【お知らせ】『womo』静岡版6月号と浜松版6・7月号が発行となりました。
静岡版の特集は、この夏に楽しめる「初心者歓迎!音楽ライブ&イベント」。ライブ未経験の方でも楽しめるライブハウスやフェス・イベントなどを紹介しています。


浜松版の特集は、「ビールがとまらない!インパクトグルメ」。夏に負けない、夏だからこそ味わいたいスペシャルな料理を取材・紹介しています。今月も『womo』をチェックして、ぜひお出かけください!









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アメリカの写真家ソール・ライターの回顧展を見に、Bunkamura ザ・ミュージアムに出かけてきました。週末に、渋谷の街を歩くのは久しぶり。静岡にもどって今の会社を創業する前の数年間、道玄坂上にあった編集プロダクションに勤めていた時期があります。喧騒と雑踏にまぎれながら歩いていると、毎日この街を歩いていた頃の渋谷を思い出します。

当時も渋谷の街は賑わっていましたが、変わったと感じるのは外国人観光客の数。今ではスクランブル交差点を見下ろすビルにスターバックスがあり、窓際の特等席は、交差点を行き交う群衆を興味深げにスマートフォンで撮影する観光客でいつも賑わっています。信号待ちが憂鬱になるこの場所が、これほどの人気観光スポットになるとは、当時だれが想像できたでしょう。私たちの日常の中には、未だ発見されていない可能性がまだまだ転がっているものですね。

ソール・ライターの回顧展は素晴らしいものでした。モノクロ作品もカラー作品もどちらも期待を裏切らないものばかり。個人的には、雪が降っている日の作品に魅かれました。

ソール・ライターの作品は、どこか特別な場所で撮影されたものではなく、日常の中に現れる美しい、しかし多くの人が見過ごしている瞬間が切り取られています。会場で流されていた映像の中で「写真は発見、絵画は創造」とインタビューに答えていましたが、その意味がよくわかります。それから、「いちばん良いものが、いつも見えているとは限らない」という言葉も印象に残りました。

ソール・ライター 《足跡: Footprints 》 1950年頃 ©ソール・ライター財団



5月13日(土)から5月28日(日)の16日間にわたるイベント、「シズオカ×カンヌウィーク2017」が開幕しました。今年で8年目の「シズオカ×カンヌウィーク」は、静岡市の姉妹都市フランス・カンヌ市の「カンヌ映画祭」と同時期に開催されるイベント。市内の7つの会場では、映画上映のほか食や雑貨のマルシェ、アーティストによるパフォーマンスが催されます。年々充実しているシズカンのマルシェはオススメです。

さらに今年は、カンヌ国際映画祭70周年の記念ボトルが赤ワインが当たるスタンプラリーを開催。下記7会場のうち2会場を回ってご応募ください。ワインは、ムートン・カデ・ルージュ カンヌ・リミテッド・エディション2014です!

・「womoコラム」【シズカン2017】スタンプラリーで本場の限定ワインを当てよう!
 https://womo.jp/column/detail/24829/

対象会場(下記の中から2カ所でスタンプを集めて応募)
1、登呂遺跡(静岡市駿河区登呂) ※5月13日(土)
2、七間町名店街(静岡市葵区七間町) ※5月20日(土)、21日(日)
3、清水マリンパーク(静岡市清水区港町) ※5月27日(土)、28日(日)
4、静岡シネ・ギャラリー(静岡市葵区御幸町)
5、夢町座(静岡市清水区真砂町)
6、とろろ汁 丁子屋(静岡市駿河区丸子)

詳しくは下記を参照ください。

・「シズオカ×カンヌウィーク2017」公式サイト
 http://www.cannes-shizuoka.jp/
・「シズカンスタンプラリー」参加アプリ
 http://bit.ly/2pEy2dT







新聞によれば2016年度の経常収支は20兆1990億円の黒字となり、過去3番目の大きさ。リーマン・ショック前の水準と並んで、日本経済は緩やかではありますが回復基調にあるのだそうです。にもかかわらず、地元の小規模経営の飲食店さんやヘアサロンさんからは集客に苦心している状況についてお話を聞いたり相談をことが増えている日常では、先のような統計数字を聞いてもどこか違う世界のことのように感じてしまいます。

以前であれば、中央と地方に時差と量差はあったものの、景気の復調と私たちの“気分”には重なる実感があり、財布の紐も連動していたように思います。それがリーマン以降、特に東日本大震災後は、どこか大きなところで統計数値と日常の“気分”は乖離し始め、そして、お金の流れも見えないところに潜ってしまった印象があります。

「私たちの暮らしに何が起きているのか」などとぼんやり考えていたところ、手元に届いた『SERI』5月号(静岡経済研究所)で「盛り上がりに欠ける県内消費を検証する」という特集を組んでいました。これは静岡県民を対象に、今年の2月下旬から3月上旬にかけて実施された個人消費に関する調査(回答数5,845名)。

参考までに検証項目を紹介しておきます(『SERI』2017年5月号より、静岡経済研究所)
 検証1 経済的な苦しさが消費を抑制しているのか
 検証2 欲しいもの自体が減っているのか
 検証3 県民の性格が消費抑制を促すのか
 検証4 不安が消費を抑制しているのか
 検証5 消費行動が抑制的になっているのか
 検証6 レンタル・リース、中古品購入が影響しているのか


その結果がなかなか興味深いものとなっています。
一例をあげると「検証2」では、「半数以上が欲しいものが減った」「4割近くが、選択肢の多さに疲れている」と回答。その結果、静岡県民の4割が「以前よりも買い物がつまらなくなった」。一方で、買い物が楽しいかどうかは、生活満足度に与える影響が大きく、「ここ2〜3年で生活満足度が高まった層の69.3%は、買い物を“楽しい”と感じているのに対し、満足度が低くなった層では“つまらない”が56.5%」と過半数を超えています。そのほか「買ったものはできるだけ使い続ける(73.2%)」や「中古でも買う」については30代以下が82%など「これは時代の大きな変化か?」と思うような顕著な結果が報告されています。

県民総生産の6割を占める「個人消費」は地域経済を支える柱。『SERI』5月号を読みながら、地域消費に力強さが感じられない要因や、現場で起きている変化について冷静に見つめる必要を感じました。



海野 尚史 HISASHI UNNO

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