週末から読み始めていた『
フェイスブックインパクトーつながりが変える企業戦略』(宣伝会議)を、ようやく読了。フェイスブックのマニュアル本ではなく、「フェースブックで何ができるのか」「企業戦略やマーケティングにどう活用できるのか」という、企業における有用性に視点を置いて書かれている。本書は、明日の夜に予定しているOさんとNさんとの勉強会で使うテキストということで読み始めたのですが、なんとか間に合ってよかった。
本書の中では、フェイスブックを含めたソーシャルメディアの定義を、
(1)ソーシャルグラフの形成・反映がサポートされている
(2)誰がその情報を発信したのかが明確であること。ユーザー同士が交流できること。
としている。
フェイスブック、ツイッター、ミクシィ、ウィメンズパークなどは、(1)(2)ともに備えているが、クックパッドは(2)は対応しているが(1)には対応していない…というように。曖昧になりがちなソーシャルメディアを整理する上で、わかりやすい。
「そこにみんながいるから」という理由で伝播していくソーシャルメディアの中でも、実名性をとっているフェイスブックは、現実社会の人間関係を反映しやすいので、よりネットワーク外部性が働きやすい。
情報の編成権が、企業から消費者へ移行しつつある中で、情報を一方通行でしか伝えられないマスメディアは、自社の商品に興味や関心を持ててもらえていない潜在顧客にスルーされてしまう可能性が高い。一方、ソーシャルメディアは、潜在層の可視化、育成、コアファンへの育成のツール(コミュニケーションプラットフォーム)として機能する。
価格ドットコム、@コスメ、食べログなどのアーカイブされた口コミ情報サイトは、ニーズが顕在化した後に比較検討される場であり、高価格、嗜好性高、専門品、比較検討の長い商品との相性が良い。そこでは「何が」が重要。
フェイスブック、ツイッターなどのフローで流れる口コミ情報サイトでは、ニーズを顕在化させる装置として機能し、低価格、一般消費財、購入頻度高い商品との相性が良い。そこでは「誰が」が重要になる。(以上、本書より)
など、フェイスブックだけでなく、他のソーシャルメディアとの機能の違いや、企業のマーケティング活動の中でどう位置づけたらよいのか…など、本書は参考になると思います。
「フェイスブックのニュースフィードを見ている人には、明確な疑問や問題意識はない。ただ単にみんなは何をやっているんだろうという、友人の行動にたいしての興味があるだけだ」
…ということなのだけど、友人の行動に対する興味の背景にある動機は何なのだろう?
本書の本筋ではないかもしれないが、そんなところが気になる。明日、お二人に聞いてみよう。