
今朝は、5時起床。 広い寺の中も外も暗闇に包まれている。
振鈴が走り抜けたらさっと起きられるように、
10分前ほど前から布団の中で楽しみに身構えていたのに
なぜか寺の中は静まりかえっている。
修行僧は、振鈴以前に起きて私事をしてはいけないのだ。
5時を15分ほど過ぎても、人の気配がない。
部屋でじっとしている間に、いろいろなコトを見逃してしまうのではないかと心配になり、
合図もないのに、着替えて、顔を洗い、真っ暗な廊下を歩いて本堂へ向かう。
すでに本堂には、わたしと同じにわか修行僧たちが集まっていた。
寒い中、静まりかえった本堂の畳に座り、しばらく待っていると遠くから
「カランカラン」という金属音が聞こえてきた。
蝋燭の明かりが灯る薄暗い本堂の大広間に、突然、若い修行僧が現れたと思ったら、
振鈴を大きく振り大音響をたてながら広間の西から東へと走り抜けていった。
畳の上を全速力で走る坊さんの実物を見たのは、今日が初めてである。
まさに、ドップラー効果を絵に描いたような場面だった。
この週末は、袋井市の古刹観福寺、可睡斎、油山寺、法多山などを訪ね
一泊二日で修行僧のお勤めを体験した。
昨日は、観福寺でお坊さんになる儀式「発心式」を行い、作務衣に着替え、
曹洞宗のお寺可睡斎で、寺の中での参禅にあたっての作法と約束事を指導していただいた。
修行道場内で必須の作法である「叉手(しゃしゅ)」「合掌」「低頭」の型や歩き方は
もちろんのこと、座禅や作務(掃除)、写経も体験。仏像についても学ぶ。
昨晩は、そのまま「可睡斎」に宿泊したのだ。
朝5時過ぎから広い本堂で大勢の僧侶と一緒にお経を読み、
引き続き御真殿での祈祷は身が引き締まる体験でした。
祈祷が終わった頃には、外もうっすらと明けてきた。
こんな具合に長々と書いていると月曜の朝も白々と明けてしまいかねないので、
週末修行僧の報告はここまでとさせていただきたい。
最後に、可睡斎でいただいた客用の精進料理(昼)と修行僧の薬石(夕食)、
小食(朝食)が、ことのほか美味しかったこと、本物の修行僧たちとの会話が楽しかったこと、
油山寺のるりの滝で冷たい滝水に加えて観光客のフラッシュも浴びながら
体験した滝行に本気でめげそうになったことは、お伝えしておきたい。
上の写真は、初日に可睡斎奥の院前の「六の字穴」から見た夕景。