騒弦であがた森魚の「サルビアの花」
40名ほどの客席の真ん中で、マイクを通さず生ギター1本で歌うことは「今日的(こんにちてき)には最高のぜいたく」と語りかけるあがた森魚さん(中央)。手軽な複製文化が蔓延する昨今、ライブやイベントなど、その場限りの時間を共有する体験はたしかに貴重。それからあがたさんは、ライブ会場に入る前に「久しぶりに来たけど、静岡はいいところだよ」と家族に電話をかけたとも。静岡人としては、うれしいですね。会場では、偶然にもぼくの前に山本起也監督、お隣にKANA ENDOさんが。半分ほどの演奏しか聴けなかったけど「サルビアの花」を聴けたから満足。

書評家で古本ライターの岡崎武志さんのブログを読んでいたら「早川義夫『たましいの場所』(名著です)」と書いている。品切れという晶文社版が書棚にあったはずと探してみるが見当たらない。最近ぼくの書棚から勝手に本を抜いていく輩がいて、書棚が歯抜けになっていく。困ったものである。「サルビアの花」はもともと誰の歌だったかとネットで調べてみたら、早川義夫が作曲していた。なんという偶然。ジャックス解散直後に発表したソロ・アルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』に収録されている。

早川義夫は1972年から音楽活動を休止して、川崎で早川書店という本屋さんを経営していた。晶文社からは「就職しないで生きるには」シリーズの第1弾として『ぼくは本屋のおやじさん』という本も出している。こちらもいい本。「就職しないで生きるには」シリーズは、就活中の学生さんにおすすめ。


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