この春から続いている毎朝の習慣の一つが、プラスチックボトルに入った“醤油もろみ”をかき混ぜること。醤油もろみは、今年の3月、奈良県御所市の片上醤油さんで、木桶発酵による醤油づくりを見学させていただいた時に、土産にいただいたもの。大豆と小麦を麹にして塩水に仕込んだもので、片上醤油さんの仕込み桶の千分の一の縮小版。

「毎日、かき混ぜてください。1年後には醤油になりますから」とおかみさんが言っていましたが、昨日の朝、フタを開けたところ「ふわっ」と醤油のいい香りが漂ってきました。正直「1年は長いな、続くかな」と思っていましたが、かすかな醤油の香りに、“醤油もろみ”への愛しさが突然芽生えました。

雑誌『スペクテイター』が「発酵のひみつ」という特集を組んだのが昨年2016年1月発行号。パン、みそ、ピクルス、酒などなど、ここ数年発酵食品への関心が高まっていますが(静岡市内でも「madoi」さんの「発酵ごはん」の料理教室は大人気)、自分が醤油を育てることになるとは想像もしていませんでした。

このところの発酵食人気は、健康志向という範疇を超えて、生活の一部として捉えられているところが従来との違いではないかと思います。これも、最近よく目にする「ていねいな暮らし系」への関心の表れなのかもしれません。


※玉川きこり社社長、原田さやかさんのインタビューノート
 第3回「絵空ごとだった事業計画」が公開となりました。
http://interview.eshizuoka.jp/e1778547.html


  こちらは素材そのものの味が凝縮されて、素材の持ち味が味わえる「madoi」さんの発酵ごはんのお弁当。
“醤油もろみ”が育ってきました。



“醤油もろみ”が育ってきました。



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