先日、家に帰るとボイジャーから封筒が届いていた。ボイジャーと言っても太陽系の彼方を旅する無人惑星探査機からではなく、東京で電子書籍出版を手がけているボイジャーから。宇宙の彼方ではなく、東京のボイジャーからであっても、電子書籍の会社からリアルなモノ、しかもどこにでもある普通の、今しがたまで近所の商店街の文具屋の棚でうっすらほこりを被ってたような茶封筒が届いたことが意外だった。
封筒の中を覗いてみると、CDサイズ、本文92Pの小冊子『
本はひろがる』が1冊と、スタッフからの直筆の手紙が1通同封されていた。どうやらわたしが先々月あたりにボイジャーの運営するウェブマガジン『
Books航』のアンケートかなにかに答えていて、この度出版された『Books航』のウェブコンテンツをまとめたオンデマンド本が送られてきたというわけらしい。仲俣暁生氏が編集長の『Books航』は、いつも更新を楽しみにしているウェブマガジンで、そのコンテンツが紙の本になって手元にあるということ自体がちょっと不思議な感じでもある。
紙の本は、ちょっと凝ったデザインの表紙があって、本文はあたりまえのように1ページ目から最後のページまで整然と並んでいるのだけど、実はそれがシンプルでわかりやすい編集方法であることに最近気づいた。そんなあたりまえのことなのだけど、どんなものであっても「
始まりがあって終わりがある」ことに、人は安心できるのだと思う。