4月に読んだ
濱野智史(情報環境研究者)の著作『
アーキテクチャの生態系』の中で「環境管理型権力」という概念にであったところに、東京都足立区が21日から若者だけに聞こえる「モスキート音」で、公園にたむろする若者を撃退、という
新聞記事が……▼規制される側がどんな考えや価値観の持ち主であろうと、
技術的に(物理的に)行為を制限することができる。
さらに、環境の中に折り込んでしまうことで
その規制の存在を気づかせることもない。
先日読んだ『
アーキテクチャの生態系』の中で
触れられていた「環境管理型権力」そのままのことが
現実社会で、しかも行政主導で導入されたことに
驚きながら記事を読みました。
一部コンビニやファストフード店(こちらはモスキートではなく、
長居できないような固く居心地の悪い椅子など)など、
実は多くの実生活の場面で「環境管理型権力」の導入が
増えつつあるようです。
「規範」や「法律」ではなく、規制される側が
その規制(者)の存在自体に気づかないままに
密かに行為の可能性をコントロールされる。
「環境管理型権力」については、
濱野氏の「情報環境ノート」(WIRED VISION)で
飲酒運転を例にわかりやすく説明しています。
http://wiredvision.jp/blog/hamano/200705/200705231549.html
『アーキテクチャの生態系』
―情報環境はいかに設計されてきたか
著 者:濱野 智史
出版社:エヌティティ出版