ギズモード・ジャパンや
ライフハッカー日本版を運営している
株式会社メディアジーン代表・今田素子さんの「ブログメディアの最新事情」についての話を聞きました……▼今田さんといえば、メディアジーンの関連会社でインフォーバーンCEOの小林弘人氏とともに
『ワイアード日本版』や『サイゾー』などを立ち上げた生粋の出版人。
出版界が始めるウェブメディアがことごとくコケてきた中で、小林・今田組の活躍は目覚ましい(とぼくは思っている)。
米国および世界11カ国で運営されるテクノロジー製品情報ブログ・メディアである日本版「ギズモード」は2年目にして軌道に乗り、同じく米国のブログメディア運営会社Gawker Media社と提携して2008年7月14日から運営開始された「ライフハッカー」は、最初の1ヶ月で180万Pvという順調な滑り出しをきっている。
2時間ほどでしたが、ウェブメディアを運営するうえで参考になる中身の濃いお話でした。
“もともとターゲットメディアであり、コミュニティを組成するメディアであった”雑誌”はウェブと愛称がいいはずなのに、出版社はなぜウェブに進出できないのか、進出しても失敗してしまうのか、という理由のひとつに今田さんは、
「出版人はウェブの機微や言語を理解していない」
を挙げていた。
理解しないのか、しようとしないのか、わかりませんが
雑誌編集者など出版業界の方と話をしている時に、
原稿やデザインの“質”へのこだわりとあわせて、
まれにですが“プライド”やそれに類する強い思いを語る
場面に出くわすことがあります。
私の場合は、そのような方との仕事は、正直やりにくい。
“プライド”という言葉が発せられた時点で、
変化を受け入れる扉が閉ざされてしまった気がするのです。
できない、やりたくない言い訳のような…。
僕の好きな音楽家の細野晴臣が、以前インタビューで
「プライドは仕事の邪魔はしても
作曲してはくれない…」
と語っていました。
ぼくも同感ですね。
プライドが仕事をしてくれるわけではありません。
気持ちの奥底に「プ…」という言葉が出かかったら、
冷静になって「グッ」と飲み込まなくては(笑)
今田さんが小林氏と一緒にインフォバーンを立ち上げて10年。
「わたしは“紙”を捨てるのに9年かかりました」
と告白した今田さん。
“紙”というのはもちろん雑誌媒体のことであり
出版人から足を洗う、ということだと思います。
彼女のこの言葉が、心に重く響きました。