仕事関係の本は、往々にして「興味はあるけど、自分に内容を理解できるかな」と思いつつ読み始めることになる。一方で、目的が「自分にない知識やスキルを学ぶ」「情報を得る」と、はっきりしていることが多いので、読後の手応えは白黒つけやすい。
問題は、これだけ世の中の変化が多様で、スピードが早いと、自分ひとりであれこれ手を付けても、中途半端で独りよがりな理解のまま、知ってる気分に落ち入りがちなことだ。
昨年秋口に出版された『
コトラーのマーケティング3.0〜ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)を読まなくちゃ、と思いつつしばらく積ん読状態だったところに、暮れに約1年ぶりに出会った
N君から「『コトラーのマーケティング3.0』の勉強会をやろうと思っているんです」と聞いて、飛び入り参加させていただいた。まさに、渡りに船(笑)。
その第1回目が、今日の夜、開催された。参加者は3名。ファシリテーター役をお願いしたOさんのおかげで、期待以上に充実した勉強会になりました。内容の理解(もちろん、われわれ3名の勝手な解釈であって、コトラーさんの本意かどうかは保障なし)はもちろんですが、同じ言葉から受けとめるそれぞれの理解の違いに気づけたことも、今日の収穫。
もうひとつは、マーケティングを含むビジネス書の多くはアメリカの翻訳書が多いわけで、本来の言葉の持っている意味が、はたして日本語に訳した時に、日本人にきちんと伝わる言葉に置き換えられているのか、という疑問に自覚的になれたことも。
日常的に使っている「キャラクター」という言葉の受けとめ方さえも三者三様だった。「キャラクター」とは、ブランドのアイデンティを具現化したアイコン?個性?人格? 「インテグリティintegrity」にいたっては、言葉の定義さえ、なまなか上手く日本語化できなかった。
とはいえ、一人で読んでいたら、読みやすいところだけを読み進んで、都合良くわかった気になっていたことだろう。そして、難しところはスルーしてたんじゃないかな。間違いなく(笑)。約2時間ほどの勉強会で読み進んだのは70ページほどでしたが、なかなか新鮮で充実した時間でした。
終了後のささやかな新年会で、「こむずかしい話題ができる場がほしかった(笑)」とN君が喜んでいたのもよかった。