仕事帰りに会社のスタッフと一緒に鷹匠の新しいお店バールビスクへ。このお店は今日が始めて。店内奥に大きなスクリーンがある。編集部Yさんがセレクトしてくれたのですが、午前3時過ぎに始まる日本対デンマーク戦をみんなで観戦しよう、という話は誰からもなく、もちろんYさんの頭の中にもつゆほどもあったわけでなく、スクリーンを背にいつもとかわりなく飲んで食べて話をする。

カメラマンM君と編集者Yさんの取材現場の仕切り方?についての熱のこもった議論を興味深かく眺めながら、わたしとM部長の二人は行司役に徹しておいしいお酒をいただく(笑)。

取材現場の仕切り方に正解はない。カメラマンと編集者の組み合わせや、企画内容(しっかり作り込んで正確に記録することが優先の場合もあれば、その場の熱や空気を封じ込めて読者に届ける企画の時も‥この場合は予定調和の取材はバツ)によってさまざま。

雑誌づくりにおいては、多くの場合、カメラマンではなく編集者が企画出しや取材先の決定権を握っているので、この手の話においてはカメラマンの歩は悪くなりがち。だからといってM君が落ち込む必要はない。そういうものなのだからしかたない。

ただし、カメラマンに気持ちよくシャッターを切らせるには、カメラマンをノセるのも編集者の大切な役割。現場の雰囲気は誌面を通じて、読者に伝わってしまうから。編集者が若く、カメラマンとの経験の差が大きい場合は、順調に取材できているつもりの編集者の気づかぬところで、カメラマンが上手に現場を回していることもあります。こういうカメラマンとは仲良く(大切に)すべし。

常に全体の状況を俯瞰して、今いる場所の少し先、これから向かう道を切り開いて安全を確かめておくこと(時には自らスリ傷覚悟で地ならししなければならな時もある)も編集者の仕事。デザイナーやカメラマンのように、わかりやすく、特別な技術やスキルがあるわけではない編集の仕事は、個々の編集者によっても仕事に対する認識はちがうかもしれませんが、わたしはそう思う。

自分自身が最近では、現場に立つ機会もめっきりなくなってしまい、取材について熱く語っている二人が羨ましくもありました。

二人の対戦結果は『K-MIXしずおか日帰りナビ』(しずおかオンライン発行)で確認可能です。


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