ここは我が輩の生まれた家である。父は明治の文豪、夏目漱石。
先日、妻籠にでかけた帰り道(
妻籠から馬籠の記事はこちら)、愛知県犬山市の明治村に寄った。アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトによって設計された帝国ホテルの中央玄関部も見ておきたかったのだが、お目当ては幸田露伴や森鴎外、夏目漱石たちの暮らした住宅。上の写真は、1887年ごろに建てられた典型的な和風中流住宅である。偶然にもこの家に鴎外と漱石が相次いで暮らし、鴎外はこの家で「
文づかひ」を、漱石は「
吾輩は猫である」を執筆している。下の写真は、幸田露伴の家。
昨今の住宅事情では、外断熱とか内断熱だとか気密性が重視されるようだが、そんなことはおかまいなしに、外と内とが一体となった開放的な和風住宅は、いまでも魅力が薄れない。暮らすには不自由があるだろうが、時々出かけて見学して楽しむ上では、季節感も味わえて申し分ない。
静岡市の興津から移築された西園寺公望の坐魚荘は、残念ながら修理中で見学できなかったが、実は、わざわざ明治村までいかなくとも、静岡県内にはたくさんの近代和風建築が残っている。うれしいことに、県内の『近代和風建築』を集めたガイドブックや電子書籍、ウェブサイトも配布、公開されている。興味のある方にはお薦めです。
近代和風建築については、eしずおかで見どころを解説をしているので、まずはここからご覧ください。
『近代和風建築』見どころ解説
≫ eしずおかおでかけ特集【しずおか近代和風建築さんぽ】
≫ ガイドブック『しずおか近代和風建築さんぽ』第1巻、第2巻