2016年は、徳川家康公顕彰400年。今年のグランシップ静岡能は、顕彰400年を記念して、江戸城で行われた祝賀能で上演されたという演目「翁」と「加茂」、狂言「末広かり」、そして能「八島」を再現するという趣向でした。上演は、宝生流能楽師。昨年の「羽衣まつり」で、謡「羽衣」を指導してくれた佐野登先生も「加茂」と「八島」で登場。佐野登先生の舞台を見るのは今回がはじめてでしたが、さすがにいい声をされていました。
大寒の前日、今年最初の茶禅の勉強会は、紅葉山庭園の茶室「雲海」での初釜。M先生の炭手前は、素人のわたしの背筋も自然と伸びてしまう貴重な体験でした。年を重ねるごとに新年らしさが薄れて感じられますが、初釜とお能という日常にはない静かな時間を過ごして、ようやく新しい年が始まった気持ちに。写真のお軸に書かれている禅語は「雪裏梅花只一枝」。ゾロリという花器のお花は、加茂本阿弥という椿。