今日は久しぶりのアカデミーヒルズ。『
明日の広告』(アスキー新書)の著者さとなお氏が、「ソーシャルメディア時代のコミュニケーション」と題してご登壇。 ソーシャルメディア時代の企業と顧客の関係というこれからますます重要になるテーマについて、さとなお氏自身の考えを直接聞いてみたいと思い出かけてきました。もうひとつ、さとなお氏がどんなプレゼンテーションをするのか、にも興味がありました。
AIDMA→AISASを経ての、共感を背景にした新生活者消費行動モデル「
SIPS」の話がキモだったのですが、「SIPS」については近々正式にリリースがあるといういうことで、それまではツイート禁止令が出ましたので、ここでは触れません(笑)。
ポイントは「ソーシャルメディア」の登場により、企業と顧客の関係にどんな変化が、どれほど大きく起きつつあるか、というお話。その一方で、さとなおさんが所属する大手広告代理店D社においても、「ソーシャルメディアはお金にならない」という現実もあり、社内でのソーシャルメディアに対する反応はイマイチ、みんな勉強をしていない、という話が興味深い。これは日本を代表するD社に限らず、旧来の広告代理店やメディア業界においては共通の課題ではないかと思われます。残念ながら、弊社においても…。
旧来のマスメディアや広告代理店の動きの鈍さに対して、「生活者がそこ(ソーシャルメディア)にいる」限り企業は無視できないということで、最近ではクライアントの担当者の方が勉強熱心のようです。
今日のお話では、ソーシャルメディアについていえることは、透明性(隠すことがリスクになる)、社会貢献が問われる、生活者の本音に対する傾聴…が大事になる。さらにツイッターにおいては、単なる情報はもちろんのこと、共感されない情報は価値を持たない。一方で「価値+共感」を持つ情報は、たとえフォロワー数が少ない人からも人づてに勝手に流れていく。「人というフィルター」を通じて「価値と共感を綴った情報」は伝播していく。
大勢の人にモテようとするのではなく、ひとりの人に愛される(コミュニケーションを大事にする)ことを目指す…ことが大切というさとなおさんのお話は、とてもわかりやすいものでした。ブランドストーリーを持つこと、みんなに好かれようとしないこと、顧客を裏切らないこと、目線をユーザーより下げること。
簡単なようですが、実際に徹底することは難しいことばかり。さらに、情報発信の主導権は、明らかに生活者に手渡されたということがよくわかりました。
つい先日までは、メディアを通じて情報を知り、口コミサイトなどで評判を確かめていたのに、今では、先にソーシャルメディアなどで評判を伝え聞いて、その後で検索やメディアを通じて確かめる…そんな時代に突入しています。検索エンジンも新聞や雑誌も、興味関心を醸成する役割から、情報の確認のための利用に移りつつある。
そういえば、自分自身もツイッター等を始めてから、検索エンジンに頼る回数が随分と減った気がするなぁ。それに、ひとりの人に愛される、愛され続けることの大切さとコミュニケーションがいかに必要かも、最近ようやくわかりかけてきた…?(笑)