仲俣暁生さんが自身のブログ「
海難記」で紹介していた、下北沢の喫茶店kate coffeeが発行しているフリーペーパー『
kate paper』が手元に届きました。『「1984年」から遠く離れて』というエッセイを仲俣さんが寄稿していることを
ブログ「海難記」を読んで『
kate paper』のことを知ったのですが、さっそく問い合わせてみたところ一冊送ってくれました……▼手元に届いた『
kate paper』は、B5版64P。8ポイントほどの小さな文字が、1行29文字54行の横2段組みで、びっしりと組まれています。
ざらっとした紙の質感と軽さ、中綴じのシンプルな製本、2色と1色のインクに少しクリームがかった紙色の愛称がよく、清潔感と作り手の意志が伝わってくるデザイン。
巻頭に、『
dictionary』というフリーペーパーを発行している桑原茂一氏と、出版業界紙『
新文化』の石橋毅史編集長のロングインタビューが2本。二人のインタビューでは、雑誌というメディアは、作り手も読み手も、自立した個人と個人のためのものであり、いまは「個のあり方」そのものが問われている、と語られています。「個のあり方」と聞くと、村上春樹のエルサレム賞でのスピーチを思い出しますね。
ほとぼりが冷めるまで読むのは止めておこうと思っていた『1Q84』ですが、仲俣さんのエッセイ『「1984年」から遠く離れて』を読んで、さっそく撤回させていただきます。