
12月1日から始まった
三大国際映画祭週間(@静岡シネ・ギャラリー)で上映されている、アンリ・ジョルジュ・クルーゾーの長編監督デビュー作『
犯人は21番地に住む』と、台湾の侯孝賢監督の『
恋恋風塵』を見てきた。どちらも家の近くの「TSUTAYA」には置いていない作品なので、この機会に見ることができたこと、それも大きなスクリーンで、リマスター版で、というのはありがたい。
最近は「映画はレンタルで観る」ことが主流になっている。その場合、ビデオレンタル店にある映画を見る、のであれば問題ないが、見たい映画をレンタルビデオ店で探す、となると「取り扱い無し」ということも多い。レンタルビデオ店は回転率が重要なので、店頭在庫は必然的にレンタルランキング上位の作品で占められる。会員データの利活用、効率的な店舗運営の先進事例としてしばしば紹介される「TSUTAYA」においては、なおさらである。それはしかたがないことだ。結果として、効率化が進むほどにランキング圏外の作品に出会う確率は限りなく少なくなる。「いつでも好きな時に観たいものを見ることができる」、そんな世の中になったような錯覚があるが、それは自分の根拠のない感覚であって、実際は映画に限らずそうでもないことがたくさんあるのだろう。
「
ジャック・タチ映画祭」や「三大国際映画祭週間」のようなホールの自主企画は、ふだん出会えない作品に出会えるきっかけとして貴重である。三大国際映画祭週間の後半も楽しみである。ちなみに三大国際映画祭とは、「ベルリン国際映画祭」「ヴェネチア国際映画祭」「カンヌ国際映画祭」のこと。
・静岡シネ・ギャラリー「三大映画祭週間」
http://www.cine-gallery.jp/cinema/2014/3daieigasai2014/3daieigasai2014.html