鱒釣り

鱒釣り
何の計画も立てないまま、GWに突入。
たとえ一日でも、予定がないのは清々しい気分。
少し前までなら予定がないというだけで、
きっと落ち着かなかったに違いない。

時間はあるので、この機会に中沢新一の
『カイエ・ソバージュ』を読もうと書棚に手を延ばしたのだけど、
ぼくの手が掴んだ本は、リチャード・ブローティガンの
アメリカの鱒釣り』だった。

表紙は、サン・フランシスコのワシントン広場、
ベンジャミン・フランクリンの銅像の前に立つ男と綺麗めな服を着た女性の写真。
自信ありげだけど、友達にするには扱いづらそうな男がブローティガンだ。
スレンダーだけどお世辞にも美人とはいえない(薄幸な雰囲気の)女性と写る
表紙は、何度手にしても見入ってしまう。

ブローティガンが連れて行ってくれる47編の鱒釣り奇譚は、
シュールでつかみどころのない妄想と開放感が漂っていて、
予定のないGWにはぴったりの一冊だった。
ただし、そこかしこにある太公望向けの釣りガイドではないので、
くれぐれもご注意を。


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