日本平の舞台芸術公園にある野外劇場「有度」で、「
ふたりの女〜唐版・葵上〜」を観てきました。「
ふたりの女〜唐版・葵上〜」の演出は、SPACの芸術総監督でもある
宮城聡氏、原作は唐十郎です……▼開演は夜の8時。3回予定されている公演の初日ということもあってか、思いのほか多くのお客さまが来ていてとても盛況でした。地元静岡以外にも、駐車場には他県ナンバーのクルマも多く、東京からは直行バスも来ていたようですので、県外からの来場者も多かったのではないかと思います。
79年に初演され、いまとなっては古典と呼べる作品を、宮城聡氏が現代劇としてどのように再解釈し、新たな命を吹き込んでみせるかが、今回の「
ふたりの女」の見どころ。
宮城演出はみなさんにもぜひ見ていただくとして、有度山の山間に設けられた野外劇場は、「ふたりの女」の狂気を描くにはまさにうってつけの会場だったと思います。
アオイと六条の「車争い」の場面は、富士スピードウェイのレースに置き換えて描かれていました。2009年の今となっては自動車レースは時代遅れに映りますが、原作が書かれた70年代においては日本の経済成長の象徴として、今とは違った輝きをもって映ったのでしょうね。
上演終了後に場内に紹介されたのですが、ぼくの席のすぐ後ろに原作者の唐十郎氏が来ていた、というサプライズもあった夏の夜でした。