その日の高座は、桂 歌丸・三遊亭円楽・桂 文珍という大御所三人が登場。笑点でお馴染みの歌丸師匠は、お約束である円楽の悪口で笑いを誘い、円楽は円楽で、今日のお客さまは歌丸の最後の高座を見ることができて幸せでしたね、と返す。
演じるほうも聞くほうも、ふたりのかけあいはよくわかっている。そのわかっていることが今日もお約束通りに繰り返されることに安心し、癒され、会場は幸せな空気に包まれた(気がした)。
若かった頃は、お約束通りのことなんて新味がなくてつまらないなぁ、と思ったものだが、いまは、相手の期待を裏切ることなく、いつでもお約束を遂行できることは、日常生活においても、仕事においても、簡単でないことがよくわかる。ましてや、同じ設定で何度も人を笑わせることほど難しいことはないということも。そこには歌丸・円楽両師匠の、相手への信頼があるからこそ…、というあたりまえといえばあたりまえのことですが、そのことも、今回はじめてナマでふたりの掛け合い見ることで実感できた。
歌丸の演目は、「おすわどん」。円楽は、三月に他界した桂米朝師匠が創作した落語「一文笛(いちもんぶえ)」。そしてトリの文珍は、「花見酒」のショートバージョン。こうして演目を書きながら、古典落語そのものがお約束の世界であることを忘れていたと気づいた。一方で、円楽が米朝の「一文笛」をそのままやっていたわけではないことや、文珍の「花見酒」(ことし2回目)も前回とはちょっと話の展開から変わっていたことも思い出す。お約束で同じ効果を引き出し続けるには、一貫性だけでなく変化も不可欠…、などと考えていると、お約束とはブランドみたいなものだなぁとあれこれ考えてしまった。
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『ママのための就活フェア in 静岡』
http://mamane.eshizuoka.jp/e1462914.html
開催日:2015年6月27日(土) 10:00~16:00
会場:MIRAIE リアン(コミュニティーホール七間町)静岡市葵区七間町12-4
【入場無料】【ベビーカー入場可】【子連れOK】【服装自由】【入退場自由】