1月18日のプロフェッショナル 仕事の流儀で、オシャレなママさんたちに支持されている女性誌「VERY(ヴェリィ)」編集長の今尾朝子氏が取り上げられていました。題して、「主婦のリアルがヒットを生む」。トレンドを追いかけたり、ぼんやりした夢や希望、幻想を提示するだけでは売れない時代。VERY編集部の、読者(主婦)のリアルを執拗なまでにつかもうとする姿勢が印象的でした。
 雑誌編集長(『東京の編集 The edit of Tokyo』)といえば、古くは「暮らしの手帳」の花森 安治氏、「ポパイ」の木滑良久氏、「オリーブ」や「アンアン」の淀川美代子氏など、カリスマ性をまとった人物像を想像してしまうのですが、ご自身も育児中のママである今尾朝子氏の徹底した?フツーっぽさが、とても新鮮。いまの時代に求められている編集長の役割とは、どこまでも読者に寄り添って、同じ目線から、リアルの半歩先を提示することかもしれません。
 そんな姿勢が、今尾朝子編集長の「編集者の想像力とかどーでもいい」「仮想で話してもしょうがない」「私が答えじゃない。だから新しい」などの言葉に現れているように感じました。そのうえで「わかったつもりが一番危ない」とも。編集者が陥りがちな落とし穴にも目配りを忘れない、今尾朝子編集長のリアルが感じられた一言でした。

 こちらは今週発行の「womo」2月号。静岡の女性に寄り添ったリアルな“いい男”
を特集しています。ぜひご覧ください。






「しろくまジャム」武馬千恵さんのインタビューノート第3回を公開しました。飽きっぽい静岡人の期待にこたえるためにも、ジャムの販売やランチの提供だけでない、お客さまがワクワクするような、新しいモノやコトを提供し続けていくことが大切、という武馬さん。これからは、自身が移住組だからこそわかる静岡市の暮らしやすさ、まちの魅力を、県外にも情報発信していくことを考えているそうです…

  ・「しろくまジャム」武馬千恵さんのインタビューノート第3回
    http://interview.eshizuoka.jp/e1606688.html







 日経ビジネス1月25日号で、「活力ある都市ランキング」という特集を組んでいます。気になる静岡県内の市町ですが、残念ながら100位以内はありませんでした。県内で上位の市町は、111位に藤枝市、次に132位の三島市、そして153位に浜松市と続きます。わが静岡市は、192位でした。
 ランキングの指標は、本社移転や拠点を開設、開業するなどによる「企業」を呼び込む力や、就労世代などの人口を安定的に増加させている「ヒト」を取り込む力など。工場や拠点の県外移転やそれらにともなう人口流出が課題の静岡県内の市町にとっては、雇用創出や人口増による都市の活力を高めることは避けられない課題。その第一歩として、自分の暮らす市町への関心を高めるきっかけとして、興味深い特集だと思います。ちなみに、ランキング1位は、東京都武蔵野市。地方では、5位の福岡市は、数年前に創業支援施設を立ちあげたり、「グローバル創業・雇用創出特区」になるなど、企業誘致や拠点開設や起業の支援などに取り組み、活力上昇中のようです。
 静岡市も福岡市に負けず、SOHOしずおかやB-nest静岡市産学交流センター・静岡市中小企業支援センター、ビジネス支援に力を入れる御幸町図書館などが活動していますが、結果は5位と192位。創業支援、中小企業支援に取り組む姿勢は変わらないものの、このようにわかりやすいカタチで成果を示されると、なかなかうまくいかないものだと、誰かに叱られそうな感想を抱いてしまいました。



初釜とお能。

 2016年は、徳川家康公顕彰400年。今年のグランシップ静岡能は、顕彰400年を記念して、江戸城で行われた祝賀能で上演されたという演目「翁」と「加茂」、狂言「末広かり」、そして能「八島」を再現するという趣向でした。上演は、宝生流能楽師。昨年の「羽衣まつり」で、謡「羽衣」を指導してくれた佐野登先生も「加茂」と「八島」で登場。佐野登先生の舞台を見るのは今回がはじめてでしたが、さすがにいい声をされていました。
 大寒の前日、今年最初の茶禅の勉強会は、紅葉山庭園の茶室「雲海」での初釜。M先生の炭手前は、素人のわたしの背筋も自然と伸びてしまう貴重な体験でした。年を重ねるごとに新年らしさが薄れて感じられますが、初釜とお能という日常にはない静かな時間を過ごして、ようやく新しい年が始まった気持ちに。写真のお軸に書かれている禅語は「雪裏梅花只一枝」。ゾロリという花器のお花は、加茂本阿弥という椿。





しろくまジャム」武馬千恵さんのインタビューノート第2回を公開しました。名古屋出身の武馬さんが、どのような経緯で静岡の中山間地の振興に携わるようになったのか、なぜ「ジャムづくり」だったのか、市中心部に店舗を運営する目的など、お聞きしています。武馬さんのお話に耳を傾けていると、静岡市民としての自覚を呼び覚まされるだけでなく、それぞれができることから行動をおこすことの必要性に気づかされます。

 ・武馬千恵さんのインタビューノート 第2回
  http://interview.eshizuoka.jp/e1603789.htm
 ・第1回はこちら
  http://interview.eshizuoka.jp/e1600856.html





 日本政府観光局の発表によると2015年の訪日外国人客数は前年より47%増えて1973万人となり、過去最高を記録したそうです。東京や大阪、京都などの都市や観光地では明らかに目にする機会が増えていると思いますが、観光地とはいえないふつうの地方都市で訪日外国人と出会う機会が多い場所があるとすれば、そのひとつがゲストハウスではないでしょうか。

 先週の土曜日、昨年オープンした富士宮のゲストハウス「ときわ」に宿泊してきました。ゲストハウスには東京・蔵前の「Nui」のように、古ビルをリノベーションして、宿泊施設のほかにカフェやバーなども併設し、スタッフを抱えて経営しているタイプと、萩の「暁屋」のように民家を改修してオーナーが個人で切り盛りしているタイプのふたつにわかれます。で、「ときわ」は後者のタイプのゲストハウス。

 この日同宿していたのは、イギリスとスペインからきた女性観光客。オーナーの影山大介さんによれば、ゲストハウス「ときわ」の宿泊客の8割以上が海外からの観光客。欧米からのお客さまが多く、次に台湾、東南アジア、中国の順だそうです。ちなみに、韓国からのお客さまはほとんどいないとか。このイギリス人とスペイン人の女性2人組は、富士宮周辺以外には、北は河口湖、西は静岡市の久能山東照宮まで、富士宮を起点に観光していたようです。

「ゲストハウスで情報収集、情報交換して、旅行プランを立てながら移動している方が多いのも、海外の個人観光客の特徴です。これからは、そのようなお客さまの視点にたった観光情報の発信に力を入れなくては!」と影山さん。フリーWi-Fiと観光情報を発信するサイト「シズパス」も、今まで以上に外国人観光客の声を反映して、外国人が使えるサイトにしていく必要がありそうです。







 静岡市のオープンデータカタログサイトに登録されたデータを活用した、静岡を元気に!するアプリやアイデアのコンテスト「シズオカアプリコンテスト」の応募が100件を超えました。ご応募いただいたみなさま、ありがとうございます。

 行政の保有するデータを活用して、民間のアイデアと技術力で、地域の暮らしを改善する…「シズオカアプリコンテスト」への応募は、そのような取り組みの大きな一歩ではないかと実感しています。ひとつひとつのアプリやアイデアは小さなものかもしれませんが、さまざまなカタチで行政と民間の連携が活発に行われるようになれば、“地方創生”の下支えにもなるはずです。
 これから審査が始まります。どんなアプリ・アイデアが表彰されるのかも楽しみですが、それ以上に、ここからひとつでも多くのアプリ、サービスが誕生して、静岡市の暮らしの魅力アップにつながることを期待します。

・アプリ部門 応募数69件
 https://shizuoka-app-awards.jp/apps/list?category=1
・アイデア部門 応募数47件
 https://shizuoka-app-awards.jp/apps/list?category=0






 クレマチスの丘の富士山茶屋で開催された『LIVE 器と料理 to eat is to live』展にでかけてきました。クレマチスの丘にでかけるのは、作家・多和田葉子さんの詩の朗読を聞きにいって以来なので、ずいぶんとひさしぶり。
 今回のイベントは同名の書籍『LIVE 器と料理 to eat is to live』の出版を記念したもの。本の中で紹介されている器を作った陶芸家の吉田直嗣氏と吉村和美氏、撮影を担当したカメラマンの木村文吾氏、ゲストにプリンティングディレクターの熊倉桂三氏、そして企画・編集・プロデュースを担当した祥見知生氏が一堂に会して、本の生まれたきっかけや制作の過程などについて語ってくれました。
 料理と器の両方を主役にした写真を撮ることの難しさや、写真を紙に定着させるために選択した特殊な紙でのチャレンジなどの制作過程の話、それから陶芸家・吉田直嗣氏と吉村和美氏の話も直接聞くことができて満足。
 「料理の写真はシズル感を表現することを求められることがおおいのですが、シズル感だけでは表現できないこともあって…」。ほかの仕事ではできない撮影に今回挑戦できたことに充実感を感じていることが伝わってきた木村文吾氏の話も印象的でした。



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「しろくまジャム」武馬千恵さんの「インタビューノート」が公開になりました。
静岡のまちと中山間地をつなぐ手段として、静岡の魅力のつまった「手づくりジャム」の製造販売や、中山間地の情報発信にとりくんでいる武馬千恵さん。昨年7月には、静岡市葵区鷹匠に実店舗「しろくまジャム」をオープンしました。
 名古屋出身の武馬さんが、どのような経緯で静岡の中山間地の振興に取り組むようになったのか、そして、これから目指していること…などについてお話を伺いました。
 「静岡は、自らリーダーシップをとる人は少ないですが、誰かが行動を起こすと応援する人がたくさんいる」とは、武馬さんの言葉。地域のイノベーションは「よそ者、若者、○○者&IT」から始まる、とはよく聞かれることですが、武馬さんの活動がきっかけになって、これから静岡にどんな新しい波が生まれるのか楽しみです。

 ・インタビューノート:武馬千恵さん 第1回目
  http://interview.eshizuoka.jp/e1600856.html

 ・「しろくまジャム」さんのHP
  http://www.shirokumajam.com/SHIROKUMA_JAM/About_Me.html
 ・womoグルメ「しろくまジャム」
  http://shizuoka.womo.jp/gourmet/shop/index/ID/995









「新しい建築はいらない。いまあるモノで考える」「いまある遊休化した空間資源を活用して、エリアの課題を解決し、エリア価値を高めて、持続可能なまちをつくる」。清水区役所で開催された第2回「リノベーションシンポジウム@静岡」の講師・嶋田洋平さんからのメッセージ。嶋田さんのお話を聞くのは、昨年の「リノベーション@浜松」に続いて2回目。
 嶋田洋平氏は、北九州小倉魚町と豊島区の縮小商店街を、リノベーションまちづくりによる方法で再生事業を行っている。たとえば、空き家、古いビル、空き店舗、上の階が空いたビル、ボロボロの物件、公園、道路、駐車場などなど、わたしたちの目の前にある空間を使って、新しい価値、変化、使い方を生み出そうという活動。「敷地に価値なし、エリアに価値あり」という視点で、その空間にどんなコンテンツをもってくるのか。そのアイデアを活かすカタチに器を変えるのがリノベーション。
 人口縮小社会を迎えるなかで、地方行政は戦略的な都市マネジメント政策の策定を担い、民間は自立して持続可能な事業を育て、雇用を生み、納税というカタチで地域を支える。行政と民間が互いの役割を理解し、同じ土俵にたてるかどうかが、リノベーションまちづくりの成功の鍵なのかもしれません。
 2010年からはじめたリノベーションまちづくり活動が、短期間でここまで広がってきているのは、嶋田洋平さんたち中心メンバーのリーダーシップと行動力なのだろうな、ということをお話を聞いていて感じました。いまでは、嶋田さんの事務所がある商店街の会長役も引き受けて、改革に取り組んでいるようです。建築事務所の代表に会長を任せる商店街というのも興味深い。





 三連休は鎌倉へ。「鎌倉は観光振興がヘタで…」と、地元の人はよくいいますが、この三連休も鎌倉は大変な混みよう。御成通りから由比ケ浜通りあたりにはカフェや雑貨などの新しいお店も増えていて、小町通りに負けないにぎわいでした。
 夕方、由比ケ浜の鰯料理の店「はま膳」で、久しぶりに「あばろん」さんにお会いする。「あばろん」さんは、80年代から雑誌に記事を書き続けているベテランライター。食や映画、音楽などのカルチャーに詳しく、海外取材での裏話など、話題が豊富。この日もとても楽しいお話を聞かせていただいた。帰りは下馬の交差点まで一緒に歩いたのですが、日帰りの観光客が多いためか、夜の鎌倉は人影もまばら。すっかりローカルの顔に戻っていました。
 翌日は、祇園山ハイキングコースを散策しながら鶴岡八幡宮へ。大町の三雲神社から祇園山の見晴し台に登り、北条高時腹切りやぐらを経て宝戒寺を見学。鎌倉駅から歩いて1時間ほどの、散策にはほどよい距離。鶴岡八幡宮では赤い制服の警備員に誘導されて、ようやく初詣をすます。
 周囲を山々に囲まれた鎌倉はハイキングコースも多く、手軽に自然に触れられることも魅力のひとつ。ハイキングコースの分岐に設置された道標は、日本語に加えて、英語、中国語、ハングル語の4カ国語表記の新しい案内板に変わっている。長倉和平さんも頑張っているようだ。

写真上は、祇園山の見晴し台からの鎌倉市街と由比ケ浜の眺め。遠くには富士山も。




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しずおかオンラインで取材編集協力させていただいている観光ガイドブック「まっぷる 伊豆 '16-17」が発行となりました。世界遺産に登録された韮山反射炉をはじめ、三島大吊橋など、最新の話題スポットもくわしくレポート。海あり、温泉あり、美味しいものもたっぷりの伊豆の魅力を満喫できる一冊です。





海野 尚史 HISASHI UNNO

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