「始めることよりも、続けることのほうが大変ですね…」。先日ジャムを買いに、久しぶりにおじゃました鷹匠の手づくりジャムのお店「しろくまジャム」さんで、店主の武馬千恵さんの口からそんな言葉が。半年ほど前に武馬千恵さんの
お話を伺ったときに計画していた、県外のお客さまに静岡産の素材で作った手づくりジャムを広げていくためのインターネット販売もスタートして、ますますお忙しそうでした。
今日6月30日は、「しろくまジャム」さんの開店一周年記念日。忙しいながらも、静岡県内の地元の食材や中山間地の情報発信の手段として手づくりジャムを選んだ武馬さんの思いが着実に前進していることと、お店を経営することのたいへんさの両方が、冒頭の言葉から感じられました。地域でどのように展開していくのか、変化を起こしていくのか…、2年目の「しろくまジャム」さんがとても楽しみです。
どのジャムを買おうかと迷っていると、店頭のジャムについて武馬さんがいろいろと説明してくれました。厨房で、大きな鍋を火にかけながらジャムを作っている店主さんが、ちょっと手を休めて、素材の果実や野菜を作っている農家さんの話や、季節のジャムについての相手をしてくれる。そんなやりとりをしながら新鮮な手づくりのジャムを購入できるのは、ちょっと贅沢な気分です。
この日購入したのは、富士宮産の「ルバーブ」のジャム。ルバーブはシベリア南部原産のハーブの一種で、和名は「ショクヨウダイオウ」(食用大黄)というのだそうです。酸味に特徴があって、繊維質が豊富で薬効があり、おなかにもいいそうです。テーブルに、作り手の顔が思い浮かぶジャムの瓶が並んでいるだけで、朝が楽しくなります。
「武馬千恵さん」のインタビューノート
・第1回目 http://interview.eshizuoka.jp/e1600856.html
・第2回目 http://interview.eshizuoka.jp/e1603789.html
・第3回目 http://interview.eshizuoka.jp/e1606688.html
・静岡の街のことなら「まちぽ」↓↓
先日開催された静岡県観光協会創立70周年記念式典で講演されたデービッド・アトキンソン氏の予測では、日本の観光潜在能力は5,600万人(世界第4位、政府はその7掛けの4000万人に目標設定)。英国のEU離脱による円高で、短期的には訪日観光客への影響は免れないと思いますが、中長期的にはデービッド・アトキンソン氏の予測が当たって欲しいものです。
英国人のデービッド・アトキンソン氏は、創業380年の、国宝や重要文化財などの修復事業を専門とする小西美術工藝社の代表に就任したことで話題になりましたが、今ではそれ以上に、ベストセラー「新・観光立国論」(東洋経済新報社)の著者として知られ、日本のインバウンド観光事業推進の旗ふり役として活躍中。もともとソロモンブラザーズ証券やゴールドマン.サックス証券で金融アナリストとして活躍していただけあって、先日の講演でも、数字を根拠にした日本の観光力の分析、稼ぐ観光に関する提言にはリアリティがありました。
そのデービッド・アトキンソン氏によれば、観光立国を満たす4条件は「自然」「気候」「文化」「食事」。さらに、四季や環境(雪、ビーチリゾートほか)などの多様性が加われば、一年を通じて多くの観光客を引きつける可能性が高くなる。外国人観光客数が年間3700万人の氏の母国、英国に対して、フランスが倍以上の年間8300万人もの観光客を引きつけているのも、上記4条件+四季や環境の多様性の違いだとか。そして、日本はそれらの条件を満たす潜在力を持った数少ない国の一つであると説明していました。
2014年の世界の観光客数は11億3300万人。観光産業は、世界のGDPの9%、輸出額の6%、サービス産業輸出額の30%、そして、雇用の11人に一人がなんらかのカタチで関わる大きな産業であり、成長産業でもあります。2000万人の観光客が毎年来て、日本に1週間滞在すれば、年間で40万人の人口が増えたことと同じほどの国内消費額になるという試算もあるほど。
デービッド・アトキンソン氏の話に一貫していたのは、取り組むべきは「稼ぐ観光」。地方が「観光」を産業として成長発展させるためにも、足元の観光動向を計数で把握することが最初の一歩。行政も観光協会も把握していない、地域内の観光者の動向や観光消費の実態を、できるだけ正確につかむことが、いま必要なことだと思います。
しずおかオンラインでは、地元行政と連携して運営している、静岡県中部地区(静岡市、焼津市、藤枝市、島田市)の無料Wi-Fiポータルサイト「
しずぱす」や、東部地域(伊豆・三島)の「
いずぱす」などを利用して、それらの可能性を探ってみたいと考えています。

「トト姉ちゃん」に、いよいよ花山伊佐次こと、花森安治が登場。3年ほど前、このブログに「
『暮らしの手帖とわたし』(暮しの手帖社)を読み進めると、実は、本当に大切なことはみんな大橋さんが決めていて、彼女が用意した環境の中でこそ、花森安治は安心して雑誌作りに専念できたのではないか…」と書いたことがあります。「トト姉ちゃん」ではふたりの関係がどのように描かれるのか楽しみです。
1997年に出版された唐澤平吉著「花森安治の編集室」(晶文社)を、久しぶりに読み返してみました。朝日新聞編集委員の酒井氏が取材にもとづいて書いた「花森安治の仕事」(朝日新聞社)が、外側から見た花森安治と暮しの手帖編集室だとすれば、こちらは、編集部の内側から見た花森安治と暮しの手帖編集室の当時の様子を描いた一冊。
文章のわかりやすさに定評のあった「暮しの手帖」の秘密について。「
やさしく書いたからといって、わかりやすいとはかぎらない。ひらがなにすれば、やさしくなるわけじゃない」「
文章は話すように書け」と口うるさく指導しただけでなく、
文章に底流する意識(「暮しの手帖」のアイデンティティ)の統一にあった、と唐澤平吉氏は書いています。
後者について、日々、どれほど花森安治が心を砕いていたか、最初に読んだ時は印象に残りませんでしたが、今回は、数々のエピソードに共通してその意図が感じられました。それから、編集に携わったことのある人は、意外に思われるかもしれませんが、用字用語の統一よりも、文字の配列の美しさを優先して、漢字やひらかなを使い分けていたそうです。
花森安治と暮しの手帖編集室と似た関係で、わかりやすい文章と媒体に底流する意識の統一に心を配って作っている雑誌があるとすれば…糸井重里氏と「ほぼ日」(乗組員)あたりでしょうか。
以下の言葉は、いまの時代にこそ響くのではないかと思いました。
「大根とヒジキと油揚げの煮付けといった、どこの家庭でも食べる日常的なものをすこしでもうまく作る。そのほうが一見シャレた料理をカラーでのせるよりも、はるかに暮らしにプラスする、と僕らは考えています。こうして、一つずつつつみかさねてゆけば、やがて暮らしを変えていくことになりはしないかーーこういう期待を持っているわけなんです」
ー 一軒の家の味噌汁の作り方を変えることは
一つの内閣を倒すよりもむつかしいー
花森安治「民主主義と味噌汁」
・「ジブン防災 静岡」 私たち と 日赤さんって、どんな関係?【vol.1】

【お知らせ】
「ランチパスポート」静岡版、西部版が、本日同時発売となりました。
「ランチパスポート」は、700円以上(なかには1200円以上のものも)のランチメニューをすべて500円(+税)で食べることができるオトクなパスポートです。一回につき、200~300円ほどの割引になるので、3~4回ランチを楽しめば、本代の元がとれます。
財布にやさしいことに加えて、気になっていたけどこれまで入ったことのないお店や、夜に行きたいお店の雰囲気をランチを楽しみながら体験することもできます。「ランチパスポート」静岡版、西部版を、ぜひご利用ください。
・利用期間:6月23日~9月22日(3ヶ月)
・期間中、全店舗で3回ずつ使用可能
・テイクアウト専門のメニューあり
・価格 1,000円(税込)
駿府城公園の紅葉山庭園内にある茶室「雲海」で開催された茶禅の会に参加しました。「雲海」は付け書院のある数寄屋造りの茶室で、広間は8畳。木と畳の香りが漂う空間は、何度来ても清々しい気持ちになります。
広間と庭の間にある畳敷きの入側は開放感があって、大好きな場所のひとつ。ここからの眺めは季節が身近に感じられて気もちいい。「そのままここで昼寝したいなぁ」と、いつも思ってしまいます。
最近では、駿府城公園あたりでも外国人観光客を見かける機会が増えましたが、巽櫓だけでなく、紅葉山庭園の茶室も外国人観光客におススメしたいスポット。第3日曜日に開かれる「羅漢の会」の茶会は、誰でも予約なしで体験できるそうです。
今回の茶禅の会はM先生による「水無月の茶会」という趣向。お軸の文字は「源深流自遠」、鮎のおとり篭の花器に屋形船 の香合、そして菓子は「夏越の祓」にちなんで水無月をいただきました。冒頭、M先生から、水無月の「無」は神無月の「な」と同じ連体助詞の「な」で、「水の月」という意味ですよ、と念押し?のお話が。 ほかのみなさんはご存知だったようですが、わたしははじめて知り、すっきりした気持ちになりました。
・静岡市の無料Wi-Fiと観光情報を五カ国語で発信!「しずぱす」
昨日は、しずおかオンラインの社内研修会を開催。「自分が新規事業の担当者に任命されたときに、どのように事業計画を立てるか」を学ぶワークショップを行いました。6つのチームに分けて商品設定と営業戦略、戦術を中心に議論。限られた時間でしたが、予想を超えて様々なアイデア、意見が出て、これまでの社内研修の中でも、もっとも盛り上がった研修のひとつだったと思います。
4月入社の新入社員たちが、自分の意見をしっかり表現できていたこともうれしい。わたしがいうのもなんですが、研修会場を見渡しながら、“ひとりひとり個性も力もある素晴らしい仲間が集まっている“”と実感しました!マネージャーのみなさんには、業務を通じて若手社員の力を引き出し、成功体験と成果につながる指導をお願いします。
昨日は、「ニーズ」「ウォンツ」「シーズ」の中の、主に「ウォンツ」についての議論が中心に議論しましたが、事業を検討する際にもうひとつ重要なことが収支計画の作成。参入する分野の市場成長予測と獲得するマーケットシェアを設定し、収支予測を立て、投資のサイズとリターン、リスクなどを検証することになります。機会があれば、昨日の議論の内容を数字に描くワークショップも開催してみたいですね。
企画してくれた研修委員会のみなさん、お疲れさまでした。
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しずおかオンラインでは、この夏もインターンシップを開催します。
詳しくは下記「採用担当者ブログ」をご確認ください ↓ ↓
静岡県観光協会の創立70周年記念式典に出席しました。写真は、「ふじのくにしずおか観光大賞」に選ばれた「
藤枝おんぱく~藤枝温故知新博覧会」、奨励賞の伊豆の国市「
ライド&ライド狩野川」(旧狩野川百キロサイクリング)、掛川市の「
ゆるゆる遠州ガイドライド」、富士市の「富士山しらす街道事業」のみなさん。
長い間、「アゴ」(飲食)、「アシ」(交通)、「マクラ」(宿泊)の三業種が、日本の観光業界の主要産業でしたが、今回受賞されたみなさんは、いずれも体験交流型観光の推進に尽力されている方々。外国人観光客に日本観光のリピーターになっていただき、京都や東京などの観光地から静岡県をふくむ地方に足を伸ばしてもらうためにも体験型観光商品の充実が求められています。
最近は、駿府城公園近くを観光しているらしき外国人の姿を見かけることも増えました。静岡市での滞在時間を増やすためにも、巽櫓と紅葉山庭園を見学した後に案内できる受け皿が増えてほしいものです。
・静岡市の無料Wi-Fiと観光情報を五カ国語で発信!「しずぱす」