上野の東京都美術館で開催中の
「フェルメール展」へ。三十数点しか現存しないフェルメール作品のうち7点を一堂に見ることができる機会は、自分の生きている間には、もう二度とないだろう(笑)……▼1974年の
「モナリザ展」でのお祭り騒ぎ(古ッ)を想像してそれなりの覚悟で出かけたのですが、それほど待たされることなく入館できました。フェルメールについてはみなさんのほうが詳しいと思いますので、ここでは書きませんが、実物を見た印象をひと言でいうとすれば、
「絵の中から光が漏れていた」
(不思議ですが、本当にそう見える)
カレル・ファブリティウス、ピーテル・デ・ホーホ等のデルフトの画家たちの絵も展示されていたのですが、絵が発光していたのはフェルメールだけ。同時代の画家たちの絵と並ぶことで、フェルメールの独自性がさらに際立っていたように思います。
フェルメール展を後にして銀座へ。ギンザ・グラフィック・ギャラリーに立ち寄り、開催中の企画展・デザイナー平野敬子
「デザインの起点と終点と起点」を見る。
受付で渡された「White Book」を片手に、平野敬子が関わってきた仕事を読み解くという仕掛け。彼女は10年前に白いポストカードで全面を覆った壁面を出現させ、10年後に白い本「White Bookー思考の言語化の記録」を創っている。
グラフィックデザイナーの原研哉が、先頃
「白」(中央公論新社)という本を出版しましたが、平野敬子は原より先に、そして長く「白」について思考してきたのではないかな。
ちなみに、ギンザ・グラフィック・ギャラリーの次回の企画展は“原研哉”だそうです。