映画館の屋上、プラネタリウム跡で言葉に触れる
昨日から『デザインファーム』(静岡市青葉公園通り青葉交番のすぐ北側)と『静活プラネタリウム跡』(静岡市七間町静活ビカデリー屋上)を会場にして開催されている静岡コピーライターズクラブ仕事展2010『コピーバザール』へ。

『静活プラネタリウム跡』へは初めてでかけたのですが、エレベーター入り口に貼られたR18指定のポスターに目線は引きつけられ、エレベーターを下りてからは、緑のシートに沿ってうっかり小劇場に足が向かってしまう(笑)。プラネタリウム跡の会場入り口に立っていたSCC事務局のSさんがこちらを見て笑いながら「そちらではないですよ、こっちこっち」と誘導してくれて、「今日見にきたのは、コピーバザール」だった、と我に返る。

静岡コピーライターズクラブの仕事展2010『コピーバザール』には、しずおかオンラインも微力ながら後援させていただいていることと、今回の「しずおかコピー大賞」が公募展だったこともあり、応募状況とどんな作品が受賞したのか興味があり、楽しみにしてた。

「しずおかコピー大賞」の課題はこの2つ。
 課題1:「本をついよみたくなるコピー」
 課題2:「映画館で映画を観たくなるコピー」

応募総数は1000通を超え、予想以上の反響だったようです。会場には、応募作品とその中からファイナルに選ばれた各10作品。そして受賞作品が発表されています。

会場の『デザインファーム』では、静岡の広告業界で活躍しているコピーライターの仕事ぶりが伝わってくる展示が。「このポスターのクリエイティブ・ディレクターは○○さんが手がけていたんだ。コピーは□□さんね」という感じで、見知ったクリエイターの名前とそれぞれの作品が紐づいていくのもおもしろい。

もうひとつの会場『静活プラネタリウム跡』は、映画館静活ピカデリーの屋上に遺されたプラネタリウム跡のドームが会場。そのままここで映画の1シーンが撮影できそうな趣のある雰囲気がいい。完全に昭和の雰囲気。ドームの中(写真上)はちょっと熱いけど、すこし我慢して、広告コピーのプロだけでなく、社会人や学生のみなさんが考えた素敵な言葉に触れていただきたい。

広告コピーは、新聞広告やポスター、雑誌やオリコミチラシなどの紙媒体に使用されることが多い。紙媒体に定着される言葉は、そのスペースの中ですべてを完結させる表現が求められる。キャッチコピーともなれば、広告キャンペーンにおける4番エース、キャンペーンのすべてを束ねる中心的ポジションといったところか。

一方、ネット上の言葉には、リンクが貼られ、更新され、次々と流れていく。中心はなく、常に動的なコミュニケーションが展開されるイメージ。同じ言葉でも、使用されるメディア環境でまったく期待される役割は別物に見える。

ドーム内で、やはり紙に印刷された受賞作の言葉を見ながら、広告コピーには人を振り向かせるパワーが必要というあたりまえのことと、そして紙というスペースに定着させられることの不自由さと潔さ(へん?)を感じる。

「映画館で映画を観たくなるコピー」の受賞作は、人を幸せな気分にする素敵なコピーでした。消費に直結することが求められる広告コピーは、読み手に夢や希望を感じさせることも大切。どんなコピーだったかは、ぜひ会場で見ていただければと思います。

会場で、PSYS榊原さんのデザインした家具に触れられたのもよかった。
映画館の屋上、プラネタリウム跡で言葉に触れる

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