岡本仁の
『ぼくの鹿児島案内。』を読んで以来くすぶり続けていた鹿児島熱を冷ますためには、やっぱり鹿児島に行くしかない…。ということで、富士山静岡空港を利用してでかけてきました。飛行機は定刻よりも少し遅れて昼12時頃に出発し、午後1時30分には鹿児島空港に到着。鹿児島便は初めての利用でしたが、静岡から90分(「こだま」で静岡-東京間と変わらない)で九州最南端に着いてしまうことに、あらためて驚きました。
空港から鹿児島中央駅まではバスで約50分。そのままホテルにチェックインして、天文館方面にぶらぶらと散歩。時計の針が5時を少し回ったことを確認して、「からあげ松幸」の暖簾をくぐりました。お目当ては、ここのポテトサラダ。鹿児島まできてポテトサラダ?と思われるかもしれませんが、『ぼくの鹿児島案内。』を読んでいただければ、その気持ちはわかっていただけると思います。
お店にはいっても反応がないので、「ごめんください。営業してますか」と二度ほど声を掛けると、奥のテーブル席のベンチ椅子に横になっていたご主人がゆっくりと体をおこして、「どうぞ」とカウンター席をすすめてくれました。入口右手の棚にずらりとボトルキープされていた銘柄「三岳」を眺めて、まずは同じ「三岳」を水割りで注文。そして、「松幸」の看板メニューである手羽先のからあげをお願いしました。
実は、ポテトサラダは単品メニューではなく、手羽先のからあげの付け合わせ。隣の席の夫婦に出された、不釣り合いなほど山盛りのポテトサラダを見て「どれほどここに通えば、あれくらいポテトサラダを増量してもらえるのだろう…」とうらやむ岡本仁の言葉を思い出しながら、よく冷えたポテトサラダと、揚げたての手羽先をいただきました。とてもクリーミーなポテトサラダももちろんですが、あつあつの手羽先は肉厚で香ばしく、これまで食べたどんな手羽先よりもおいしい。正直に主人にそう話すと「そうですか。だとすれば、それは鶏がいいんじゃないですか…鶏は熊本のなんだけどね」。その冷めた反応に、なぜかうれしくなる。屋久島の焼酎「三岳」に心地いい酔いを感じつつ、鹿児島熱が徐々に治まっていく鹿児島の夜でした。
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