2011-07-19 米国西海岸縦断 「ずっと眺めている…」

 朝5時30分、車窓から朝日が差し込み目覚める。「HoSoNoVa」を聞きながら、日の出を待つ。

 コーストスターライト号は深夜にカリフォルニア州に入り、早朝4時頃Chico駅を通過。後1時間も走ればサクラメントである。出発から約20時間、1300キロ走ったわけだ。

 20時間も何をして過ごしていたか?
 陽気なアメリカ人たちから東日本大震災の見舞いの言葉をかけてもらったり、なでしこジャパンの優勝をお祝いしていただいたり、思い切り会話を楽しんでいた…などというよくできた話はなく、寝ている間以外はラウンジでずっと車窓の風景を眺めていた。

 はっきりいって、私は電車の車窓から、流れていく風景を眺めているのが好きなのである。なぜか飽きない。右に左に曲がったり、信号待ちで急停車したりするクルマの移動はせわしなく、離陸と着陸地点の点と点だけが記憶に残る飛行機では、途中の風景はカットされてしまう。もちろん、クルマならではのスピード感、移動の軽快さや自由さや、飛行機ならではの世界を俯瞰するようなダイナミックな風景の魅力は否定するものではありません。

 一つの方向に向かって一定のスピードで走っていく列車の車窓からは、森や湖、川、町並み、牧草地帯、ハイウェイ、草原、走るクルマ、遠くの山々etc…次々と新しい風景が飛び込んでくる。そしてこれも大事なのだが、この列車は長距離列車のクセして、とにかくのんびりしているのだ。草原の真ん中で止まっているんじゃないかと思うくらいのスピード感がいい。夜中に目覚めたら、本当に止まっていたこともあった(何してたんだろう?)。新幹線を想像していただいては困るのである。

 「ずっと眺めていただけ」ということを書くのに力が入りすぎて、ただの強がりのようになってしまったw。会話については、また機会があったら書きます。

2011-07-19 米国西海岸縦断 「ずっと眺めている…」

就寝中の座席車両の様子。リクライニングできるけど、やぱり長時間はつらい。
それにとても寒い。毛布やらシュラフを持ち込んできる人も多い。なぜか誰もカーテンは閉めない。

2011-07-19 米国西海岸縦断 「ずっと眺めている…」

サンフランシスコまで2時間ほどのDavis駅で朝6時50分時頃に停車。
このあたりまでくると駅舎もスペイン風。

2011-07-19 米国西海岸縦断 「ずっと眺めている…」

対岸にベイブリッジが見えてきた(写真右奥)。

2011-07-19 米国西海岸縦断 「ずっと眺めている…」

Emeryville駅でアムトラックの連結バスに乗り換え市内に入る。
ベイブリッジの上から見えるサンフランシスコ市街。


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