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電子書籍スタートガイド」の執筆者である大石直哉さんたちと開いている読書会。今回は、『
ビッグデータの衝撃』(城田真琴著、東洋経済新報社)をテキストに開催しました。読書会の冒頭で、大石直哉さんが運営しているクラウドサービス「
BeatCaster」が話題となった。これは、Twitterで今聴いている音楽をつぶやく際に使うハッシュタグ「#nowplaing」をつけられている楽曲データを分析して、人気度を可視化するアプリである。
今Twitter上でみんながどんな音楽を聴いているのか、週刊ランキングで表示している。ちなみに10月7日〜13日週にもっとも聞かれていた曲は、ClariSの「ルミナス」だそうである(画像上)。2位は、きゃりーぱみゅぱみゅの「ファッションモンスター」。
大石さんによると、
AKBは1位をとれないのだそうだ。「本当?」と疑う人もいるかもしれないが、過去のデータがAKBの限界を示しているのだという。大石理論を補強するように、『ビッグデータの衝撃』で紹介されていた「
一個人のセンスよりも数千万人のデータを信じる」というグリー社の言葉が説得力を持って感じられるのだ。
Google追加検索語の候補表示やFacebookの「もしかして知り合いかも?」の精度も、ビッグデータのおかげである。先日どこかの調査で「生活者は自分で判断をしなくなった。与えられた情報に判断を委ねる傾向が強くなっている」とレポートされていたけど、ユーザーの行動履歴を分析し、類似する他のユーザーの購買履歴と照合して適切な商品を推奨するアマゾンのレコメンドシステムなどは、たしかに判断を委ねたくなるほど精巧である。
ところで、マクドナルドのケータイクーポンは利用されているだろうか。これもあなたの(一人ひとりの顧客の)属性や購買履歴に合わせて、あなたに最適と思われる割引クーポンが配信されている。自分に配信されるクーポンと、お友達に配信されているクーポンを比べてみるのもおもしろいかも…である。イオンやマックスバリュー、アピタなどのレジクーポンに小さく「カタリナマーケティング」と印字されていたならば、それも「あなただけ…」なのである。