
朝9時45分、サウスバウンド(南行き)・コーストスターライト号はシアトルからロスアンゼルスに向けて出発。事前に調べたところでは、アムトラックのダイヤの遅れは日常茶飯事ということだったので、そんなことも想定していたが定刻通りの出発…「やればできるじゃないか」とも思ったが 、さすがに始発駅からいきなり遅れたらマズいだろう。
シアトルからKekso駅あたりのワシントン州内は、森林と沼地、川などの風景が続き、タコマ付近では「タコマ富士」として知られるマウントレーニエ(4392m)も見える。コーストスターライト号という名前からしてカリフォルニアの青い海と晴れ渡った青空の下をさわやかに走る光景を想像してしまうが、実際に海が見えたのは出発して1時間程だった。
出発して4時間ほどして、オレゴン州の州都であるポートランド・ユニオン駅に到着。ここで25分ほど停車。列車を降りて、まだ全貌をみていなかったコーストスターライト号の先頭まで歩いてみる。遠…い。
私は鉄道マニアではないのでよくわからないが、先頭車両の脇腹に貼られたプレートには、GE製のディーゼル機関車「ジェネシス」と明記されている。モデルはP42DC、4250馬力、1997年製、重さは268/268(トン?)…だからどうした、といわれてもわたしも困るのだが。知りたい方には、シリアルナンバーもお教えすることはできます。
ポートランドを出発し、オレゴン州からはカスケード山脈沿いに南下。草原や牧草地帯が広がり、途中、いかにもアメリカの田舎町と行った風情の町並みに出くわす。スティーブン・キング原作の映画「スタンド・バイ・ミー」の主人公であるゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人の少年たちが、今にも顔を出しそうな、そんな田舎町である。森の奥で列車にはねられた死体を見つけに、線路づたいに死体探しの旅に出る…あの映画の中の街や森、川、そして線路…リバー・フェニックスを思い出してしまう。

見渡す限り牧草地帯や穀物畑が広がる。延々と続く地平線がいかにも大陸的。

出発して約3時間、ワシントン州のKelso-Longview駅。
レンガ造りの駅舎。あと1時間ほどでオレゴン州だ。

走り出してすぐにラウンジは人でいっぱいに。

乗車して最初の食事時。食堂車にもお客がちらほら集まってきた。

乗車中ずっとPCでアメリカのコミックを読んでいた女の子二人組。ほとんど会話もなく
8時間以上も同じ体勢だったのには驚いた。それをチェックしている自分にもあきれるが…。
乗車にあたって水1L、コーヒー替わりに「ス」のボトルタイプ・フラペチーノモカ(スーパーで缶コーヒーは見当たらなかった)、リンゴ2個、パン、菓子類などを持ち込んだが、車内には無料のコーヒー、水、ジュースがあり、売店ではひととおりのものは販売していた。
腰痛重。