先週、京都と滋賀に出かけた際、2年ぶりにデザイナーのKさんと会った。
Kさんは、わたしが創業した出版社フィールドノート社で初めて採用したデザイナー。
入社は、たしか設立2年目。数年間一緒に仕事をしてからドイツのデュッセルドルフに移り
日本人向け情報誌のデザインの仕事を経て、5年前から京都で活躍している。

久しぶりに食事でもということになり、Kさんが案内してくれた
京都・祇園の「田むら」というカジュアルなフレンチのお店へ。

「昨年から○○家(某茶道流派)の雑誌のデザインを、
編集者のご指名で担当することになったんですよ」
と、Kさんはうれしそうに報告してくれた。

5年前、京都に引っ越した時にお世話になった不動産屋の奥さんの紹介で
Kさんはお茶を習い始めた。以来月3回の日曜日は、
かかさずお茶に通っているのだという。

そして今回めぐりめぐって担当することになった仕事が、その流派の雑誌。
好きで、興味をもって続けていると、そんなこともあるのですね。

もちろん偶然による要素が大きいのでしょうが、
Kさんの仕事をどこかでみていた編集者が、その仕事を評価して、
自分の担当する雑誌のデザインをKさんに任せてみようと、決めたわけで。

「好き」なら必ずいいことがある…というものではありませんが。
でも、趣味でも、仕事でも、「好き」の熱意は、
アウトプットに影響を与え、相手に伝わるもの。

そういえば、わたしが東京で編集修行をしていた時に
一緒に机を並べて仕事をしていたデザイナーRolling阪本氏は、
フォークシンガーの加川良さんが、俺の歌の原点だとよく話していた。
そして、いまでは彼も加川良さんの仕事をしている。

当時もいまも歌い続けるシンガー・ソング・デザイナー・Rolling阪本氏。


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