『静岡アウトドアガイド』〜アウトドアにこそ、真実があるしずおかオンラインの前身、フィールドノート社の創業時期に大変お世話になったKさんから、突然お電話をいただきました。

Kさんは静岡市内で登山店を経営している方で(山男です)、わたしが会社を立ち上げて最初に出版した『静岡アウトドアガイド』というガイド雑誌に、創刊号から長い間広告を出稿してくれていたお客さま。

電話の内容は、Kさんが『静岡アウトドアガイド』の創刊号に寄稿してくれた原稿(誌面)のコピーが欲しいということでした。

私自身も久しぶりに『静岡アウトドアガイド』のページを開いてみたのですが、当時のお客さまの多くが、Kさんと同じように長期にわたって継続して広告を出稿してくれていて、現在のしずおかオンラインがあるのも、当時のお客さまの支えがあってからこそと、あらためて感謝したいと思います。

当時のお客さまは、広告効果を期待するというよりは、「若いヤツがなにかやろうとしているから助けてあげよう」という気持ちが大きかったのではないでしょうか。

そんなみなさんに、わたしは勝手にテーマを決めて原稿を依頼していたのですが、いま思えば、お客さまと一緒になって雑誌作りを楽しませていただいていたわけです。

ありがたく、そして、幸せな時代でした。

原稿は、閉店時間の夜9時頃にお店で受け渡しということが多かったのですが、週末のその時間のお店は、これから山に出かけるお客さまでいつも賑わっていました。
12月半ばを過ぎれば、スキーやスノーボードを積んだクルマもよく見かけましたね。

雑誌の性格上、登山やキャンプ、バス釣り、カヌー、サーフィン、ダイビングなどを趣味にしている方を数多く取材しましたが、いまと比べると、90年代中頃までは海や山、川などで、若者もオトナも、少年のように遊んでいる姿をよく見かけました。

それと比較すると、最近の自転車やマラソンブームは、健康志向、エコ志向が感じられて大人な感じですね。

仲のよい家族が集まって、河原でバーベキューというのも手頃なレジャーでしたが、最近はそんな場も、郊外の洒落たカフェや居酒屋に移っているのかもしれません。

Kさんが寄稿してくれた誌面のコピーは、来年予定しているアウトドアイベントで使用するとのこと。いまから16年も前の誌面を、新しい方々に読んでいただけるのは、不思議な気分です。

そんな昔の原稿が今でも使えるのかな、とも思いましたが、書かれている内容は、山の魅力について語ったものでしたので、ちっとも古びていません。山の魅力は十数年では変わりませんから。
身の回りのものごとは、ものすごい早さで変化していますが、静岡県の恵まれた自然環境は、いまも当時とそれほど変わっていないのではないでしょうか。

「アウトドアにこそ、真実がある」とは、『静岡アウトドアガイド』創刊号の表紙に書いたキャッチコピー。

すこし気負いも感じますが、これから創刊する雑誌に込めた(賭けた)思いをそのまま言葉にしました。

それにしても、地方でアウトドアをテーマにした雑誌を出版したことに、いまさらながら若さといいますか、無謀さを感じますね(汗)。

背筋に冷や汗が流れます(笑)

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