「若手経営者の起業挑戦記」(主催/静岡市コラボ金融5中心市街地活性化企画チーム)というパネルディスカッションを聞きにでかけてきました。登壇されたのは、静岡市内で事業を立ち上げた、株式会社玉川きこり社の原田さやかさん、「しろくまジャム」の武馬千恵さん、「ソレイユ六本木」の大久保あけみさん、そして「コロニアルキッチン」という飲食店を経営している佐藤英太郎さん。働きながら起業準備をおこなうことの難しさや、事業計画の重要性、起業後の課題と解決方法など、それぞれの体験談は、これから自分で事業を起こそうとしている人だけでなく、企業内で事業をまかされている中堅、若手社員にも役立つ、そして、刺激になる内容だったように思います。

 林業を行いながら「きこりと子育て」を テーマに商品開発をし、林業の六次産業化 を目指している原田さやかさんや、静岡県中山間地の情報発信 スペースとして地元の果物を 使ったジャムのお店「しろくまジャム」をオープンした武馬千恵さんは、自分のできるところから小さくはじめ、小さなコミュニティを作り、そこから新しいつながりと、ファンや応援者が生まれてきている、というお話をされていました。

 静岡市初の地ビール醸造所「AOI Brewing」(アオイブリューイング)を開設した満藤さんにお会いしたときのことをこちらのブログに書きました。原田さんと武馬さんからも、自分が暮らす地域の課題やつながりを起点に、自分の手で何かを起こそうとする人たちのアメリカのムーブメントを紹介した『ヒップな生活革命』(佐久間裕美子、朝日出版社)に登場する人たちに共通する、視座や熱のようなものを感じました。ひとつひとつは小さな変化かもしれませんが、それらがつながり、時には呼応し合い、持続される中で、気づいた時にはムーブメントに育っていくのでしょう。

 そして、それらは個人として事業を起こさなければできない、というものではありません。組織の内側からの視点だけに囚われてしまうと、閉塞感をもちやすいのかもしれませんが、視野を広げてみると、地域社会に必要とされていることで、自分の仕事の延長線上でできることが、たくさんあるのではないでしょうか。

 パネラーの4名の方が繰り返し言っていたことは、「夢が一番大事」そして「誰に喜んでもらうのか、はっきりしていること」。地域が抱えている課題で、自分の夢(好きなこと)と重ね合うところ…、に新たな可能性が広がっている。いま、組織の中で頑張っているたくさんの若い人たちが、彼らと同じような思いで自分の仕事を見つめることができたら、大きな力になるように思います。ただし、「夢」や「好きなこと」だけは、教育や指導でどうにかなるものではないのかもしれませんが。

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静岡の『ヒップな生活革命』…。


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