
1930年創刊のアウトドア雑誌の草分け的存在、月刊『山と渓谷』
11日、インターネット関連出版で成長してきたインプレスホールディングスが、アウトドア関連の老舗出版社「山と渓谷社」を買収すると発表した。はたして、ネット系出版社とアウトドア専門出版社の組み合わせで、どんな展開が考えられるのか。
先月、たまたま同じインプレスグループの株式会社インプレスR&D社社長井折昌信氏から同グループのクロスメディア戦略について話を聞く機会があった。
http://www2.eshizuoka.jp/img/unno/2006/09/20.html
クロスメディア戦略の第1のポイントとしてあがっていたのが「特定テーマの専門メディアを目指す」。広く、浅い情報はマスコミの領域、またはグーグルで検索すれば十分。インプレスは、特定テーマに絞り込み、深く体系だって解説することで出版のクロスメディアを活かしていく。これだけでは、具体的なイメージはつかみにくいが。
あらためてインプレスホールディングスの会社概要を見てみると、「IT」「音楽」「デザイン」「医療」を主要テーマに、独自の専門性を発揮した事業活動を展開するとしている。
そしてすでに、DTPおよびデザイン関連出版事業の出版社「株式会社エムディエヌコーポレーション」、理工学専門書出版の「株式会社近代科学社」、音楽関連出版の「株式会社リットーミュージック」などがグループ企業となっているではないか。
http://www.impress.co.jp/index2.htm
ここに、新たに「アウトドア」関連出版の「山と渓谷社」が加わるわけだ。今後は「ウェブサイトや携帯電話向け情報配信を強化する」としているが、これをきっかけに「山と渓谷社」が息を吹き返せば、他の専門出版社にも大いに刺激となるに違いない。
余談だが、松岡正剛氏が取締役所長をつとめる株式会社編集工学研究所も、同グループの一員になっている。