自由大学主催の講座「Creative City Lab」の続きです。
二日目は、公開討論会「 Creative City Session from UR ~クリエイティブな街を生み出すものは何か」で始まりました。内容は、ポートランドの事例を紹介しながら、これからのまちづくりに欠かせない要素について。「まちづくり」の議論は、とかく概念的で、拡散しがちですが、ポートランド市開発局(PDC)は、自分たちの仕事について、「都市再生を通じて、ポートランドを経済的に競争力のある都市に育てる」という明確な目標を掲げ、その手段として、「市民のよいアイデアを集めて、パートナーとなる機関、企業、団体の三者が、費用と恩恵を分け合う仕組みを作ること」と定義しています。そのわかりやすさが、仕事をブレないものとし、関係者との役割を明確にし、合意形成する上で役立っているのではないかと思いました。
12年前に不動産セレクトショップサイト「東京R不動産」を立ち上げ、国内では先進的かつ草の根的にまちの再生(リノベーション)に取り組んできた東京R不動産のディレクター林厚見氏も登壇。「最初は“ボロビル”ブログだった」と話はじめた林氏からは、日本においても年を追うごとにリノベーション熱が高まっていることや、「建築と家具の間」「デザイナーと職人の間」「リノベーションと模様替えの間」「オーダ-メードとレディメイドの間」の需要が高まっているという現場感覚の話を興味深く聞きました。その一方で、PDCが都市全体を俯瞰して活動しているのに対して、民間事業者としての限界、まちづくりの主流になりきれない歯痒さのような思いも伝わってきました。
午後は、ポートランド市開発局(PDC)のスタッフを交えて、ポートランドで実際におこなわれているワークショップを体験。市民、企業、行政の三者が、合意形成をはかりながら、まちづくりをしていくプロセスに触れることもでき、充実した二日間でした。