昨日はフリーマガジン運営社の会合に出席した後、夕方からは水道橋の日本エディタースクールへ移動して電子出版の実務講座に参加。こちらは中小規模の出版社の経営者や編集者、そして一部、出版社が電子書籍を始める際の支援事業を手掛けているシステム開発会社の方の参加が多かったようです。

半年前までは、電子書籍は既存の出版社にとって脅威か、それともチャンスか、といった議論をしていた出版関係者も、今では「どんなコンテンツが売れるのか」「手始めにどんな作品から電子書籍化するか」「著者との出版契約などの課題はどうするか」「収益配分は?」といった具体的な議論が中心になってきました。この半年の変化は大きい。これもiPad効果でしょうか。

同じ紙媒体でも、顧客からの広告収益で成り立っているフリーマガジン運営社よりも、これまでも読者にコンテンツを販売していた出版社のほうが、電子出版へ舵をきるスピードは早そうです。年明けから「2010年は電子出版元年になる」といわれてきましたが、本当にそのような変化を肌で感じた一日になりました。

講座終了後の懇親会では、講師の一人として参加していた仲俣暁生さんにご挨拶。以前仲俣さんに、下北沢のデザイン事務所Coa GraphicsとKate coffeeというカフェが共同で発行している「Kate paper(ケイトペーパー)」というフリーマガジンを送っていただいたことがあるのですが、その時のお礼を直接伝えることができてちょっぴりほっとした夜でもありました。

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