熊本地震による被災状況が気になる中、東日本大震災の被災地視察に参加してきました。
初日の視察先は、気仙沼市と南三陸町。気仙沼市では地元の語り部さんに魚市場や復興横町を案内していただきながら、ご自身の体験を交えて震災当日の様子や復興状況について説明していただきました。南三陸町では、職員が最後まで町民に避難を呼びかけ続けた南三陸防災対策庁舎跡と志津川中、さんさん商店街を見学。そして、現場社員の判断で多くのお年寄りの命を救った高野会館では、関係者同行のもと、当日の避難場所となった屋上に登らせていただき、津波の高さ、大きさを体で感じる貴重な体験をさせていただきました。
海岸に近い地区よりも海が見えない地区、そして避難指示地域外で亡くなられた方が多かったという気仙沼。“津波てんでんこ”の言葉を引き合いにだしながら、自分の命は自分で守ることの大切さや、どんなにハードを整備しても、日頃から自分ごとととして避難訓練に取り組んでいないと、いざという時に行動できないですよ、という語り部さんの言葉が身に染みました。
街全体の高台移転を決めた南三陸町では、佐藤町長自ら復興状況について説明していただきました。国との交渉や住民の合意形成では苦労されたようです。災害が起きる前に災害を想定して制度を見直したり、インフラを確保しておくなどの“事前復興”、(過去の)制度に復興をあわせるのではなく、復興に制度をあわせて運用することの必要性などについて貴重なお話を聞かせていただきました。
南三陸町の復興のグランドデザインには、新しい国立競技場の設計者として選ばれた建築家・隈研吾氏が参加しています。南三陸町でも人口減が大きな課題となっている中で、一日でも早く復興計画が完成し、新しい南三陸町を多くの方が訪れる日が来ることを願っています。
志津川中学から見た、高台移転に向けて復興が進む南三陸町。パネルは、震災前の街の風景。
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