その瞬間

朝、ラジオのスイッチを入れると、フィービ・スノウの「Poetry Man」が流れてきた。大学に入学したての頃、フィービ・スノウのファースト・アルバム「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」を初めて聞き、「こんな音楽を聴きたかったんだ」と、大発見でもしたかような気分になったことを、今でも覚えている。

朝のコーヒーを入れ、ブルーズ・ジャズ・フォークの香りがブレンドされた、彼女の懐かしい歌声に耳を傾けながら、とても自然に「…きっと彼女も亡くなったんだ」と思う。曲が終わり、ラジオのパーソナリティが、やはりフィービ・スノウがこの4月に亡くなったことを告げた。追悼曲を聴きながら、その曲に出会った頃を思い出す。自分の年齢を意識するのは、そんな瞬間だったりする。

午後からは、元社員で今も一緒に仕事させていただいているKさんの結婚式に出席。友人のイラストレーターTさんにお願いして、彼女のポートレートを贈ることにした。幸いなことに、ポートレートの中に彼女を封じ込める瞬間に立ち会わせていただいた。10年後でも、20年後でも、ポートレートの中では、いつでも、その瞬間の彼女がやさしく微笑んでいる。ご主人も喜んでくれるとうれしい。お幸せに。
その瞬間


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海野 尚史 HISASHI UNNO

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