
古い住居や空き家、使われていない建物などの身近に眠っている遊休資産をまちづくりに活かそう、という機運が高まっています。そのような取り組みにおいては長い歴史のある鎌倉市。
先日も、極楽寺坂切通しを抜けて長谷に向かって星の井通りを歩いていると、その途中に新しい食パン専門店「Bread Code by recette(ブレッドコード バイ ルセット)」というお店を見つけました。ここはパンの通販専門店 「recette」の実店舗で、昨年のオープン。
古い民家をリノベした店舗の外観は、モノトーンに化粧直しされ、清潔感があり、無口な職人気質が感じられる佇まい。新しいお店ですが鎌倉の街並みによくなじんでいて、うっかりすると見過ごしてしまいそうです。食べ歩き用には1/3斤くらいのサイズの「ミニ食パン」がおすすめ。
鎌倉といえば「小町通り」が人気ですが、最近、歩いていて楽しいのは由比ガ浜通り。シェアオフィスも兼ねたカフェ「ハウスユイガハマ」、絵本喫茶?「SONG BOOK Cafe」、古民家を改装したケーキ店「OKASHI0467」、そして、たい焼き「なみへい」やドイツパンとコーヒーの店「Bergfled(ベイグフェルド)長谷店」など、古くからのお店の中に新しいお店が点在し、調和と新陳代謝がとてもいいバランスだと思います。
個人的に好きなエリアは大町辺り。お店の前を通るたびに店内を覗き込んでしまう漫画(の多い)喫茶店「読ム読ム」や、最近オープンした文具と雑貨の店「コトリ」、「山と道 Factory Shop」など、どのお店も間口は狭いですが、奥は深い。鎌倉に出かけた時にいつも寄らせていただくレストランも大町にあります。いずれも古い建物をモダンに変身させて、まちに新しい風を吹かせています。
静岡県内にも散歩が楽しいエリアがあります。 「womo」2月号静岡版では静岡市葵区鷹匠を、浜松版は磐田市を紹介しています。週末に、ぜひお出かけください。
静岡市葵区鷹匠<コーヒー&チョコスイーツ編>
https://womo.jp/column/detail/22351/
【womoおさんぽ部】磐田市<スイーツ&カフェ編>
https://womo.jp/column/detail/22352/
三連休は鎌倉へ。「鎌倉は観光振興がヘタで…」と、地元の人はよくいいますが、この三連休も鎌倉は大変な混みよう。御成通りから由比ケ浜通りあたりにはカフェや雑貨などの新しいお店も増えていて、小町通りに負けないにぎわいでした。
夕方、由比ケ浜の鰯料理の店「はま膳」で、久しぶりに「
あばろん」さんにお会いする。「あばろん」さんは、80年代から雑誌に記事を書き続けているベテランライター。食や映画、音楽などのカルチャーに詳しく、海外取材での裏話など、話題が豊富。この日もとても楽しいお話を聞かせていただいた。帰りは下馬の交差点まで一緒に歩いたのですが、日帰りの観光客が多いためか、夜の鎌倉は人影もまばら。すっかりローカルの顔に戻っていました。
翌日は、祇園山ハイキングコースを散策しながら鶴岡八幡宮へ。大町の三雲神社から祇園山の見晴し台に登り、北条高時腹切りやぐらを経て宝戒寺を見学。鎌倉駅から歩いて1時間ほどの、散策にはほどよい距離。鶴岡八幡宮では赤い制服の警備員に誘導されて、ようやく初詣をすます。
周囲を山々に囲まれた鎌倉はハイキングコースも多く、手軽に自然に触れられることも魅力のひとつ。ハイキングコースの分岐に設置された道標は、日本語に加えて、英語、中国語、ハングル語の4カ国語表記の新しい案内板に変わっている。長倉和平さんも頑張っているようだ。
写真上は、祇園山の見晴し台からの鎌倉市街と由比ケ浜の眺め。遠くには富士山も。

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しずおかオンラインで取材編集協力させていただいている観光ガイドブック「まっぷる 伊豆 '16-17」が発行となりました。世界遺産に登録された韮山反射炉をはじめ、三島大吊橋など、最新の話題スポットもくわしくレポート。海あり、温泉あり、美味しいものもたっぷりの伊豆の魅力を満喫できる一冊です。


渋谷・道玄坂上の雑居ビルの3階にオープンした「
森の図書館」。いまから25年も前のことではあるが、道玄坂裏の神泉駅近くにあった仕事場に2年ほど通っていたことがあり、このあたりは懐かしい。
「森の図書館」は、「キャンプファイアー」というクラウドファンディングサイトで、1,736名という日本記録の支援者を集めた(集めた資金総額は約950万円)企画として知られる。短期間にそれほど多くの人が支援者として手を挙げたのは、「みんなが自由に本が借りられて、お酒が飲める場所があったら絶対便利で楽しいと思う」 という、「森の図書館」の発案者で本好きの森俊介氏の夢に共感した人がいかに多かったか、ということでもある。
「森の図書館」のコンセプトは「
本が読めて、借りられる。お酒が飲める。音楽が楽しめる。むかし遊びにいった、友だちの家のように気軽な空間」。入店するためには、入り口のインターフォンで声をかけなければならない。この作法は、たしかに、誰かの家を訪ねるときの手続きである。
書棚の蔵書を借りることができる点では「図書館」であり、店内の雰囲気やメニューは洒落たブック・カフェ&バーのよう。蔵書は、比較的よく読まれている売れ筋のものが多い印象。特定のタイプの客層に絞ることなく、幅広く誰にでも気軽に利用してもらうためのラインナップなのだろう。自宅でも職場でもスタバでもない、「第4の場所」の今後の広がりが楽しみ。
『mamane(ママネ)マルシェ』10/21(火)にOPEN!


この人混みをかき分けながら、師走の気分を味わった。
先日、東銀座のホテルに宿泊した。翌日の午前、隅田川界隈を散歩する。東銀座から歩いて5分ほどで、勝鬨橋(かちどきばし)である。橋の上に立って、隅田川の水景をぼんやりと眺め、それから橋を渡って月島方面へ。帰りは、ふたたび勝鬨橋を今度は銀座に向かって歩く。ちょうど小腹が空いた頃に、築地市場である。本マグロの切り身、カニ、海老、塩鮭、からすみなどの海産物から、乾物、漬け物、お茶などが、狭い通路に並んでいる。すれ違うのもやっとなほどの人混みをかきわけながら、そうか、師走だったな、と気づく。中国人観光客と一緒に「焼きうにほたて」の網焼きを食べ、今度は銀座方面へ。歌舞伎座には「仮名手本忠臣蔵」の幟が立っていた。勝鬨橋の上から眺める夜景もおすすめ。
フリーマガジン住まいラボvol.15(冬・春号)を発行しました!
今号では、「リフォーム&リノベーション」「インテリア&雑貨」、中部版では「お家」と「家具」がコラボした「コラボHOUSE」を特集しています。年末年始、「そろそろウチも建てようか」という話題が、ご家族からいつでても大丈夫なように、フリーマガジン「住まいラボ」を一冊お手元に! 詳しくは「住まいラボ」をご覧ください。
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・住まいラボのブログ「住まいラボ スタッフ日記」
http://sumailabstaff.eshizuoka.jp/e1205322.html
先週の土曜日、細野晴臣のコンサートに出かけてきたことは
こちらに書いた。
その日は、東京芸術大学美術館で開催している「
夏目漱石の美術世界展」を見た後、
早稲田南町の漱石公園に寄って来た。
ここは、夏目漱石が晩年の9年間を過ごした「
漱石山房」跡。
ここには高浜虚子や寺田寅彦、内田百閒などが通い、サロンのようだったという。
いまは猫塚と漱石の胸像ぐらいしか見るものはないが、
公園の管理人さんによると4年後に「漱石山房」が復元される計画があるらしい。
「漱石山房」はベランダ式回廊がめぐる和洋折衷の、
当時としてはかなりハイカラ(わかりますか?)な家だった。
俯瞰図(画:中山繁信、写真下)を見れば、漱石山房の特異な間取りがよくわかる。
T字形のこのようなカタチの家は、いまでも随分と珍しい。

俯瞰図の一番右手の書斎で、漱石は『
それから』や『
明暗』『
こころ』などを書いた。
「硝子戸の中から外を見渡すと…」で始まる随筆『
硝子戸の中』の硝子戸とは、
この部屋の戸のことである。復元されたら、ぜひもう一度訪ねてみたい。
生前すでに人気作家だった漱石は、生涯借家住まいだった。
その理由が、お金に余裕がなかったというところが意外である。
大正三年三月二十二日の大阪朝日新聞に、「文士の生活」という題で
最後に住んだこの家についてこんな一文を書いているのでぜひ紹介したい。
「
私が巨万の富を蓄えたとか、立派な家を建てたとか、土地屋敷を売買して
金を儲けているとか、種々の噂が世間にあるようだが、皆嘘だ。
巨万の富を蓄えたのなら、第一こんな穢(きたな)い家に入って居はしない。
土地家屋などはどんな手続きで買うものか、それさえ知らない。
此家だって自分の家ではない。借家である…
(中略)
衣食住に対する執着は、私にだって無い事はない。
いい着物を着て、美味い物を食べて、立派な家に住みたいと思わぬ事は無いが、
ただ、それが出来ぬから、こんな處(ところ)で甘んじて居る。
私は家を建てる事が一生の目的でも何でもないが、やがて金が出来るなら
家を作ってみたいと思って居る…」(『漱石山房の思い出』新宿区)
自分にたいする風評を気にしている漱石というのも興味深い。
いま漱石が生きていたならTwitterあたりで、自らボヤイていたかも…である。
それから、ロンドン留学時代も含めて、生涯借家住まいだった漱石は、
はたしてどんな家を作ってみたいと思っていたのだろう。
下の家は『
我が輩は猫である』を書き上げた千駄木の通称「猫の家」。
もちろん借家である。現在は明治村に移築され、保存されている。
この春、明治村で見学してきたときの話は
こちら。
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・静岡で家を建てるなら『住まいラボ』


さて、これらの団体名を見てピンときた方は、
なかなかの食通ではないでしょうか?
…そうですよね、きっと。それともイベント好き?
そしてみなさんきっと郷土に強い愛をもっていらっしゃる。
【ここからお知らせです】
今週末の11月24日(土)25日(日)に
「
2012 関東・東海 B-1グランプリin甲府」
(舞鶴城公園)が開催されます。
静岡県からも殿堂入りしている「
富士宮やきそば」をはじめ
「すそのギョーザ倶楽部」「富士つけナポリタン大志館」「静岡おでんの会」
西伊豆しおかつお研究会」「袋井宿「たまごふわふわ」ほっと隊」
「浜松餃子学会」が参加します。
紅葉シーズンですし、秋の実りも楽しめそうです。
この機会に山梨に出かけてみてはどうでしょう。
★ハッピー
心温まる昭和のアイデアグッズを今風にアレンジした
富士宮やきそばランチ旗の配布も行われるようです!


居心地がいい街(こんな表現があるかどうか、わかりませんが)は、
歩いていて楽しく、飽きない。
小さいながらも発見や出会いのある街は、
その街の一部に自分が重ね合った気がします。
久しぶりに訪れた鎌倉は、
わたしにとってそんな居心地のいい街のひとつ。
桔梗山から源氏山(写真上右)を越え、銭洗弁天(写真中)でお参りをして、
法務局前を左折して鎌倉駅の西口へ、というのがいつものコース。
途中、
ロミ・ユニ コンフィチュール
に寄ってマーマレードを買って、そこから先は気分次第。
賑やかな小町通りでお茶したり、鶴岡八幡宮と近代美術館あたりを散策したり、
時間があれば、
パタゴニア本店で、
ウィンドウショッピングを楽しんだり…
昨日もいつもと同じコースを歩いていると、
法務局前交差点手前にこんな(写真上左)お店を発見。
白い壁に小さな入り口、正面には
「Fe★NEEDS WELDERS POINT」
というロゴが…
今度は「何屋?」と思いつつお店の中をのぞいてみると
黒々とした金属製の物体が見えます。
新種のギャラリーかと思いながら、
中に入ってお話を聞いてみると
ここは、京都からやって来た鉄職人のお店でありました。
“楽しむ溶接”
が合い言葉という
日本初のアイアンワークショップ
なのだそうです。
溶接体験教室やワークショップを通じて
鉄・溶接のすばらしさを伝える場を作ろうと、
縁あって京都から鎌倉へ移り住んで開いたお店が
アイアンワークショップ「フェニーズ」。
ガラス越しに工房で生徒さんを指導している鉄職人(ご主人)にかわって、
奥様から溶接の魅力を京都弁で聞かせていただきました。
静岡から鎌倉にでかけて京都の方と出会い
溶接の話をする…、
そんな一日もあるわけですね。
さすがに静岡から鎌倉まで
溶接教室に通うわけにも行きませんが…

「ロミ・ユニ」で購入したジャム。こんな瓶に詰めて売っている

お店の内観はこんな感じ

かわいいスプーンのロゴが目印
(写真下2点は「お菓子の日々、ジャム屋の仕事」より)
久しぶりに家人の実家のある鎌倉へ。3時間ほど時間が自由になったので、散歩にでかける。源氏山から銭洗い弁天を抜けてJR鎌倉駅西口へ、小町通りで焼きせんべいを買いほおばりながら鶴岡八幡宮まで歩く。
途中、菓子研究家のいがらしろみさんがやっているジャム専門店「ロミ・ユニ コンフィチュール」に寄って、ジャムを2種類購入。昨年出版されたいがらしさんの本『お菓子の日々、ジャム屋の仕事』(仕事と生活ライブラリー5/2005年 DAI-X出版)を読んで以来、一度寄ってみたかったのだ。
ロミ・ユニ コンフィチュールのHP
http://www.romi-unie.jp/
いがらしろみさんは、フランス菓子の「ルコント」に勤めた後、仏のル・コルドンブルーパリ校に入学、卒業後ル・コルドンブルー日本校で働いた後、2004年に鎌倉にジャム専門店「ロミ・ユニ コンフィチュール」を開店した。
30種類以上もある手作りジャムの中から、イチゴとフランボワーズの「アニヴェルセール」とグレープフルーツのマーマレード「ブロンゼール」を選ぶ。ささやかだけど、ジャムが違うだけでも朝食がうんと楽しみになる。
「ロミ・ユミ コンフィチュール」では、ジャムの量り売りや「ロミ・ユミ」の空き瓶10個と好きなジャム1個を交換するプチ・エコ活動、それに他のお店と一緒にイベントも取り組んでいる。
松浦弥太郎氏の「カウ・ブックス」、ナガオカメンメイ氏の「d&department」はじめ、最近若者に支持されているオーナーのキャラが立っているお店は、モノを売るだけでなく、モノと場を媒介に顧客とコミュニケートする活動を通じて、さまざまなストーリーを自分たちのできる範囲でしっかりと用意している。
そんなそれぞれの取り組みが、客をファンに変容させていく。