11月に見に行った「伊東豊雄 建築 ー 新しいリアル ー」展(東京オペラシティ・アートギャラリーで12月24日まで開催中)を、NHK「新日曜美術館」で特集していました。
■「伊東豊雄 建築 ー 新しいリアル ー」展
http://www.operacity.jp/ag/exh77/
均質的で合理的なモダニズム建築を超える手段として、伊東豊雄が提示する「エマージング・グリッド(生成するグリッド)」という考え方は言葉では理解しがたいのですが、番組内で見せた2枚の板とそこに描かれたAとBふたつのグリッドを使って空間を生み出すプロセスはなかなか刺激的でした。
一見人間の骨の内部のような有機体の構造物に見える建物は、個人的には鉄腕アトムやブレードランナーの描いた近未来都市が幻となった今、久しぶりに楽観的で明るい未来都市というものを描いているようにリアリティをもって感じられます。
「グリッド」を元に新たにより複雑で有機的に生み出そうとする伊東豊雄の姿は、「アルゴリズム」や「トーン」などのキーワードを元に新しい広告表現を創りだす佐藤雅彦に重なって見えました。