今週の月曜日、2月23日は、富士山がユネスコ世界文化遺産に登録されて2回目の「富士山の日」。静岡県、山梨県などで「富士山の日」記念行事が開催されました。山梨県側に比べて静岡県(表富士)側の誘客は芳しくないと聞くことがありますが、互いに誘客数を競争するよりは、山梨・静岡両県が協力して富士山に訪れた観光客の回遊性を高めたいところ。富士山麓を180度または360度楽しんでいただくことが両県にとってプラスであり、富士山を訪れた観光客の満足度も高くなるのではないかと思います。
その10日ほど前の2月11日は、東名、新東名と伊豆半島をつなぐ東駿河湾環状道路の三島塚原IC~函南塚本IC間が開通して一周年。国土交通省沼津河川国道事務所の調査では、伊豆方面を訪れるクルマは1.5倍になり、東京以北からのクルマは2.6倍に増えたようです。伊豆長岡温泉組合の売上げは前年比5%増、三島市、伊豆の国市、函南町の昨年3~9月の観光客数は前年同月比11%増になったとか。交通インフラが人の移動に与える影響は、やはり大きいですね。
では、富士山の回遊促進性を高めるために何が必要なのか。実際の状況について詳しいわけではありませんが、すくなくとも、今から新しい交通インフラを整備するなどは現実的とは思えません。それよりも、既存の公共交通インフラを使って、東西南北移動しながら富士山を満喫できる周遊ルートの開発や体験型観光ソフトの企画、それらの情報をスマホで収集できる情報発信、そして富士山麓の各所でネットにアクセスできる無料Wi-Fiスポットの整備など、情報インフラの強化こそが、観光客に求められていることのように思います。
最近も、スマホやタブレットをもって日本を訪れた外国人が最初に困るのが通信環境という報告がされていました。「訪日電波難民」という言葉も聞かれるほど。これは、わたしたちが海外旅行するときのことを考えれば、海外でネットに無料でアクセスできる通信環境のありがたさは容易に想像できます。弊社としては、静岡市さんが進めている静岡市公衆無線LAN事業「
Shizuoka Wi-Fi Paradise」の広域化と、静岡のWi-Fiと観光情報を発信する海外旅行者向けサイト「
SHIZUPASS しずぱす」の普及が目下の課題。
現在は、「
SHIZUPASS しずぱす」利用者の外国人比率は約7%(外国語ページへのアクセス比率)ですが、ここをなんとか伸ばしたいところです。今日はスタッフが、静岡に留学中の中国や韓国、米国からの外国人学生を招いて、「
SHIZUPASS しずぱす」についてのヒアリングを行ってくれていました。ユーザー(外国人)ファーストで、これからどのようなサイトに育っていくのか、楽しみです。
・Fujisan Free Wi-Fi Project
http://www.freewifijapan.com/jp.html
・Shizuoka Wi-Fi Paradise(静岡市公衆無線LAN事業)
http://www.city.shizuoka.jp/deps/joho/wi-fi.html
・静岡のWi-Fiと観光情報を発信「SHIZUPASS しずぱす」
http://shizuokapassport.jp/
・【インタビューノート】常葉大学経営学部教授 大久保あかね氏
http://interview.eshizuoka.jp/e1328195.html