いつもの通勤路から外れた路地で見つけた空き家。1971年に大野勝彦氏が考案したユニット構造住宅「セキスイハイムM1」のようにみえますが、どうでしょう?小学生のころに、トラックに乗って運ばれてきた部屋(ユニット)を見て驚いたことを思い出しました。住宅を機能に分解してユニット化し、住み手が自由に選択、組み合わせて完成させる家。
1960年頃から始まった住宅の工業化・プレハブ住宅の普及が、日本の民家や街並みを変える要因のひとつになったわけですが、その究極のプレハブ住宅にも思えた「セキスイハイムM1」を、考案者の大野勝彦氏は「現代の民家」として捉えていたことが、「
ひらかれる建築」(ちくま新書・村松秀一)の中で紹介されていました。
「村々の自然環境と、コミュニティと素材の生産力と人びとの労働力とのバランスの中で長時間・超空間的にバランスの取れた形で合理的にかつ創造的につくりあげられてきた日本の民家(を成立させていた社会システム)を、工業化技術を使って“現代の民家”のシステムとして再構築しようとした」。
大野勝彦氏が「現代の民家」としてユニット構造の住宅を考案したのは1971年。それから約46年が経過。少子高齢化が進み、家族のカタチも変わっていく一方で、新素材や建築技術、AIやエネルギー面などで技術革新が進む2010年代における「現代の民家」に求められる要素とは何か。そのようなテーマの企画展があれば出かけてみたいと思います。
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