2012年7月に楽天が電子書籍端末「コボ」を発売して1年。10月にアマゾン「キンドルストア」がオープンし、3月にはアップルも電子書籍販売をスタートしている。電子書籍が日本でも本格的に離陸して1年が経過したということで、この夏は電子書籍に関する記事を目にする機会が増えた。スマートフォンやタブレット端末の普及も電子書籍の期待を高めている。

個人的には、先週から腰痛に苦しめられたおかげで、AmazonのKindleペーパーホワイトを利用するきっかけができた。ベッドに横になって読むことしかできない腰痛持ちにとって、片手で持てるうえに、ページめくりまで指1本でできる電子書籍端末は、なかなか使い勝手がよい。もうひとつの発見は、部屋の明かりを消していてもライト内蔵のおかげではっきりと読めること。暗い中で本を読むことは、心理的に若干抵抗があるものの、e-inkの文字も見やすく機能的にはなんら問題ない。

アマゾン「キンドルストア」&ペーパーホワイト

写真は、Kindleストアからダウンロードした夏目漱石の「私の個人主義」。青空文庫版で0円というのもうれしい。最近の記事では、電子書籍ストアについては、町の書店に比べて品揃えが物足りない、という声が多いらしい。たしかにKindleストアの棚もランキング中心で、棚を眺める楽しさは、いまのところまったく感じられないが、青空文庫の本を簡単にダウンロードできて読めるというだけでもありがたい。来週は数日でかける予定があるが、今回はKindleペーパーホワイト1つもって出かけてみようと思う。

追伸
Kindleストアの青空文庫をいろいろと探しまわり、夏目漱石や北大路魯山人、寺田寅彦、幸田露伴など十数冊の本をダウンロードさせていただいた。一仕事終えて夕刊を開いてみると「青空文庫の世話人 富田倫生さん死去」(8月17日朝日新聞夕刊)という記事が目に飛び込んできた。ご本人のことはほとんど知りませんが、富田さんも世の中を変えた一人だと思います。ご冥福をお祈りします。


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