「御社では、出版の将来性をどのように考えていますか?」

これは最近、面接の際に必ず聞かれる質問のひとつです。

「ネットやケータイ利用者が増える中で、出版マーケットは確かに厳しい。
でも、本そのものがなくなることはない…」

と、控えめに前置きしたうえで、そこから本人の予想を超える回答で一打逆転してくれることを、質問する本人が期待しているのかどうかわかりませんが、残念ながらそこで何かサプライズがあるわけではありません。

毎回繰り返して説明するのは

 ・「出版」は情報を公開する手段のひとつである

 ・特定の読者に対して情報を提供し、コミュニティを形成し、
 そのコミュニティに価値が生まれ、価値が換金される

 ・換金手段(読者が本を買うor企業が広告を出稿するor
  情報提供された商品を読者が買うor会費を払うect…)はさまざまである

ということ。

情報が供給過多な状態では、情報を載せるパッケージ
(「紙に印刷して束ねる」とか「オーディオブックとしてiPodにダウンロード」とか「デジタルブックでウェブブラウザで読む」とか)が重要なのではなく、

その情報にアクセスしやすいパッケージと流通を選択・構築し、
価値あるコミュニティを形成すること。

「想定読者の注意を喚起して、何らかのアクションに結びつけること」

が重要になります。

このあたりの考え方については、「ワイアード日本版」や「サイゾー」を立ち上げた
インフォバーンの小林弘人氏の連載「小林弘人の誰でもメディア宣言」(NBonline)に、とてもわかりやすく書かれています。

これから出版社やメディア企業の面接を受ける方には、
事前に「小林弘人の誰でもメディア宣言」に目を通しておくことをおすすめします。
現在の日本の出版界のおかれているポジションが整理できますよ。

もちろん、わが社の社員も読んでくださいね。

で、結論ですが

・「出版」には、さらに大きな可能性が広がっている

・そのためには「出版」の概念の再定義が必須

 そこから「出版」のバージョンアップが始まる

と、ぼくは考えています。

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「小林弘人の誰でもメディア宣言」(NBonline)

Vol.5 雑誌って、人の数だけあっていい
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070927/136126/

Vol.4 ウェブで「配信」ではなく「出版」と言うワケ
〜だってそれは、プロトコルに過ぎない
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070927/136126/

Vol.3 「ハルヒ」のヒットは“憲章”のおかげ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070713/129824/

Vol.2 アテンション資本主義と、企業広報
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070713/129823/

Vol.1 「出版」をバージョンアップする
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070517/125069/

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