはそう遠くはないようです。そして、きっと入学後には素晴らしい卒論も書いてしまうのでしょう。そんな人物(人工知能)?が社員募集にエントリー(実際にはロボットの開発会社が営業にくるのだと思いますが)してきたとしたら、企業はどのような採用基準で判断することになるのか。ソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」も話題になったばかりということもあり、そんなことを想像してしまいました。映画「
her/世界でひとつの彼女」の中に登場する人工知能OSサマンサが応募してきたら…。
【お知らせ】8月15(土)、16(日)「womoオトナ・キャンパス」

先日リリースしましたしずおかの超ローカルニュースアプリ「
まちぽ」の「
Apple Watch対応版」が、今朝の日経新聞に紹介されました。静岡市内の観光施設や飲食店の情報や地図を表示するほか、音声検索にも対応しています。
お手元に「Apple Watch」がある方は、ぜひ「Apple Watch対応版」を使ってみてください。県外から静岡市に観光やビジネスで訪れる方はもちろんですが、静岡市民のみなさんにも便利な、
超地元密着ニュースアプリを目指しています。感想、要望などもいただけるとうれしいです。今後の「まちぽ」の開発に活かしていきたいと思います。

人口減少時代を迎えて、“まち”をどのように縮小させていくのかが、どの地方においても共通の課題であることは間違いありません。縮小するまちの未来について考えると、ともするとネガティブな思考に陥りがちですが、米国の地方の小さなまち、人口でいえば3000人以下、中には1000人にも満たない、発展から取り残されたスモールタウンだけに立ち寄って全米を横断したときのことを描いた駒沢敏器の『
語るに足る、ささやかな人生-アメリカの小さな町で』(NHK出版)を読むと、小さいまちの多様さと、共通する部分、たとえば「大きな成功よりも小さな平和を、虚栄よりも確実な幸福を、町の住民に自分が役立つことの誇り」を大切にする人々の存在の影響力に気づかされます。実際、うまくいっている町もあれば、うまくいっていない町もあって、その違いは、そこに暮らす人が何を望むか…の結果ということも。
「都会における情報というのはすべてが断片で、全体としての像を結ばないでしょ。刺激の量や種類が多いだけで、しかも偏りがあります。その刺激にただ身を任せるのなら都会の方がいいでしょうが、物を書く身としては、その逆の方がいいんです。静かで集中できるということではなく、このような小さな町では、ひとりひとりの人生の全体というものが見えるんです。情報に振り回されていない分だけ、この町の人の喋る言葉には、その人自身の人生や、静かだけれど確かにその人以外ではありえないような重みが乗っているんです。小説を書くにはこの方がいいと思います」。
…こう話すのは、ジョン・アーヴィングとマイケル・クライトンとシェイクスピアが好きという中学3年生の女の子(ウィスコンシン州ダーリントン)。「女もいいですが、いまはまだ馬ですよ」とロデオに熱心な、21歳で床屋を引き継いだカウボーイ(サウスダコタ州ウィナー)など、小さなまちで出会う若者たちが活き活きとしている。
「ややもすれば不便さや寂しさに負けそうになる毎日を、自前の努力によって支えて生きている」からこそ、他者の存在を受け止めることができ、誇りを失わずに暮らしていける。簡単ではありませんが、そんなタフでまっとうな生き方が、これからの時代に求められるのかもしれません。
・「womo」8月号の特集は「ガールズ・アウトドア」!

午後は、「
ブラジル音楽の世界~アントニオ・カルロス・ジョビンとその周辺」というコンサートを聴きに、静岡音楽館AOIに出かけてきました。会場の入口で、静岡音楽館AOI学芸員の小林 旬さんに遭遇。昨年「
インタビューノート」でお話を聞いた直後に異動があり、静岡音楽館AOIを離れたと聞いていましたが、今年になってまた戻ってきたとのこと。「ぼくの専門はここですから」という小林さんのひとことに、いまの仕事への充実感がつたわってきました。
ステージでは、ショーロクラブ、アン・サリー、福田進一、渡辺亮という豪華メンバーが、アントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲を中心に演奏。今日のような暑い日には、ロマンティックで清涼感があって、かつ多様性のあるリズムのブラジル音楽がよく似合います。アン・サリーの歌う「ジンジ」の途中で、ちょっとまどろんでしまいましたが、それはアン・サリーの透明感のある歌声があまりに気持ちよかったから。ブラジル音楽をテーマにした本企画は、この季節にぴったりでした。
フリーマガジン「womo」は、この6月に創刊10周年を迎えました。変化の早い時代に10周年を迎えられたのは、ひとえに「womo」の読者とユーザーのみなさま、そして地元のお客さまのご支援があってこそ。ほんとうにありがとうございました。
みなさまへの日頃の感謝の気持ちを込めて、この夏、womo10周年記念イベント「
womoオトナ・キャンパス」を開催いたします。風間編集長を中心に全員女子社員で構成するプロジェクトチームが、この春から練ってきたイベント内容が、徐々にカタチになってきました。
あなたのやってみたかったことを応援するイベントです。多くのみなさまのご参加をお待ちしています。
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《イベント名》womo10周年記念イベント「オトナ・キャンパス」
《日程》2015年8月15日(土)・16(日) 開場10:30~17:30終了
《場所》べルヴィ ラヴァンセーヌ
《参加費》入場無料
《公式HP》http://womo.jp/campaign/10thlp/
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詳細は
公式ホームページをご覧ください。

「能」に興味をもったのは、ここ数年のこと。世阿弥の『風姿花伝』を聞きかじったことがきっかけでした。現在の「能」が、観阿弥・世阿弥という父子によって生まれたことはご存知の方も多いでしょう。その「能」と静岡のゆかりについて、現観世宗家の実弟であり観世流シテ方の山階彌右衛門さんが解説すると知り、連続講座 静岡×徳川時代3「
能と静岡~徳川家と能楽 観世家」にでかけてきました。
観阿弥は、最晩年に今川氏に招かれて現在の静岡市に滞在し、最後の舞台となったのは静岡浅間神社での演能。それから間もなく、52歳で静岡で死去しています。また、京の観世家が火災にあい、先祖から受け継がれた秘伝書が焼失してしまったときは、駿府にあった写しを取り寄せて、新たな写しを作成したのだそうです。教科書にのっている「能」ではなく、観世家に伝わる「能」の話(山階彌右衛門さんが幾度となく繰り返していました)に加えて、江戸城で正月二日に催された謡(うたい)の儀式の実演や、山階彌右衛門さんの艶とはりのある声を、目の前で聞くことができるなど、とても貴重な体験でした。
「春の“ふじのくに⇄せかい演劇祭”と秋の“大道芸ワールドカップin静岡”、そして市民ダンスはすべてパフォーミング・アーツという文脈でつながっています。これらをひとつの芸術表現としてアピールすることは、静岡県にしかできないこと」と語っていたのはスノドカフェ代表の
柚木康裕さん。観世家とも徳川家ともゆかりのある静岡市。静岡浅間神社や駿府城公園あたりの能舞台で観阿弥の最後の演目を上演する機会があれば、ぜひ観てみたい。静岡市民に「能」がもっと身近なものとなれば、パフォーミングアーツのまちとしてさらに…などと想像してしまいました。
静岡の「能」といえば、なんといっても「羽衣」。今年も10月に、清水区三保で「第32回羽衣まつり」が開催されます。「羽衣の松」前の特設能舞台で演じられる能「羽衣」は、海外の方にもぜひ観ていただきたいですね。
「第32回羽衣まつり 三保羽衣薪能」
・日程:平成27年10月10日(土)
・http://hagoromomatsuri.blogat.jp/
(羽衣まつり運営委員会事務局HPより)

米国の旅行雑誌『
トラベル・アンド・レジャー』による人気都市ランキングで京都が2年連続世界1位に、ロンドンを拠点とするグローバル情報誌『
Monocle (モノクル)』では、世界一住みやすい都市として東京が認定されました。このところの訪日客の増加が、これらの結果に影響を与えいることは間違いないでしょう。都市も、人やモノと同じで、直接触れて、体験してみることで、その魅力がつたわるのだなぁと、京都と東京のニュースを聞きながら、あらためて実感しました。
2009年の開業から6年目を迎えた富士山静岡空港も、この4月に累計搭乗者数300万人を達成し、国際線を中心に順調に利用者数を伸ばしているようです。静岡県民としては、すこしほっとした気持ちになりますが、2020年までが当面の好機。さらに多くのお客さまを静岡県に迎え入れ、体験していただき、静岡県のファンになっていただきたいものです。
昨日開催された静岡経済研究所のオープンサロンでは、冨田洋一主任研究員の「
大人の趣味の聖地を目指して」という話を聞きました。平成25年度の静岡県の宿泊客数は2092万人、全国4番目(観光庁「宿泊旅行統計」)と、上位には入っていますが、伸び率では全国平均を大きく下回っているようです。また、「オンパク」(大分県別府市)や「さいたま市大宮盆栽美術館」(埼玉県さいたま市)、「将棋の聖地」(山形県天童市)など、既存の地域資源をうまく活用することで観光集客力を高めている事例を紹介しながら、静岡県は多くの魅力がありながら、それらが分散していて大きな力になりえていないとも。
そこで冨田研究員の提言は、プラモデルや大道芸、徳川家康などのコンテンツを「大人の趣味の聖地」という横串で再定義して情報発信していくというというもの。「鑑賞する」「体験する」だけでは満足できない、共通の趣味を持ったおとなたちが集まる場所や自慢の技術・作品を自慢できる場所をつくってはどうかという投げ掛けでした。たとえば、プラモデルであれば、国内の主要メーカーの生産拠点が集積し、工場見学もでき、ホビーショウでは毎年約7万人の来場者をあつめるなどの実績があるわけで、静岡の街を歩くとプラモデルの街を実感できる場を作る…など。いずれにしても、今ここにない何か、ではなく、すでにある地域資源に磨きをかけることが、魅力的な観光地をつくるうえで、もっとも現実的という指摘でした。
6月に開催された
ICT体感イベントでは、静岡に暮らす外国人留学生から、本国の家族や友人たちに紹介したい静岡の魅力として「すし」や「お茶(畑)」「日本平」などの回答がありました。どれも、わたしたちにとってはあたりまえのものですが、それらの中から磨きがいのあるものをみつけだし、観光客目線で大胆に情報発信していくことに、そろそろ本気で取り組む時期のようです。それからもうひとつ、「オンパクを実現した中心人物は、地元では異端児でした」という冨田研究員の言葉が印象に残りました。
写真は、駿府城公園内にある紅葉山庭園の茶室「静月庵」。お茶体験を通じて日本の歴史や文化に触れることができる場所として、海外の方にも喜ばれるのでは。静岡駅からのアクセスもいいですしね。
・静岡のWi-Fiスポットと観光情報を発信
http://shizuokapassport.jp/

7月3日から今日までの3日間にわたって開催された「
リノベーションスクール@浜松」を見学させていただきました。リノベーションスクールは、遊休化した不動産の空間資源をリノベーションすることで、まちや地域の経営課題を解決する取り組み。補助金に頼らない民間主導の新しいまちづくりの活動です。民間の空きビル、空き店舗、空き家、空き地を活用した小さなリノベーションプロジェクトから、公園や道路、学校、公民館などの公共施設を活用する大きなリノベーションプロジェクトまで、対象はさまざま。北九州市小倉の事例をご覧いただくと、イメージがつかみやすいかもしれません。
・リノベーションスクール@北九州
http://kitakyu.renovationschool.net/
「リノベーションスクール@浜松」には、地元の不動産オーナーや銀行員、建築家、学生など、約30名が参加。対象案件は、浜松市中区の繁華街にほど近い肴町と田町の3件のビル。参加者は3チームに分かれて、3つのビルのリノペプランを、各チームごとに知恵を絞って考えるというもの。プログラムディレクターの嶋田洋平氏を進行役に、メゾン青樹代表の青木純さん、建築士の宮崎晃吉さん、そしてグリーンズの
小野裕之さんがユニットマスターとして各チームをサポート。最終日の今日は、3日間のリノベーションスクールの成果を発表する公開プレゼンが行われました。公開プレゼンの様子はYouTubeに
アップされているようですので、興味のある方はチェックしてみてください。
女性の手づくり作家さんを支援するシェアアトリエ案、学生が街と暮らす学生のためのシェアハウス案、ライブハウスに出演するミュージシャンがリラックスできるカフェ案など、いずれも収支計画まで考えられていて、実現可能性が高いように感じました。これからのまちづくりは、このような小さな活動が大きな力をもつのかもしれません。そんな予感を感じた「リノベーションスクール@浜松」でした。
・静岡市主催「静岡市っていいとこ座談会」開催!
http://schnavi.eshizuoka.jp/e1510294.html
「京都に出かけたときは、パン屋さんめぐりが楽しみ。京都はおいしいパン屋さんが多いんですよ」と、数年前、womo編集の女性社員から彼女のお気に入りの京都のパン屋さんを教えていただいたことがあります。その時は「パンは、それほど魅力的なコンテンツなんだ」と新鮮な気持ちで聞いていたのですが、最近では、地方でも「パン祭り」のような、地元の手作りパン屋だけを集めたイベントが開催され、大盛況のようです。スィーツなどにくらべると日常食であるパンに、それほど関心が高まっているのは、ふつうの暮らしの質にこだわる世の中の雰囲気とも関係があるのでしょうか。
8月号の『
& Premium』(アンド プレミアム、マガジンハウス)では、「幸せなパンの話」を特集しています。“パンマニアと作ったパン特集”と銘打った企画。さてさて、静岡ではどこのパン屋さんが…と気になってページを開いてみましたら、静岡県立美術館近くの
Petit a petit(プティタプティ)さんと、無添加パンで人気の
nico(ニコ)さんの2店が紹介されていました。
静岡のパン屋さんのことは「
womoグルメ」や「
まちぽ」でも、2店といわず60店を紹介しています。
・womoグルメ 静岡のパン屋さん60店
http://goo.gl/BHF0Bu
・まちぽ「パン祭り」
https://machipo.jp/topic/38
・womoグルメ:鷹匠&伝馬町エリアの口コミにもパン屋さん情報があります!
http://womo.jp/cafe/contents?id=73
