あきらかに読者層から外れているし、もう買って読むこともないだろう…と思っていた雑誌「POPEYE」(マガジンハウス)。それが、4年前(2012年6月号)にリニューアルしてから特集が気になりだし、手にするようになりました。もちろん、気に入った号は買って手元に。今回のリニューアルを手がけた編集長は、ブルータスの元副編集長、木下孝浩氏。
雑誌「POPEYE」の魅力は、徹底した取材力、現場力。街で、ストリートで、いま起きていることを発見する力と、それらを読者と同じ目線に立って誌面に表現する編集デザイン力が際立っていました。木下孝浩編集長の「POPEYE」になって、そんな「POPEYE」らしさが復活。いま、これほど取材に手間をかけている雑誌はないのではないでしょうか。手書きのイラストや切り抜き写真を上手に使った編集デザインは、作り手と読み手の距離を近くしています。
6月に雑誌「POPEYE」は創刊40周年を迎え、最新号には創刊号(1976年)の復刻版が付録としてついています。「POPEYE」の個性が凝縮されている名物コラム「POP・EYE 」の原点も読めます。創刊号の復刻版は誌面に加えて、どんなスポンサーがどのような広告を作っていたのか、そちらも興味がありました。復刻版のスポンサーは、すべて「BEAMS」でした。
「POPEYE」についての本は何冊か出版されていて、雑誌『POPEYE』(平凡出版:現マガジンハウス)の創成期を振り返った椎根和氏の「POPEYE物語」(新潮社)が出版されたときには、このブログに「
新しい雑誌には、新しい言葉と文体が必要だ」という投稿を書きました。編集者・赤田祐一氏の著書『
証言構成「ポパイ」の時代―ある雑誌の奇妙な航海―』(太田出版 )も創刊当時の編集部のことが詳しく紹介されています。